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【連載 第6回】プロフェッショナルの大原則「人を動かす一人歩きする」資料Before→After OBOG版(前編) ~霞が関文学編~

 今回は昨年末に開催いたしました「資料作成講座OBOG 大忘年会」にて講座OBOGの皆さんに挑戦いただきました資料修正の一部をご紹介&解説させていただきます。

 まず挑戦いただいた資料はこちらになります。            【北陸信越運輸局の観光交流人口に関する資料】

スライド①

 とにかく情報量が多いため、どこから読み進めていくべきなのか、一瞬では把握できないのではないでしょうか。

 それでは早速皆さんの資料修正のご紹介を始めましょう。

 まず一人目の挑戦者Tさんの作品がこちら

投影資料_191130_資料作成忘年会_BeforeAfter解答

スライド②

 同じ内容とは思えないスライドですね!すごい!
修正ポイントは以下4点です。

① 「情報の整理」背景・課題・解決策のストーリーで情報を整理
② 「フロー化」スライド左半分をフロー型で整理
③ 「マトリクス化」スライド右半分をマトリクス型で整理
④ 「色を削減」色を使い過ぎない

 全体の流れを左半分で示しつつ、その中の「課題&解決策」に関して右側でより詳しく語るというスライドの構成により、スライドを見た人が一目で読むべき順番を理解できるようになっています。

 また元のスライドではわかりづらかった「旅行消費額」「旅行者数」「1人1回当たりの旅行支出」の関係性を計算式のように見せることで、それらの関係性がすぐに伝わってきますね。
 色に関しては全体的にエメラルドグリーンで統一しつつ、強調部分は文字色・背景色を変更していて、読むべきポイントを理解することができるようになっています。

 続いて二人目の挑戦者Fさんの作品がこちら

投影資料_191130_資料作成忘年会_BeforeAfter解答

スライド③

 こちらもすごい!まさにスッキリという感じですね。
修正ポイントは以下4点です。

① 「情報の整理」課題・解決策に絞ることで情報を整理
② 「マトリクス化」3つの要素をマトリクス型で整理
③ 「評価の追加」3つ要素を比較することで最適案を提示
④ 「色を削減」色を使い過ぎない

 最初に注目したいのは「課題」の設定ですね。元のスライドではわかるようでわからなかった課題を明確に示すことで、下のマトリクス図がいくつかある解決策に関して比較しているということがわかります。
 また各項目に関して〇・△・×で評価することで、3つの案の中で「訪日外国人旅行者」の誘客が最も重要であることを一目で理解できます。
 色に関してはこちらも全体を水色に統一しつつ、最適案全体を赤にすることで強調しております。


そして三人目の挑戦者Nさんの作品がこちら。

投影資料_191130_資料作成忘年会_BeforeAfter解答

スライド④

 三人目になりスライドにグラフが登場しました!
修正ポイントは以下4点です。

① 「情報の整理」課題・解決策に絞ることで情報を整理
② 「グラフの追加」定住人口の低下という背景をグラフ化
③ 「評価の追加」3つ要素を比較することで最適案を提示
④ 「色を削減」色を使い過ぎない

 全体の構成はTさんのスライドに近く、左半分を利用して日本の人口減少による消費額の低下というメッセージを伝え、右半分でそれに対する解決策を提示しています。
 左側では定住人口の減少にどのように対応すべきかという課題を伝えるために、人口推移をグラフ化することで、より伝わりやすくなっています。
また右側ではFさんのスライドと同様に〇・△・×で3つの解決策を評価しています。


 では最後に「戦略的プレゼン資料作成講座」の講師である丸尾さんの作品を見てみましょう。

投影資料_191130_資料作成忘年会_BeforeAfter解答

スライド⑤

 ここまで読んでいただいた皆さんならすぐにわかる通り、マトリクス型ですね!
修正ポイントは以下4点です。

① 「情報の整理」定住人口と3つの解決策に絞ることで情報を整理
② 「マトリクス化」各要素をマトリクス型で整理
③ 「ピクトグラムの追加」必要人数の違いをピクトグラムで表現
④ 「色を削減」色を使い過ぎない

 まず印象に残るのは人のピクトグラムですね。
 定住人口1名を補うために必要な人数をピクトグラムの数で表現することで、人数の違いがすぐに伝わるようになっています。
 また国内旅行(日帰り)に関してわざと81名おいていないのもポイントですね。81名分おいてしまうと細かすぎてわかりづらいため、人数差がわかる程度までは増やすものの補足情報として円の中心に人数を追記するという方法で回避しています。
 マトリクス型での整理はFさんのスライドに近いですが、こちらは前提となる定住人口に関しても同様に整理しています。


 以上が皆さんの作品でしたが、修正前のスライドに比べてかなりわかりやすくなったのではないでしょうか。
 4人とも元のスライドから必要情報を選択し、型の組み合わせにより情報を再整理していますが、やはり作り手が違うと全く印象の異なるスライドになり面白いですね。

 後編では訪日外国人旅行者数の推移に関するスライドを利用して、「ビジネスドキュメンテーション総合実践・個別スキル実践」の講師によるスライド修正の解説をしていきたいと思います。


(出所:財務省関東財務局「第8回新潟活性化サロン」北陸信越運輸局発表資料http://kantou.mof.go.jp/content/000233679.pdf

※後編はこちら

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【公開中note一覧】
◆「人を動かす一人歩きする」資料Before→After
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
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