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超常現象に関する本のレビュー集

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超能力、UFO、幽霊などの心霊現象、未確認動物(UMA)、超古代文明、魔術など、オカルト的なことに関する本のレビューを集めてあります。
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#妖怪

日本の幽霊

日本の幽霊

日本の幽霊

 日本人が、「幽霊」というものを、どのようなものだと思ってきたのかを、解説した本です。

 というと、堅苦しい本のようですね。決して、そんなことはありません。
 文章が平易で、読みやすいです。話題も、世俗的なことを、うまく取り上げています。頭でっかちの学者さんが書いた、という感じではありません。

 本書が最初に世に出たのは、一九六二年(昭和三十七年)です。それから何回か再版さ

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フランス田園伝説集

フランス田園伝説集

フランス田園伝説集

 フランス中部のベリー地方に伝わる民話や伝説を集めた本です。
 薄い本ですので、すぐに読めます。

 ベリー地方は、著者のジョルジュ・サンドが居を定めた所です。彼女は、十九世紀のフランスに生きた文学者ですね。
 サンドは、自ら創作するだけでなく、民間伝承を収集することにも努めました。本書は、彼女の労作です(^^)

 表紙に『フランスの「遠野物語」と言うべき貴重な作品

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現代怪火考―狐火の研究

現代怪火考―狐火の研究

現代怪火考―狐火の研究

 狐火【きつねび】、鬼火、人魂【ひとだま】など、古来、言い伝えられる怪火について、解説した本です。

 類書は、ほとんどありません。
 私の知る限り、神田左京氏の『不知火【しらぬい】・人魂・狐火』が、希少な類書の一つです。

 本書も、神田氏の書も、怪火の実例をいくつも取り上げ、紹介している点は、同じです。
 けれども、本書と神田氏の書とでは、怪火に対するスタンス

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アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

 アジア各所の妖怪や魔術について、紹介した本です。
 少なくとも、本書が書かれた一九九〇年代までは、アジアのそこらじゅうで、「妖怪や魔術が実在する」と信じられていました。
 本書は、その様子を、レポートしたものです。

 紹介されているのは、インドネシアのバリ島、マレーシアのランカウイ諸島、日本の琉球(沖縄)、マレーシア領部分のボルネオ島で

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耳嚢で訪ねるもち歩き裏江戸東京散歩―古地図ライブラリー別冊

耳嚢で訪ねるもち歩き裏江戸東京散歩―古地図ライブラリー別冊

耳嚢で訪ねるもち歩き裏江戸東京散歩―古地図ライブラリー別冊

 江戸時代の怪談を紹介した本です。単なる怪談集ではありません。

 本書の特徴は、江戸時代の江戸の地図が載っていて、具体的に、怪異がどこで発生したのかを見られることです。
 さらに素晴らしいことに、現代の東京の地図も載っていて、怪談の舞台がどこなのかを、実際に現代で確かめることができます(^^)

 ここまで懇切丁寧な類書は、ほと

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赤いヤッケの男(文庫D) (MF文庫ダ・ヴィンチ)

赤いヤッケの男(文庫D) (MF文庫ダ・ヴィンチ)

赤いヤッケの男(文庫D) (MF文庫ダ・ヴィンチ)

 山で起こった怪談ばかりを集めた本です。
 すべて実話、ということになっています。でも、本当にそうなのかどうかは、知る由がありません。実話に、多少、「盛っている」可能性もありますね。

 では、出来が良くないかといえば、そんなことはありません。
 むしろ、出来は良いです。どの話も、怖いです。山に登らない人―私のような―でも、ぞくぞくすると

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(英文版)外国人のための妖怪サバイバルガイド - Yokai Attack!: The Japanese Monster Survival Guide

(英文版)外国人のための妖怪サバイバルガイド - Yokai Attack!: The Japanese Monster Survival Guide

(英文版)外国人のための妖怪サバイバルガイド - Yokai Attack!: The Japanese Monster Survival Guide

 英語で、日本の妖怪を紹介した本です。ありそうで、ありませんでしたね、こういう本(^^)

