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2020年の仕事も始まり、皆さま早速業務に取り組まれていると思います。株式会社Rubato代表の松上です。最新号のプレジデントでは資料作成を質が高く、早く行うためにはどうすればよいのかについて書かせていただきました。そこでは5つのポイントを挙げさせていただきましたが、紙面の都合もあるので、全ては書ききれませんでした。そこで、今回はこちらに特別にインプットとアウトプットのコツを書きたいと思います。

【インプットがあるからアウトプットできる?】

私たちは、常に「インプット→アウトプット」という順番に物事を考えるように訓練されてきました。例えば、「数学の公式を学んでから、練習問題をやってみる」、とか、「夏休みの自由研究は調査してからまとめる」などです。これはなぜかというと、先生からは、何かに取り組む時には、「まずは調べてみましょう」とか「本を読んでみましょう」と言われて取り組んできたからです。この背景にあるのは、「世の中に正しい答えがある」という考え方です。

しかし、学校の勉強ならまだしも、仕事において、「世の中にある絶対に正しい答え」を求める必要が本当にあるのでしょうか。

私は仕事には常に生産性が求められると考えています。生産性とは、成果/投入資源です。つまり費やした時間やコストに対して、どれだけの成果を挙げられたかがポイントになってくるのです。最適な解決策を見つけ出し、成果を出したとしても、それに1か月費やしていては、生産性が高いとは言えません。

もちろん、絶対に間違ってはいけない仕事というのはあると思います。しかし、多くの仕事の場合、大事なことは「正しい答え」を求めることではなく、その時点で最も生産性高く成果を出すということなのです。

【アウトプットがあるからインプットできる】

それではどうすればアウトプットを生産性高く実現できるのでしょうか。これはすごくシンプルで、「アウトプット→インプット」という順番に物事を考えるということなのです。これは慣れていないために私たちはすぐにはなかなかできないことです。

学校で一度も「報告の内容を考えてから調べましょう」とか「解答をまず考えてから、公式を見てみましょう」とか言われたことがないから、私たちはこの逆転の考え方ができないのです。

私は仕事は創作に近いと思っています。漫画や小説などの創作では、まずストーリーを描くところから始まると思います。もちろんある程度の情報収集もあるとは思いますが、ある程度のところで全体のストーリーを作る。そして必要な情報を埋めていく。これが創作の流れです。

仕事でも一緒です。まず自分なりに勇気をもって「この人を動かすために」は「こうではないか」という報告内容を仮に作ってみるのです。そして、それに必要な材料を情報収集していくのです。コンサルタントはブランクスライドとかスケルトンという、構成だけのスライドを作成し、そこに情報を集めて埋めていくという方法をとります。

この手法ですと、最初に情報収集の内容が制約されるので、劇的に資料作りが効率的になります。

最初に報告内容を作ると、「情報収集してからの修正が起きて大変じゃないか?」と思われるかもしれません。実は情報収集してからの報告内容の修正は全く問題ないのです。むしろ情報収集した結果、異なる結果が出た場合はそれは新しい発見なので相手に伝える大事なポイントになりうるのです。

私は大学院で元新聞記者の学生と共に学んだことがあるのですが、彼が言っていた記事の作り方がまさにこの方法でした。つまり取材に行く前に簡単なインターネット検索をして記事を書いてしまう。そして、その後に実際に取材にいく。最初に書いた記事と異なるポイントが出てきたら、それを中心に記事を書き直す。なぜなら最初の仮説から外れたことがその記事の新たな情報だからという話でした。

慣れていない中でアウトプットを考えるというのは慣れていないと苦労するのですが、5分で構いませんので、ぜひアウトプットをまず考えて、それからインプットをするということをやってみてください。資料作り、会議での発表、上司への報告、日報、あらゆる場面でこの手法は生産性を高めてくれますし、情報の海に溺れてしまったり、情報の砂漠で彷徨うことを防いでくれます。

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【公開中note一覧】
◆「人を動かす一人歩きする」資料Before→After
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
     Amazon週間売上ランキングのスライド
◆rubato講師×note
ロジカルな図解の作り方(前編)

【Rubatoの資料作成講座】

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