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新刊「PowerPoint 暗黙のルール」こぼれ話~小見出し編~

1.はじめに

ルバート資料作成講座の講師の渡邊です。
2021年はコロナの影響で外出規制が続いたり東京五輪があったりと、なにかとエポックメイキングな年でありました。在宅勤務や出社と在宅のハイブリッド勤務が増えたことにより、コロナ以前に比べて、パワーポイントやワード等を用いた資料の重要性が増したのが本年だったのではないでしょうか?

そんな時代のニーズに対応すべく、2021年10月22日に我々Rubatoアカデミア(ルバートの主に個人講座担当)のメンバーによって「この1冊で伝わる資料を作る! PowerPoint 暗黙のルール」を出版する機会を頂きました。

暗黙のルール表紙_枠線なし

松上さん監修のもと、当方の勝手なキャッチコピーをもとに4名の筆者を紹介させていだきます。

①小見出し・図解・強調・そして回転型の丸尾
②趣味パワーポイント・至高の操作・グラフ・ストーリーラインの大塚
③ここ数年で一気に画像編集・ピクト・操作のお兄さんになった中川
④趣味パワーポイント・パルテノン神殿・気合の操作の渡邉

この4名で文筆させていただきました。キャッチコピーにもあるように、「クセ」と「こだわり」が濃いメンバーでの執筆でしたので、中川さんには調整の面で非常にご苦労をおかけしました。また、この書籍を熱い思いで企画してくださいましたマイナビ出版の古田さんには本当に感謝申し上げます。

さて、今回のnoteではこの書籍を執筆する際に、ちょっとマニアックだったからカットしてしまった内容を記していきたいと思います。書籍ではマニアック度の濃度を薄めておりましたが、ここでは総武線沿線の立ち飲み屋のハイボールの濃さ程度にまで濃度を濃くしようと思います。


2.小見出しの種類の類型化

(1)小見出しの種類

本書第2章では資料作成のキホン 文字入力と箇条書きのルールを紹介しておりますが、その中で「小見出しの種類は名詞・体言止め・形容詞・文章の4つ」というセクションがあります。おそらくですが、この小見出しの類型を紹介している本は日本初!のはず!です。

スライド1

「この類型思いつきじゃないか?自分たちが使っているだけだろ!」と言われる方もいらっしゃるかと思いますので、外資系コンサル企業のアウトプットを例にとって、①名詞、②体言止め、④文章(平叙文)、文章(疑問文)の事例を紹介したいと思います。

(2)名詞

小見出しとして一番活用されているのが名詞での表現方法。名詞を活用した小見出しを作成したい際のコツは、言葉同士のレベル感があっていること、ピッタリな名詞が出てくることです。

スライド2

(3)体言止め

下図はA.T.カーニーが宇宙利用に関する検討会で利用した資料です。最近は16:9のスライドサイズに変えたファームが多くなってきており、スライドタイトル、メッセージ、ボディの位置関係も多少変更されているようです。体言止めで表現されている小見出しは名詞よりも文字が長い分多少スペースを取りますが、名詞が思い浮かばないとき、名詞ではしっくりとした表現がないときに非常に重宝されます。体言止めでの表現を意識して小見出しを活用することで、要約力が磨かれることも副次的な効果だと思います。

スライド3

(4)文章(平叙文)

小見出しを文章(平叙文)で表現するケースでは、2つのファームの例を紹介したいと思います。まず、Boston Consulting Groupの例ですが、スライドを2分割してそれぞれにメッセージとグラフのタイトルを入れています。分割したスライドに対応するメッセージが、通常の小見出し部分に該当します。小見出しは「枠線」を入れるものという先入観を無くさせてくれる非常に良い例だと思います。

スライド4

次にマッキンゼーの例ですが、こちらも小見出し部分の枠線を無くしておりすぐには小見出しだとは認識しづらい事例ですが、小見出しの右にある「“„で始まる箇条書き」を論拠に、
小見出しで更に上位の主張を表現しているものと解釈できます。こちらも主張→論拠といった論理構造を、小見出しを活用しながら分かりやすく表現している良い事例だと思います。

スライド5

(5)文章(疑問文)

最後に疑問文の事例が下記となります。こちらもBoston Consulting Groupの事例となりますが、こちらもスライドを2分割し左右に図解を用いています。左に配置をした図にはタイトルもなく小見出しとして平叙文が記載され、右図には左図を仮定とした場合の方向性を記載していますが、こちらは小見出しを疑問形で表現しています。この表現はかなり高度です。ここまで文字を削ることは難しいかもしれませんが、論理展開の明瞭さは一見かと思います。

スライド6


3.最後に

長々と事例紹介をしてしまったこともあり、本来ショートカットの効用やおすすめのショートカットのあんちょこ作成術を記載しようと思っていましたが、書面の関係上、次回に譲ることとします。

もし、「この1冊で伝わる資料を作る! PowerPoint 暗黙のルール」を購入していない方がいらっしゃいましたら、下図に私なりに本書のコンセプトをまとめさせていただきました。
ほかのパワーポイントの資料作成本は、「知る」から「分かる」までを目的にした理論中心の本、または「やる」「できる(作れる)」に特化したパワーポイントのハウツー本の二つに分かれると考えています。

本書ではどなたでもできるだけわかりやすく、「知る」から「できる」までを理論と実践を交えて記載させていただいています。操作の手順も細かく記載してありますので、パラパラ見るだけでも、「あ~こうやるのか?」といった「Ahh、Huhhh」ポイントも多々存在するような書籍となっております。ぜひぜひ新年のスタートダッシュのための読み物としてお買い求めいただければ幸いです。

スライド7



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2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
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