マガジンのカバー画像

※時間を置いて読み返したい

124
運営しているクリエイター

#コラム

【コラム】実績で能力を測ることの限界

【コラム】実績で能力を測ることの限界

私に対する期待値が、経験とともに高まっていることを、最近感じる。求められる機会が、着実に増えている。

こんな私でも、30代半ばとなれば、歩んできた期間相応の経験と実績があるからだろう。

有難いことではある。
でも、なぜか私は心から喜べない。
どうも釈然としないのだ。

「実績のない若者にとって自由なんて贅沢で、何かを変えることは権力者にしかできない。」
こういった信条が、この世にこんなにも蔓延

もっとみる
世界と接続する手段を鍛える

世界と接続する手段を鍛える

遠い昔、就職活動をすることになったとき、大学では面接対策として「模擬面接」というのを実施していた。強制ではなく任意だったが、キャリアサポートセンターという部署が大学にあり、申し込めばやってもらえるようだった。

同級生は面接対策として参加していたみたいなのだけれど、自分はついに一度も申し込まなかった。「模擬の面接」って意味があるのかな、とその効果に懐疑的だったからだ。

会社によって事業内容は違う

もっとみる
凡人が一番「生き残る」のでは?

凡人が一番「生き残る」のでは?

SNSや雑誌の記事、ネット記事などを見ていると、「生き残る」といったメッセージを含んだ内容のものが目につく。「これから、AIに仕事が奪われる中で、生き残る仕事」みたいなテーマはみんな大好きだろう。

AIにさして関心のない人であっても、「AIに仕事を奪われるかどうか」みたいな話題は気になるのではないだろうか。自分の食い扶持が残るかどうか、という死活問題に直結するからだ。

「生き残る」という観点で

もっとみる
なぜ若者よりもおっさんのほうが情報収集能力が高いのか?

なぜ若者よりもおっさんのほうが情報収集能力が高いのか?

仕事でいろんなおっさんと接する機会がある。いろんなおっさんと接していると、不思議に思うことがある。世の中には、恐ろしく情報収集能力に長けたおっさんがいて、その卓抜した情報収集能力にしばしば舌を巻く。

一方で、情報収集能力が卓抜している「若者」に出会う機会はあまりないので、なぜなのだろうか、と疑問に思っていたのだ。

単に、僕の周りにいる人間がそうであるだけなのだろうか? いや、何か理由があるに違

もっとみる
日常のふとした瞬間に溢れ出る虚無感は どうしたら埋められるのだろう

日常のふとした瞬間に溢れ出る虚無感は どうしたら埋められるのだろう

小さな幸せに気づけない。

誰とも約束が出来ないというのは人生を放棄しているようだ。
わたしは刺し殺したいほど好きな相手もいないし、刺し殺されるほど人と関わりを持っていない。電話をするほどの相手もいないし、煙草を一緒に吸ってくれる相手もいない。ほとんどの時間わたしはひとりで過ごしている。仕事をしている時は引っ切り無しに人と会話をしているが、どこか壁に向かって話をしているみたいだ。別になんの感情の跳

もっとみる
かつて私淑していた人々はどこに行ったのか?

かつて私淑していた人々はどこに行ったのか?

先日、最近よく見ているYouTubeチャンネルである「ゆる言語学ラジオ」というチャンネルを見ていたら、なかなか面白いことを言っていた。

曰く、理系・工学系の人々は「世界を変えたがりがち」だというのである。特にプログラマー系の人は、「自分のコードで世界を変えてみせるぜ」と意気込んでいるものだ、と。

一方、文学系の学部の人は、あまり世界が変えることに関心はなく、どちらかというと内的世界のほうに関心

もっとみる
太宰治の「人間失格」で笑えなくなった人は、いったん寝るべきだ

太宰治の「人間失格」で笑えなくなった人は、いったん寝るべきだ

太宰治といえば、非常にネガティヴかつ陰鬱な作品ばっかりで、読んでいて暗くなると思われがちだろう。はい。その通りです。一見、死ぬほど暗い。ずーっと、うじうじしている。

