🍑 F.T.PUNK 桃太郎|9話:化け物の正体【連載小説】

🍑 F.T.PUNK 桃太郎|9話:化け物の正体【連載小説】

⬅1話へ こんな恐ろしい姿の化け物が、そんな目的の為に夜中に家に来るとは信じがたいと思ったイチゴは、それを更に問い詰めた。 「おい!嘘を付いたら承知せんぞ!」 そう言い、イチゴは殴る素振りを見せた。 「嘘じゃないポン! ホントだポン!」 会話の語尾に「ポン、ポン」というのが、あまりに面白かったニコが喋りだした。 「こんな怖い姿なのに『ポン、ポン』って言って、おもしろ~い」 そう言って喜ぶニコに、慎重な桃太郎は険しい表情になった。 「姉さん、騙されちゃダメです!

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【SS】書道家

【SS】書道家

 書道には、硯、筆、墨、紙が必要だが、この中でもっとも重要なのは筆でないかとおもう。少なくともオレの場合はそうだ。 「先生。先生」  と鰻屋の主人が言う。 「ん、なんだ」 「ひとつ書をたまわりたいので。店名をいかがでしょうか」 「構わんぞ」  とびきりうまい鰻重を食ったばかりのオレは機嫌がよかった。  鞄から硯と墨汁と紙を、懐から筆を取り出した。筆にじっくりメニューを見せてやる。  おもむろに「天龍」と書いた。  書いたオレが驚いた。会心の一作だ。  店主は喜んで、鰻代をただ

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月夜の集会

月夜の集会

「月がきれいだ」 呆けたまぬけ顔を道行く人に見せても恥など感じない。月がきれいだなあ。 腹鼓をうつ。ぽすっ。いい音はしない。残念ながら鹿田は痩せてしまったからな。ふん。鼻歌で歌う。月の歌。 ビールをかざす。ビールが、月光を後光にして尊い。カプス。プルタブをあけると黒い空にふんわり、かわいい雲が浮かんで消えた。ゴクッ。ふあぁーっ。 お月さん、あんたがこんなにきれいということは、皮肉にもやはりここは秋なんですね。 街を歩く。首にマフラーさえ巻いている。飲んだ空き缶を足元

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編み狸と信楽焼たぬきの編み笠
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編み狸と信楽焼たぬきの編み笠

フォト蔵で企画があり、猫に笠を被せて、編み狸と一緒に撮りたいとのリクエストを頂き、お作りしました。 2015年7月の作品 手のひらサイズですが、通帳も徳利も持って笠も被る、しっかり牙も付いてちょっと笑ってるおめめの狸さんに仕上がりました。 横から 後ろから 反対の横から ちょっと斜めから そして、猫さんに被せる、信楽焼のたぬきの笠 猫さんの耳に引っ掛けて被ってもらう様に作りました。 http://photozou.jp/photo/show/281430/2

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月夜

月夜

虫がいた。鳴いているがキーキーと聞いたことのない歪な声を出している。夜の最中だった、丑三つ時、眠らない虫がいる。 眠りが浅かった。ここ最近なかったことだ。熱帯夜が去って久しい。ふと目が覚めた、月明かりがこうっと一輪回っては冷めた。キーキー。眠らない虫がいた。 庭へ出た。何処から鳴いているのかと探るが見つからず、終いには諦めて縁側に座った。不思議な空腹感に襲われつつ、一日の始まりに腰を掛け、冷たい空気に身をゆだねた。キーキー。高く切なくなく。 風が強まった。あたりの木々が

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猟師が老女を射たら実は古狸だったという話(「老女を猟師が射たる事」『曾呂里物語』巻第二)

猟師が老女を射たら実は古狸だったという話(「老女を猟師が射たる事」『曾呂里物語』巻第二)

伊賀国の名張という所より巽(南東)の方角に山里があった。 そこでは夜な夜な住人が一人ずつ姿を消すという事件が起こっていた。 どういうことなのかと、住民たちは不審がって暮らしていた。 その村に住む猟師が、ある時、夜になったので山に入ろうとしたところ、山の奥から、齢百歳にもなろうかと思しき老女が、雪のような白髪を頭に戴き、眼は周囲をも照らすほどに輝く、物凄い姿で飛び出してきた。 猟師は、 「何者であろうが、矢壺は違えまい」 と大雁股で以て、胴中を射抜いた。 射られた老婆はどこへ

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狸

四国の人に聞いた話だ。 ________ 昔から狐や狸のたぐいは何かに化けて人を騙す。猫なぞもその内に入るが、犬や狼が化けるとは、とんと聞いたことがない。 祟るで言えば狐・猫・犬だが、狸やムジナに祟られた話も知らない。 猫や狐の化かしでは死人が出ることもある。 狸の化かしが狐ほど悪くなく、滑稽話が多いのは、人間にとってそれほど害がないのと、見た目の愛嬌も関係があるだろう。 とまれ、狸も怖い。  まだ汽車が限られた場所でしか見られなかったころ、狸が化けて現れた話がある。 山

小噺 〜狸〜

小噺 〜狸〜

「やい‼︎ オメエ「いただきます」の「た」の字を抜くとは何事か‼︎」 「へえ、丁度食べるのが、緑のたぬき(た抜き)だったもので。」

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気まぐれあみだくじ占い 2021/9/6
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気まぐれあみだくじ占い 2021/9/6

今週のあなたのラッキーフリー素材は? 結果は下です! ①番のあなたかぶなんか食べてみてはいかがでしょうか? 出来れば大きいのがいいぞ! ②番のあなた芸を磨いてはどうでしょうか! ものまねなんかどうでしょうか ③番のあなた少し遠出してみてはいかがでしょうか? 渓流下りなんかいいかも! ④番のあなた仕事がうまくいくかも! 働きすぎに注意です! 今回は童話シリーズです。 今週もいいことがありますように✨

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古狸の恩返し-狸の金(中村経年『積翠閑話』より)

古狸の恩返し-狸の金(中村経年『積翠閑話』より)

 恩を受けて恩を知らない者は禽獣に等しい。   これは世間では常に云われることで、恩知らずな人間を誹った俚諺である。  しかしながら、鳥獣の中にも人の恩を理解できるものがあることも知られている。つまり、人間として恩を知らないというのは、禽獣にすら劣っていて、大変に恥ずべきことではないだろうか。  常州は行方の、ある山陰に庵を結び、高僧、善智識とは云えないまでも、一心不動に行に励んで年を経た老僧があった。  一人の童も召し遣わず、手づから食事も用意し、念仏に明け暮れ、それ以上

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