【連載 第3回】プロフェッショナルの大原則「人を動かす一人歩きする」資料Before→After 入門編③図解の基本形
こんにちは。元外資コンサルによる「戦略的プレゼン資料作成講座」の講師松上です。
第1回、第2回に引き続き、過去に私が添削した実際のスライドのBefore→Afterをご紹介します。
資料作成スキルをより強化したいという方はAfterのスライドと解説を見る前に、Beforeのスライドだけをみて、自分だったらどのように改善するかを考えてみてください。まずは自分で考えてみることで資料を見る視点が養われ、回数を重ねるごとに資料作成の大原則が身についていきます。
解説には、本講座の講師松上純一郎が執筆した新刊『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』の対応する大原則の番号を記載しています。
ぜひ書籍で詳細な解説とPowerPointの操作方法を確認してみてください。
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第3回は「コーチングアプリ」を誰かにお薦めするスライドを添削してみます。
×NGポイント
全体的に文字が多くて読みづらい、ポイントが分かりづらい
・メッセージとそれを説明する要素の構造が分かりづらい
・文字のフォント、色、大きさのバランスが崩れていて文字が読みづらい
・文字が多く、重要なポイントが分かりづらい
◎改善ポイント
上から下に流れる図解、小見出し、文字強調と色のコントラストで見やすく
1. 「背景型」と「小見出し」で「周りに相談できない理由」を整理します
「相談できない理由」(=相談できないという結果)として列挙
されている項目の共通点を、「①多様かつプライベートな
相談内容」と「②相談相手が見つからない」の2つの原因として整理
しました。これら2つを小見出しにして、その説明を箇条書きで列挙
しました。縦と横の位置が変わっていますが、これも「背景型」です。
▶[大原則083] 基本図解① 全体を示す「背景型」(背景型2)
2. 「合流型」で因果関係・統合を示します
Beforeのスライドでは、「相談できない理由」(=課題)から
「アプリの利点」につながるロジックが飛躍しています。
その飛躍を埋める目的で、アプリがなぜこの2つの課題を解決できるのか
についての説明を追加しました。
「周りに相談できない」という問題の解決策としてコーチングアプリを
提案しているので、合流型の図解で「課題→解決」を示しました。
▶[大原則081] 「ロジックツリー」を図解に落とし込む
▶[大原則086] 基本図解④ 集まる「合流型」
2. 小見出しに変化をつけましょう
小見出しの文字と背景色(長方形の図形)のコントラストを強くすること
で読みやすくなります。要素に階層がある場合には、上位の階層の
小見出しを濃い色にして、下位の階層の小見出しを同じ色相の明度だけ
変えた薄い色にすると直観的に見やすくなります。
▶[大原則098] 図解の強調色は「色相関」から選ぶ
3. 文字を強調しましょう
文字が多いので、読みやすくなるように、文章中の大事な部分の
文字色をベースカラーに変更し、太字にして、文中の重要なポイントを
明確にします。
▶[大原則100] 図解の文字は「2ステップ」で強調する
いかがでしたでしょうか。ちょっとしたポイントをおさえるだけでスライドは劇的に見やすくなります。ぜひ自分が過去に作った資料を見て、今回解説したポイントをおさえられているか確認してみてください。
沢山の方に、このnoteと私の著書で、「人を動かす、1人歩きする資料を早く作る」ためのプロフェッショナルの資料作成の大原則を習得していただき、皆さんの人生やキャリアに何かしらの変化を生み出し、成長のきっかけとなることを願っています。
第4回からは、ビジネスの実務で作られる、かつ少し複雑な図解を使ったスライドの解説にレベルアップします。
【公開中note一覧】
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
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▼松上の新著紹介記事『外資系コンサルが使う資料の「箇条書き」は”40文字以内”』が「PHPオンライン衆知」に掲載されました▼
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