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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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#仏教

仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

仏教美術のイコノロジー―インドから日本まで

 仏教美術が、どこで、どのように発達してきたのかを、解説した本です。
 インド、中央アジア、中国、日本と、仏教の来た道筋を追っています。

 仏教美術といえば、まず、仏像が思い浮かべられますね。
 けれども、仏教美術に含まれるのは、仏像だけではありません。

 本書では、蓮や聖樹など、仏教美術に現われる植物の表現について、取り上げられています。

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アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

 アフガニスタンは、アジアの内陸にある国ですね。二〇一四年現在は、政情不安な国であることで、知られています(^^;
 また、イスラム教国であることでも、有名ですね。

 かつて、この国では、仏教が栄えました。その頃の遺跡が、たくさん残っています。
 正確には、「残っていました」と言うべきかも知れません。イスラム教の勢力が強くなり、政情不安と相ま

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遣唐使 (岩波新書 新赤版 1104)

遣唐使 (岩波新書 新赤版 1104)

 遣唐使について、全般的に、わかりやすく解説した本です。

 遣唐使について知りたいなら、まず、本書を読むことをお勧めします(^^)
 本書を読めば、遣唐使の輪郭を知ることができます。

 遣唐使の前段階に当たる遣隋使から、最後の遣唐使に至るまで、順番に取り上げています。計画だけで終わった遣唐使についても、解説されています。
 本書を読み通せば、お

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シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

 『シルクロードの象』とは、不思議な題名ですね。
 内容は、この題名どおりです。シルクロードに現われるゾウ(象)を紹介した本です。

 シルクロードと象とは、普通は、あまり結びつきませんよね。
 けれども、考えてみれば、シルクロードの途中には、ゾウの分布する地域があります。東南アジアや、インドを中心とした地

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日本の美術 第271号 六道絵

日本の美術 第271号 六道絵

日本の美術 第271号 六道絵

 六道絵【りくどうえ】とは、仏教の六道輪廻【りくどうりんね】の様子を描いた絵です。
 本書は、さまざまな六道絵を集めて、解説した本です。日本の主な六道絵は、本書一冊で、ほぼ、網羅されていると思います(^^)

 日本の仏教的世界観では、生きる者はすべて、六つの世界を生まれ変わってゆくことになっています。地獄道・餓鬼道・畜生道・阿修羅道・人道・天道の六つの世界で

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須弥山と極楽―仏教の宇宙観

須弥山と極楽―仏教の宇宙観

須弥山と極楽―仏教の宇宙観

 仏教は、日本人に馴染みのある宗教ですね。
 その割に、仏教の世界観は、知られていません。

 本書は、仏教で、世界がどのようなものと考えられていたのかを、解説しています。
 おそらく、この分野では、最も基礎的で、わかりやすい本でしょう(^^) 初心者にも、ある程度知識のある方にも、お勧めします。

 とはいえ、仏教的世界観は、理解するのが、決して楽ではありま

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日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

 飛天【ひてん】と呼ばれる超常的存在と、神仙と呼ばれる超常的存在とを、解説した本です。
 類書は、ほとんどありません。飛天を扱ったものとして、わずかに、小学館の『飛天の道』があるくらいです。

 飛天も、神仙も、日本をはじめ、アジアの美術に、よく現われるものです。一見しただけでは、飛天なのか、神仙なのか、わからないものも、少なくありません。
 ごく簡単

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吉祥・弁才天像 (日本の美術)

吉祥・弁才天像 (日本の美術)

吉祥・弁才天像 (日本の美術)

 『日本の美術』シリーズの317号です。
 仏教に登場する女神、吉祥天と、弁才天との特集号です。

 吉祥天も、弁才天も、もとは、インドで信仰されていた女神です。それが、仏教に取り入れられて、日本にも渡ってきました。
 この二柱の女神は、性質が似ています。どちらも、容貌が美しく、福徳を司るとされます。このために、混同されることもありました。

 本書では、

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定本 インド花綴り

定本 インド花綴り

定本 インド花綴り

 インドの植物を紹介した本です。
 意外に、日本と共通した植物もあって、楽しめます(^^)

 インドは、仏教の故郷ですね。仏教を通じて、日本に伝わっている植物も、いくつもあります。植物そのものは伝わらなくても、名前だけが伝わって、日本の伝承に影響を及ぼしていたりします。

 例えば、優曇華【うどんげ】、曼珠沙華【まんじゅしゃげ】、曼陀羅華【まんだらげ】などは、もとは、

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飛天の道―東洋の各地に舞う天人・天女たち (Shotor Museum)

飛天の道―東洋の各地に舞う天人・天女たち (Shotor Museum)

 飛天【ひてん】を御存知でしょうか? 空を飛ぶ天人や天女のことです。
 その飛天について、美しい絵画や写真とともに、紹介した本です(^^)

 飛天は、東洋版の天使ですね。西洋の天使が、キリスト教の神の周囲を飛ぶように、東洋の飛天は、仏さまの周囲を飛びます。
 仏像や仏画がお好きな方なら、必ず、目にしているでしょう。

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日本の美術 (No.382) 不空羂索【ふくうけんじゃく】・准胝【じゅんてい】観音像

日本の美術 (No.382) 不空羂索【ふくうけんじゃく】・准胝【じゅんてい】観音像

日本の美術 (No.382) 不空羂索【ふくうけんじゃく】・准胝【じゅんてい】観音像

 雑誌『日本の美術』のうちの一冊です。不空羂索【ふくうけんじゃく】観音と、准胝【じゅんてい】観音との特集号です。

 仏像について、少し詳しい方ならば、観音菩薩【かんのんぼさつ】に、いくつもの種類があることを、御存知でしょう。千手【せんじゅ】観音、如意輪【にょいりん】観音などという名が、付いていますね。
 

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図説 モンゴル歴史紀行

図説 モンゴル歴史紀行

図説 モンゴル歴史紀行

 モンゴルの歴史と文化について、手軽に知ることができる本です(^^)

 写真や図が多く、直観的にわかりやすいです。モンゴルについて何の知識がなくても、すんなり読めます。

 「モンゴルのこと、何も知らないけれど、これから知りたい」方には、まず、本書をお勧めします(^^)
 本書を読めば、モンゴルの歴史や文化について、最低限の知識は得られると思います。
 モンゴル

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仏典の植物

仏典の植物

仏典の植物

 仏典とは、仏教のお経のことです。というと、大部分の方には、退屈なものと思われそうですね(^^;

 じつは、お経を丁寧に読むと、意外に、一般の人にも身近なことが、書いてあったりします。お経は、本来、仏教の教えを、人々にわかりやすく説いたものだからです。

 お経には、動植物の名前がよく登場します。お経が書かれた地域や時代に、身近だった動植物を挙げて、多くの人に、仏教を理解させよ

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インド神話入門

インド神話入門

インド神話入門

 インド神話の入門には、とても良い本です(^^)
 複雑怪奇なインド神話を、やさしく、わかりやすく、教えてくれます。

 本書は、あくまで入門編です。ある程度、知識がある方には、もの足りないでしょう。
 けれども、初心者に限って言えば、五つ星の評価だと思います。

 絵や写真が多いのも、いいですね(^^)
 極彩色の神々の絵には、驚かれる方が多いでしょう。「わび、さび」

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