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宿命的絶対性に抗する道

「人間の歴史が始まって以来、《神》との戦いを続けられてきた。その戦いの歴史があるからこそ、ぼくは今、《神》との戦いを受け継ぐことができるのだ。かつて、あなたがぼくたちに語ったように、《神》と戦おうとする人間は、結局は憤怒と絶望のうちに死んでいくことになるのかもしれない。だが、彼らの憤怒と絶望に意味を持たせるためには、《神》との戦いをあきらめるのではなく、続けていかなければならないのだ……」(山田正紀『神狩り』) 昨年(平成9年)暮れの関ミス連大会のゲストは、清涼院流水だった

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二枚のカード 一一京極夏彦と清涼院流水

京極夏彦のデビュー作『姑獲鳥の夏』に対し、竹本健治は「近年勃興したミステリ・ルネッサンスは、ここに到って、ついに最強のカードを引きあてた。」との率直な推薦文を寄せた。 一方、清涼院流水のデビュー作『コズミック』に対し、竹本は「ミステリという伝言ゲームの果てに咲いた異形の妖花。」という非「率直」な推薦文(?)を寄せたが、同書のもう一人の推薦者である大森望は、『姑獲鳥の夏』への竹本の推薦文のパロディーとも思える「ついに奈落の王が召喚された。「お前はもう死んでいる」 新本格最凶の

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〈カトリック洗礼〉の力 : 清涼院流水の「今」

書評:清涼院流水『どろどろの聖書』(朝日新書) キリスト教関連の新刊書はこまめにチェックしているのだが、そこに「清涼院流水」の名を見つけて、思わず「おお」と小さく声を上げてしまった。 「清涼院流水」と言えば、あの『コズミック』の、あの「JDCシリーズ」の、あの「流水大説」の、あの「脱格系」の始祖たる、あの「清涼院流水」ではないか!(ここで「脱格系」に反応できた人は、かなりのミステリマニアだ) だが、まずは本書『どろどろの聖書』について論評しておこう。 本書のカバーに、

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【3分読書メモ】「地獄の楽しみ方 17歳の特別教室」(京極夏彦)を読んで

■基本情報書名:地獄の楽しみ方 17歳の特別教室 著者:京極夏彦 出版元:講談社 出版日:2019/11/29 ジャンル:講義録 読書メーター:https://bookmeter.com/books/14740927 ■気になったポイント(引用文+コメント) 実は言葉というのは”非常に”欠けたものなんです。不完全なんです。言葉は、この世にあるものの何万分の一、いや、何百万分の一ぐらいしか表現できないものなんです。言葉にした段階で多くは捨てられてしまいます。 <メモ>言

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「厭な小説」京極夏彦

世にも奇妙な物語が好きだ。 昔は毎週やってたのに、いつからか特別編2時間を定期的にやるだけになってしまった。 だいぶ間を空けてやるから、こちらの期待は膨らむが、たまに肩透かしな回があり、がっくりする。 間空けている分、すごいクオリティにして欲しいものである。 楽しみとしてはやはり、少し怖い不思議な話を見るのが一番だ。 たまにあるほっこり話も好きだし、ほっこり話に見せかけて違うのも好き。 似たシリーズに「本当にあった怖い話」があるが、これは幽霊が主題と決まっているので、面白く

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江戸川乱歩賞贈呈式

こんばんは。 生涯40回以上の引っ越し、職も転々とした江戸川乱歩の終の棲家となったのは現在の東京都豊島区。 そこで昨日開催された「第67回江戸川乱歩賞」「第74回日本推理作家協会賞」の贈呈式は、初の一般公開ということで、推理小説好きの方の間でちょっとした話題になったのではないでしょうか。 日本推理作家協会代表理事である京極夏彦さんの風格のあるナレーション入り映像で幕を開けた贈呈式。 詳細は様々なニュースでも紹介されていますが、個人的には「小説は不要不急のもの。特にエンター

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【読書】民俗学✖️推理

数少ない趣味の1つ、読書。 普段はブクログで読書記録をつけています。 こんな企画があるのですね。感想を含め文章が苦手なので、皆さんの感想文を楽しみにしたいと思います。 ブクログでは本の感想を健忘録程度に書いています。すごく短いです。 元々推理物が好きで、本格から科学捜査系やトリックを用いた物、ご近所ミステリーなど、特にこだわりなく読んでいます。 たまにブクログの本棚を見返しますが、最近の好きなジャンルが『民俗学』がベースの推理物。 以下が読んできた中でのオススメで

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私を作り上げた3人の作家さん

好きな作家や小説家を3人挙げるだけで、その人の人柄が分かるそうだ。 私は好きな作家さんが無数にいるので3人に絞り込むのは難しい。 そこで、高校生の時に私の「土台」を作り上げてくれた作家さんというお題で3人紹介してみます。 山田詠美一番最初に読んだ「ぼくは勉強ができない」は衝撃的だった。 当時進学校に通っていた私は、こんな生き方があるのか、と頭をぶん殴られたような思いで夢中になって読んだ。 名作に名を連ねているので今更詳細は書かないが、主人公の秀美くんに恋をし、またその自由奔

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10/11 『魍魎の匣』を読んだ

面白かった。 『姑獲鳥の夏』に続いての再読。初めて読んだ時の印象で言えばやはりこちらの方が強く記憶にこびりついている。何せかつて一回目に読み終えた後、例の「匣」とその中身を夢に見たことさえあった。夢に見て、その見たということをいまだに覚えている。描写されていたような上半身全体というよりは、なんかちっちゃい正方形に顔だけが、スパロボのアイコンみたいな感じで覗いていた……気がする。 しかし覚えていたのはそうした印象的な場面くらいで、事件のあらましなどはほとんど記憶から消えていた

武闘派女医のオススメ本『姑獲鳥の夏』 京極夏彦

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」 直木賞作家、京極夏彦の妖怪百鬼夜行シリーズ第一弾。 これが彼のデビュー作でもあり、編集社に原稿を持ち込んだところ、その才能の素晴らしさに即デビューが決定し、メフィスト賞創設のきっかけともなった。(そのため、京極夏彦は第0回メフィスト賞受賞者と呼ばれる。) ちなみに、第一回メフィスト賞受賞者は、太平さん大好き森博嗣である。彼もこの賞でデビューを果たした。 それぞれのタイトルに妖怪の名前がついてはいるものの、ファンタジーやホラーで

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