しかし人によっては、笑いながら読める人も多い。渋谷のクラブでコロナビールの瓶にレモン沈めてる兄ちゃんが読んだら「いや、こいつ自分好きすぎるっしょ。ウケんだけどやばくね」と笑いながら読むに決まっている。

なかでも「人間失格」という名

もっとみる
「普通」から外れたければ、見つからないこと

「普通」から外れたければ、見つからないこと

YouTubeをめぐっていたら、裏社会を中心に取材を重ねているなかなか危険知らずのYouTuberがいたので、いくつか動画を拝見していた。

その中でも異彩を放っていたのが、「傭兵稼業」をしていたという人がゲストの回だった。

彼はプロの傭兵として、アフガニスタンやミャンマーのゲリラ軍で歩兵として戦っていた、ということだ。自衛隊か何かから義勇兵的に派遣されていたわけではなく、個人で現地の組織に連絡

もっとみる
名前のない状態について

名前のない状態について

いま自分がやっている仕事は何か、と問われたとして、それなりにちゃんと説明はできるのだけれど、ひとことで説明するのはけっこう難しい。

たとえば医者や弁護士や教師みたいに、一般的にすぐにわかる職種の名前がついていたらもう少し簡単かもしれないが、そういう仕事の人たちも、一般的にイメージしやすい名前の職業だというだけで、世間一般でイメージされる仕事内容と、実際の仕事内容は異なるはずだ。みんな、少しずつ、

もっとみる
やり始めるとバカになる

やり始めるとバカになる

外からだとものすごく気になるのに、中に入るととたんに見えにくくなってしまうものがある。

僕は年始に転職活動を開始して、いま入社できた会社の面接をウェブ面接で受けた。ありがたいことに、「スカウト」といって、採用したい企業側から直接アプローチしてもらえる方法があって、それ経由で面接を受けることになったのだ。一次面接の面接官は、その企業のCOO(最高執行責任者)だった(あとから聞いたら、これはかなり異

もっとみる
精神的豊かさは書けるのか問題

精神的豊かさは書けるのか問題

文章を書く人間として気をつけてることがいろいろある。

不用意な言葉を使わないのもその一つ。もちろん、取材だとか、それに近い対話とか、あるいは流れるように文章を書くときにも。

そんなの、どれもそれなりのスピードで進んでいくのに逐語的にすべての言葉を用心深く使うのは難しいのだけど、それでも基本的には意識をする。

取材や対話の場合は、その前後も含めてお互いに「場の空気や流れ」を共有できるので、明ら

もっとみる
感情の中を泳いでゆく

感情の中を泳いでゆく

感情って不思議ですね。

いつもと変わらぬ同じ空を眺めながら、

昨日はあれだけ感傷的になっていたのに、
今日は、一変して穏やかな気持ちなんですね。




目の前で満ち引きする波のように。

また青空を流れてゆく雲のように。


人の感情も、その時々で変化をし移りゆくもの。

そう、あらためて感じます。



明日、自分が何をどう考えているかなんてわかりませんし、
来年の自分がどう思いながら海を

もっとみる
人が本気になれる理由は、憧れじゃなくて、悔しさとか不安だよ

人が本気になれる理由は、憧れじゃなくて、悔しさとか不安だよ

みんな就職活動の時はキラキラした理想論ばかりいう。

だけど、実際「この人みたいになりたい」と思って就職した人よりも「こいつにだけは負けたくない」と思ってる就職した人の方が5年後の今何倍も稼いでたよ。

人が本気になれる理由は、憧れじゃなくて、悔しさとか不安だよ。もちろん憧れてそれに向かって努力することができるとしたら最高だけど、現実はみんなそんなキラキラした理想論だけで生きてない。

人が本気に

もっとみる
憧れに触れてゆきながら

憧れに触れてゆきながら

しばらく晴れ渡った日々が続いています。

そんな時ほど、ついつい小舟の上で
空想におもいを巡らせてしまいます。

この海の先には、
どのような世界が広がっているのだろう。

もしかしたら見知らぬ大陸がその先に広がっていたり、
この孤島のように小さな島々が
点在しているのかもしれません。

近々、この孤島から少し離れて、
ゆっくりと海の果てを進んでゆきたい。
そんな微かな願望を抱いていたりもします。

もっとみる