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ビジネス記事のロジカル図解化3ステップ~設計→MECE→表現~

突然ですが、こういった記事はどのように図解すればよいと思いますか?

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どこから手を付ければ良いのかわからなくなりますよね?ちなみに私はこのように図解してみました。

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実はいくつかのステップを踏んで練習すれば、だれでもビジネス記事などの図解はできるようになるのです。

そこで今回は、ルバートが主催する資料作成講座の講師をつとめる丸尾武司が「ビジネス記事のロジカル図解化3ステップ~設計→MECE→表現~」についてご紹介いたします。


ルバートでは、「戦略的プレゼン資料作成講義」の修了者を対象とした、実践トレーニングの講座として「資料作成キャンプ」を毎月開催しております。そこでは、ビジネス記事を題材に制限時間内に1枚スライドを作成し、良い点や改善点について、講師と参加者からフィードバックをもらいます。

他の講座と異なるユニークな点は、講師も受講生と同じく課題に挑戦することです。参加者は、さまざまな作成例を見ることができ、引き出しを増やすことができます。講師の1人として課題に挑戦してきた経験をもとに、実際の事例も踏まえながら、スライド作成のコツについてご紹介します。

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内容設計

内容設計とは、伝える要素と枠組みを考えることです。講座では、題材となる記事をもとにスライドを作成します。このときの取り組み方として、2つあると思います。1つは、記事を読み込んで、いかに情報をまとめるか。素材としての情報をうまく料理するというスタンス。それに対して、目的達成のためには、何を伝えるべきかを考えることです。記事とは切り離して、目的にあわせて情報を整理する「箱」を想定しておくスタンスです。

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課題に取り組むときには、両者の視点を持つことが大事です。前者の視点は、情報を等しく扱った整理に向いています。ただし、結局、何が言いたいのかよくわからない、ということにならないよう注意が必要です。後者の視点を持つことで、主張とそれを支えるには、どんな情報が必要か明確になります。スライドに落とした際に、主張にフォーカスを当てた見せ方も可能になります。私の場合、伝える要素は、主張を言うためには「何が」、「どうなればいいか」を自問することや、相手はどんな質問をするだろうかを想像すると考えやすいです。

例えば、消費者にA製品の素晴らしさを知ってもらうことを目的とした場合、伝えるべき情報としては、以下のようなパターンが考えられます。

① パフォーマンスが高いか
② コストが低いか
① どんな顧客ニーズを満たすのか
② 競合と比べて、どう優れているのか
③ それを実現するための仕組みがあるか
① 消費者はどんな課題があるか
② A製品はどう解決したのか
③ その効果は大きいのか
④ A製品を支持する顧客の声や市場調査の結果

このように伝えるべき情報には、様々なパターンがあります。伝える相手にダイレクトに響く枠組みを考えることが大事です。

こうした情報を整理する「箱」を考えるときには、5つの切り口が役立ちます。
 ① 対照概念
 ② 主要な要素
 ③ フロー(ステップ)
 ④ 程度
 ⑤ 四則演算(+-×÷)


それぞれ視点は異なりますが、全体を小分けに整理するという点では同じです。切り口を考えるとき、私は、定石的なフレームワークや過去の知見で当てはまりそうなものを考えることから始めます。困ったときは、「ステップ」の切り口から考えることが多いです。時間の流れは必ず存在し、順を追ってイメージしやすいためです。精度は、ピッタリではなく、まあ大きく当てはまればOKです。記事を読み、得られる情報に応じて調整していく感じです。

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情報の網羅性

情報の網羅性とは、伝えるべき情報をそろえることです。情報は、相手を説得するための根拠となります。記事には、様々な情報が含まれています。できる限り、多くの情報をスライドに詰め込めばよいというものではありません。重要な情報に絞ることが大事です。重要な情報とは、内容設計で考えた「箱」に対応する情報です。記事を読み進める際には、記事の内容を理解しつつ、同時に、伝えるべき情報を探し出すと良いでしょう。
 
 情報の網羅性を高めるためには、3つポイントがあります。

① 内容設計において、切り口から全体像を押さえること。
タテ軸とヨコ軸の2軸からなるマトリックス型で、箱を組んでおくこと。図解したときに、情報の抜け漏れを視覚的にわかりやすくするためです。
情報を作り出すというスタンス。記事には、求めている情報がない場合があります。その場合には、与えられた情報や一般常識から妥当な前提から考え、情報不足を補います。もう少し調査や検証が必要な場合は、(仮説)や(要確認)などコメントを付けておきます。

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視覚表現

「見ればわかる」ように表現することが大事です。ポイントは、3つあります。

①内容を図解の型で表現すること
図解化は、要素の関係を可視化します。型の中身を「切り口」、「小見出し」、「説明」の3層で構成・表現すると、さらに意味内容が読み取りやすくなります。「切り口」は、全体を切り分ける視点。「小見出し」は、「説明」を一言で要約したもの。「説明」は、事実やデータなどの詳細な情報になります。抽象度を高い順に並べると、「切り口」>「小見出し」>「説明」の順になります
例えば、「市場・顧客(Customer)」、「競合(Competitor)」、「自社(Company)」の3Cのフレームワークで事業環境を分析するとしましょう。「市場・顧客」は「切り口」。「市場は急成長」が「小見出し」。「直近3年では、市場は20%で成長している」が「説明」になります。

