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#ショートストーリー
【ハマベと僕】 #1000
そう年末のあの日に突然それはやってきた
当たり前に居るであろう人が
当たり前では無くなり
もうこの先二度と会うことは叶わない
まだ死ぬには早い
お別れ
「ヤマさん
ハマベくんが亡くなった」
僕は耳を疑った
なんで?
「なんで?」
「脳やと思う
今日葬儀があるらしいんよ
来れる?」
僕はその時
大阪に帰省しており後輩夫婦の家に泊まっていた
本来であればこの後お寿司を食べに行く予定だっ
【何度でも何度でも】 #998
世界には僕があったことの無い人が沢山いる
というか殆どの人が僕の事は知らない
同時代に生まれていたとしても
違う地域
違う国で全く僕を知らないままに
生まれて死んでいく
僕と出会わなくても
僕を知らなくても
生きて行ける
僕を知らなくても幸せなんだ
それは隣町でもそうだ
知らない人の方が多い
世界中の殆どは僕を知らない
だから気にする事は無い
誰かに嫌われたり
嫌な事があったりしたら
【ジェンヌと呼ばれた男】 #991
俺は高校生の時
自分で言うのもアレなんだけど
めちゃくちゃモテたのよ
でもさぁ
男より女が好きだったから全部断ったよ
中学生の時は1人だけ男と付き合ったこともあったけど
全然気持ちが盛り上がらないしキモく感じた
大学に進学したのを気にビジュアルをそっちに寄せて行ったんだよ
そしたら周りからタカラジェンヌって言われそいつらとは付き合いをやめた
元々貧乳だったから胸は気にしなくって良かった
ホル
【その曲がり角を曲がった先には】 #990
2年前に妻と別れた
半年前に仕事を辞めた
実質クビのようなものだった
仕事が出来ないとかじゃ無くて
会社での人間関係の悪化が原因だった
新しくやって来た上司との折り合いが悪く
成果を出しても褒められず
「これはこの課の皆んながサポートしてくれたから達成できたんだ
皆んなに感謝しろ」
そう言われた
その時は確かにそうだなと思った
しかしその後
僕がミスをした時には
「お前のせいで皆んなに迷惑かけ