 文章は、ほぼすべて英文です。けれども、イラストが多いので、日本の妖怪に馴染みがある人であれば、何となく理解できるはずです。

 妖怪が好きで、でも英

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異界談義 (知恵の森文庫 t つ 2-1)

異界談義 (知恵の森文庫 t つ 2-1)

異界談義 (知恵の森文庫 t つ 2-1)

 異界、つまり、この世とは違う世界について、さまざまな切り口からとらえた本です。
 死後の世界、妖怪、イタコ、風水、都市伝説などに興味がある方に、お勧めします。

 本書は、二〇〇一年に、国立歴史民俗博物館で開催された「異界万華鏡―あの世・妖怪・占い―」という展覧会に付随して作られました。
 この展覧会に際して、「異界万華鏡を語る」というフォーラ

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ソモフの妖怪物語 (ロシア名作ライブラリー)

ソモフの妖怪物語 (ロシア名作ライブラリー)

ソモフの妖怪物語 (ロシア名作ライブラリー)

 群像社の『ロシア名作ライブラリー』の一冊ですが、著者は、ウクライナ人です。
 ウクライナの民話を基にした、小説の短編集です。原版は、なんと十九世紀の前半に出ました。

 著者のオレスト・ミハイロヴィチ・ソモフは、ほとんど忘れられた作家でした。日本で彼の作品の翻訳が出たのは、これが初めてだそうです。

 本書は、十九世紀前半の、ロマン主義時代の雰

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とうほく妖怪図鑑(んだんだブックス)

とうほく妖怪図鑑(んだんだブックス)

 題名のとおり、東北地方の妖怪を集めて、解説した本です。

 日本の中でも、東北地方は、伝承の宝庫といわれます。
 そのわりに、東北地方に伝承される妖怪を集めた本は、ほとんどありませんでした。本書は、貴重な例外です。

 イラストや写真が多いのが、良いですね。何よりも、読みやすいです。
 挙げられているすべての妖怪について、伝承地の写真が付いています

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日本怪談集妖怪篇〈上〉

日本怪談集妖怪篇〈上〉

日本怪談集妖怪篇〈上〉

 日本の妖怪が好きなら、本書を読み逃してはいけません。
 日本の妖怪について、コンパクトに、わかりやすく、解説した本です。

 原著は、昭和五十六年(一九八一年)に出たものです。
 それが、平成の世、二〇〇四年に、出版社を変えて、再版されました。

 原著の刊行当時は、「口裂け女」の流行が、記憶に新しい頃でした。
 しかし、本書では、そのような現代妖怪は、ほとん

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オカルトの帝国―1970年代の日本を読む

オカルトの帝国―1970年代の日本を読む

オカルトの帝国―1970年代の日本を読む

 副題にあるとおり、一九七〇年代の日本社会について、語った本です。
 かすかにでも、当時を覚えている日本人であれば、読んで損はありません。

 それは、単に、「郷愁を呼び起こされるから」ではありません。
 当時を知らない人でも、十二分に読む価値があります。
 なぜなら、現在の日本社会の、「ある一部分」の基礎が作られたのが、一九七〇年代だからです。

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河童伝承大事典

河童伝承大事典

河童伝承大事典

 文字どおりの「大事典」です。日本全国の河童の伝承を集めています。
 その数、なんと、五千四百件以上。ページ数にして、七百六十ページ以上あります。

 日本の河童の資料として、これ以上の本はないでしょう。
 評価の星は、可能ならば、五つどころか、六つ星を付けたいです。

 二〇一一年二月現在、本書は、残念ながら、古本でしか入手できないようです。しかも、プレミアが付いて、高

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地方発 明治妖怪ニュース

地方発 明治妖怪ニュース

地方発 明治妖怪ニュース

 同じ編者―湯本豪一【ゆもと こういち】さん―の『明治妖怪新聞』の続刊に当たる本です。
 明治時代の、怪しい事件の新聞記事を集めています。妖怪やら、幽霊やら、人を化かす狐や狸やらのニュース(!)が集められています。

 ぜひ、『明治妖怪新聞』と合わせて読んで下さい。楽しさ倍増です(^^)
 『東スポ』の血脈は、明治時代から続いているんだな、とわかります(笑)

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