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② 資料を見たときに、資料に入りやすくすること
例えば、文字がビッシリ詰まったスライドは、読む気を起させません。図解したとしても、スライドの端一杯まで作成してしまう。図形のサイズが、必要以上に大きいケースなどは注意が必要です。「見やすさ」を改善するには、スライドの上に載っている情報(文字量、色、図形の領域など)を減らし、スライドの白い部分(余白)を増やすことがポイントになります。

③ 資料を読み取るときに、要点が理解しやすいこと
資料の重要箇所の色や大きさを変えておきます。こうした強調表現は、相手の視線を重要箇所に誘導します。相手は、イチから読み解かずとも、要点をつかみやすくなります。もし時間的に余裕があれば、ピクトグラムや(写真)を挿入すると、論理だけでなく「イメージ」で伝えることが可能です。

実際の事例で解説

ここまで解説した3つのコツを、実際の題材で説明します。題材の記事は、企業内大学で実施されてきた、マインドフルネスの研修に関するインタビューです。資料の目的は、『研修事務局の担当者が、上司に研修実施後の報告として、トレーニングが継続できている人の特徴を理解してもらうこと』としました。

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この記事を題材に、1枚スライドにしたものが下記です。
作成のポイントを箇条書きで整理しました。

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内容設計

◆ 伝えるべき要素は、①習慣化の違いを生む要因、②研修効果の違い、の2つにしました
◆ ①の論点構築の切り口として「内部要因(本人)/外部要因(環境)」や「マインド/スキル/行動」などを仮置きし、記事の読み込みに入りました

情報の網羅性

図解の型は、対比型の型で表現。継続できている人の特徴が、継続できていない人と比べることで明確にしやすいためです
◆ 比較対象(ヨコ軸)は、継続している人としていない人。比較項目(タテ軸)は、習慣化の要因と生産性の違い。この2軸でマトリクスを組みました
◆生産性の違いの部分で、実践している人が40%高いという情報があります。それに対比させたいので、実践していない人の数字を基準値として算出しました

視覚表現

対比型の中身を、「切り口」「小見出し」「説明」の3つで構成しました。例えば、「切り口」は、習慣化のポイント。その小見出しとして「腹落ち感」、「行動」、「周辺環境」。「説明」は、それぞれの詳細情報になります
色は、表頭、表側、強調部分に使用しました
◆ 文字のみですと無骨な印象になりますので、表頭にピクトグラムを挿入し、イメージでも伝わるようにしました。

最後に

1枚のスライド作成には、資料作成の基本スキルが詰まっています。1枚のスライドをしっかり作りきる力は、複数枚の資料パッケージの作成にも応用できます。ネットで記事を読む際に、もしスライド化するなら、どんな切り口や図解の型が良いか考えてみると、良いトレーニングになると思います。もし機会があれば、資料作成キャンプのような実践的な場で、一緒に学び磨いていただければと思います。

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【公開中note一覧】
◆「人を動かす一人歩きする」資料Before→After
第1回 入門編①図解の基本形「一人で行くバー」をお薦めするスライド
第2回 入門編②2つの比較「ストアカ」をお薦めするスライド
第3回 入門編③図解の基本形「コーチングアプリ」をお薦めするスライド
第4回 基礎編①線グラフの基本 企業の変革を促すスライド
第5回 基礎編②スライド構成と図解 新規事業を提案するスライド    第6回 Before→After OBOG版(前編)~霞が関文学編~
第7回 Before→After OBOG版(後編)~霞が関文学編~
番外編 『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』
     Amazon週間売上ランキングのスライド

◆Rubato講師×note
1.ロジカルな図解のつくりかた(前編)
2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
3.アウトプット→インプットの話
4.Rubato流「オトナのパワポ正月遊び」
5.ターゲットを絞り、刺さる資料をつくるコツ
6.「かっこいい」デザインと「余白」の話
7.添削からわかる、伝わるパワポ資料3つの特徴~添削 of the Year
8.図解でわかる!新型コロナウイルス予防のコツ
9.外資系コンサルはなぜ資料作成にこだわる?
10.知る人ぞ知るPowerPoint効率化スキル
11.テレワークでのコミュニケーションスキルとは
12.【保存版】グラフを自在に操りたい人必見の書籍9選
12.周りに差がつく!情報収集のコツと独断で選ぶ国内外のウェブ9選

【Rubatoの資料作成講座】

講座一覧はRubatoウェブサイトから

【Rubatoの書籍】




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外資コンサルでビジネススキルを先輩社員に徹底的に叩き込まれた松上純一郎を中心とする講師陣が教える資料作成講座では、論点志向、ロジカルシンキングなど総合的な仕事の基礎力と「人を動かす一人歩きする資料」を作るドキュメント・コミュニケーションスキルを養成します。
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