重ねる図解で、高まる理解~パワポで使える重ねる技術~
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重ねる図解で、高まる理解~パワポで使える重ねる技術~

資料作成講座の講師をしております丸尾です。
以前わかりやすい図解表現として、「かたまり」「そろえる」「メリハリ」という3つのポイントをご紹介する記事『わかりやすく、見やすい図解表現 3つのポイント~かたまり、そろえる、メリハリ』を執筆しました。
今回は、さらなるレベルアップのために、「重ねる」という切り口で解説します。複雑な情報をうまく整理し、相手にわかりやすく伝わることができるようになると思います。

重ねる① スライドボディ編

情報は、縦軸と横軸を意識して整理するとわかりやすいです。ここに、奥行が加わると、さらに表現に広がりが出てきます。奥行を活用するポイントは、「重ねる」にあります。

物理的に図形の上に図形を重ねるはわかりやすいと思います。例えば、背景型の図解では、結果の要素を中心に、その図形の下に要因の要素を配置しています。重ねる位置関係で背景関係をあらわします。

ここで言う「重ねる」には物理的に重なってはいないが、情報の抽象度に応じて、層を分ける(パーツを組み合わせる)ことも含みます。私の感覚で恐縮ですが、地のスライドの上に、もう1枚透明なシートを重ねあわせて、最終的に1枚のスライドを完成させるイメージです。

スライド2


重ねる要素
 スライド上には、文字、図形、線、グラフ、画像など様々な情報があります。これらに重ねるものは、①ナンバリング、②切り口、③背景強調、④意味合いです。元の情報とは、抽象度や質的な違いがあります。④意味合いに関しては、「要素から何が言えるのか(So what?)」もしくは「要素をくくり出す共通項は何か(抽象化・グループ化)」という切り口で考えると良いでしょう。バラバラに見える情報の意味合いを明確にすることや、1つに統合することでシンプルに表現できます。これが、資料のわかりやすさを高めてくれます。

スライド3


スライド作成の3つの視点
 モノの見方には3つの視点があると言われています。1つ目は主観。自分の目から見えていることです。2つめは客観。他者から見えていることです。3つ目は俯瞰。自分と他者のいる場の状況を第3者の立場で眺めることです。

スライド4

3つの視点は、パワポ作成の流れとも関係しています。スライド作成のためには、まず自分の頭の中にある情報を、文字やチャラ書きなどの形で外に取り出すことから始めます(主観)。私は、紙に走り書きするような感じです。次に、出力された情報から、関係性や意味合いを考えます(客観)。走り書きした文字や図形から連想したアイデアや、それらを整理する軸などを「あーでもない、こーでもない」と模索します。スライドのイメージがある程度出来上がると、パワポでの作業に移ります。PC画面でスライド全体を見ながら、まとめのコメントやグループ化できないかを考えています(俯瞰)

個人的な体験を紹介させてください。私は、メタ認知の強化という目的で、マインドフルネスのトレーニングを一定期間受講したことがあります。受講期間中も、普段通り仕事でパワポ資料を作成していたのですが、自分でもハッとする閃きやアイデアが生まれるという体験がありました。その後、トレーニングをさぼってしまったら、こうした体験は起こらなくなってしまったので、これはスライドをメタ認知するトレーニングの効果ではないかと思っています。資料作成スキルを高めるには、ロジカルシンキングや資料作成の技を学ぶ以外に、自分の体やメンタルを整えることも有効かもしれません。


重ねる② T2メッセージとボディ編

これまでボディの「重ねる」について書きましたが、スライド全体での「重ねる」についても解説したいと思います。

T2メッセージ(以下、T2と表記)は、そのスライドで伝えたいことです。一般的には、タイトルの下に書きます。T2の詳しい内容をボディで表現します。逆にボディで書いた内容を解釈したものがT2になります。T2とボディは、互いに整合している関係になります。ボディの下にボトムメッセージを書くこともあります(ボトムメッセージは、必ず入れなければいけないというものではありません)。この場合、 T2とボトムメッセージでボディを挟む、サンドイッチ構造になります。

スライド5

わかりやすい口頭説明の方法にPREP法があります。これは、①Point(主張)、②Reason(理由)、③Example(具体例)、④Point(主張)という流れで説明内容を構成するものですこれをスライドに当てはめてみると、①がT2、②と③がボディ、④がボトムメッセージに該当します。

スライド6

実際にPREP法を用いて、投影されたスライドに関する説明を聞く場面を想像してみてください。耳から入ってくる情報と目から入ってくる情報が一致し、スムーズに理解が進むのではないですか。スライド作成の工夫としては、①Point(T2)で事実や説明を行ったら、④Point(ボトム)では行動を促すようなメッセージを込めると良いでしょう。


まとめ

図解表現を深める技として「重ねる」についてご紹介しました。スライド作成がある程度進めば、一旦手を止めて、俯瞰的にスライドを眺めてみてください。①ナンバリング、②切り口、③背景強調、④意味合いのどれかを活用できないか、考えてみてください。皆さんに新しい気づきをお届けできれば幸いです。


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