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#エッセイ

婚約中に『四月になれば彼女は』を観られてよかった

婚約中に『四月になれば彼女は』を観られてよかった

※映画の結末には触れていませんが、ネタバレを若干含みます。

映画『四月になれば彼女は』をひとりで観に行った。
もともと川村元気さんの作品が好きで、発売当時に原作小説は読んでいたものの、内容はうろ覚えだったから新鮮な気持ちでの鑑賞だった。
(3年くらい前かなと思ってたらもう8年前の小説なのね、時の流れやば、、)

この作品では主人公とその婚約者のすれ違いが描かれている。
主人公の過去の恋愛をきっか

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言葉を見つめる世界線のなかで【ドラマ『silent』鑑賞記】

言葉を見つめる世界線のなかで【ドラマ『silent』鑑賞記】

信頼できる友人に限って、しきりに「詩乃は絶対に好きだから、『silent』を観てくれ」と言ってくれていた。

その理由を聞いたことはほとんどなくて、というか、みんながみんな「観ればわかる」と言うだけ言ってその本心を教えてはくれなくて、ただ「いい作品だから」とだけ伝えられていた。

事前情報として、ひたすらによく泣けるドラマだと聞いていた。最終回に向けて泣けるとかではなく、第一話から泣ける作品だと。

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シンクロが起きることが普通になっていく

シンクロが起きることが普通になっていく

今日は、久しぶりに麻布十番へ行きました。

というのも、3日前に突然、サンキャッチャー作家の友人から、土曜日にこんなイベントに出店するんだけど良かったら…というお誘いをもらったから。

実は、なんとなくこの日は空けておこうかな、と思って予定をぽっかり空けていたんですよね。ほんとになんとなーく。

そしたら、こんなステキなお誘いが舞い込んで、あぁ今日は彼女と会う日と決まっていたんだな、と確信したので

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あの頃、私は「真面目」に殺された。

あの頃、私は「真面目」に殺された。

先日、母と私の子供の頃の話をしていた。


小学校高学年になる頃、私は母に「わたし、真面目って言われるのが嫌い」とこぼしたそうだ。なんとなく記憶にはある。
母はそのときに、あぁこの子は真面目な子なんだなと思ったらしい。

今振り返ると、何事にも真面目な子だった。

習い事のダンスではセンターを取り、水泳は大会でメダルを取るほど練習に没頭した。ダイエットを始めると、好きな雑誌のモデルのBMIを超え

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世界と接続する手段を鍛える

世界と接続する手段を鍛える

遠い昔、就職活動をすることになったとき、大学では面接対策として「模擬面接」というのを実施していた。強制ではなく任意だったが、キャリアサポートセンターという部署が大学にあり、申し込めばやってもらえるようだった。

同級生は面接対策として参加していたみたいなのだけれど、自分はついに一度も申し込まなかった。「模擬の面接」って意味があるのかな、とその効果に懐疑的だったからだ。

会社によって事業内容は違う

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生きる世界線が変わる日

生きる世界線が変わる日

みなさん、こんにちは。須藤美香です。
久しぶりのnote投稿になります。



2月末に参加したとあるリトリート合宿をきっかけに、
しばらくInnner Jouney(自分の内側を旅して、そこで見える景色や気づきを得ていくこと。精神的な旅のような…)をしていました。

その間、noteをはじめ、Podcast等での発信も控えていました。

自分に起きたこと、取り組んだこと、そこで見えてきた景色や

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凡人が一番「生き残る」のでは?

凡人が一番「生き残る」のでは?

SNSや雑誌の記事、ネット記事などを見ていると、「生き残る」といったメッセージを含んだ内容のものが目につく。「これから、AIに仕事が奪われる中で、生き残る仕事」みたいなテーマはみんな大好きだろう。

AIにさして関心のない人であっても、「AIに仕事を奪われるかどうか」みたいな話題は気になるのではないだろうか。自分の食い扶持が残るかどうか、という死活問題に直結するからだ。

「生き残る」という観点で

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意識を自由にすること

意識を自由にすること

意識を自由にしたいと思う。これはもう十年くらいの間ずっと思い続けていたことだ。しかしいまだに——十分には——達成されていない。僕は31歳になってまだアルバイトを続けている。職業的小説家になれるのにはまだもう少し時間がかかるのかもしれない。でもそんなことは関係ない、と僕は思う。なぜなら時間は今流れているからだ。今ここに僕は生きているからだ。そしてその状態はおそらくはもっと歳を取ったときでもさほど変わ

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なぜ若者よりもおっさんのほうが情報収集能力が高いのか?

なぜ若者よりもおっさんのほうが情報収集能力が高いのか?

仕事でいろんなおっさんと接する機会がある。いろんなおっさんと接していると、不思議に思うことがある。世の中には、恐ろしく情報収集能力に長けたおっさんがいて、その卓抜した情報収集能力にしばしば舌を巻く。

一方で、情報収集能力が卓抜している「若者」に出会う機会はあまりないので、なぜなのだろうか、と疑問に思っていたのだ。

単に、僕の周りにいる人間がそうであるだけなのだろうか? いや、何か理由があるに違

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日常のふとした瞬間に溢れ出る虚無感は どうしたら埋められるのだろう

日常のふとした瞬間に溢れ出る虚無感は どうしたら埋められるのだろう

小さな幸せに気づけない。

誰とも約束が出来ないというのは人生を放棄しているようだ。
わたしは刺し殺したいほど好きな相手もいないし、刺し殺されるほど人と関わりを持っていない。電話をするほどの相手もいないし、煙草を一緒に吸ってくれる相手もいない。ほとんどの時間わたしはひとりで過ごしている。仕事をしている時は引っ切り無しに人と会話をしているが、どこか壁に向かって話をしているみたいだ。別になんの感情の跳

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私たちは多分、お腹で感じて頭で考えてる

私たちは多分、お腹で感じて頭で考えてる

90年代の映画を見たら古着屋に行き、紙袋にマイヤーズラムの小瓶を隠して海を訪ねて夕焼けを眺めながら、紙袋ごとぐしゃっと握りしめた小瓶を胃に流し込みたくなるように。
文豪たちの小説を読み進めれば、自分のネジが少しずつ緩んでいくのを感じて、面接時に椅子のねじを閉めようと奮闘したムッちゃんばりに外に出て人と関わってネジの緩み度合いを確認し、キュッキュッと閉めるように。
あまり興味のなかったロックバンドの

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元カレとの気持ちを整理してから、彼氏を探そう。

元カレとの気持ちを整理してから、彼氏を探そう。



1.この町も、あなたがいた町と同じです西部開拓時代のアメリカでのエピソードです。

当時、多くの人が、東部から西部の町に移住していました。

西部のある町の入り口に、町の長老が立っていました。

東部から移動してきた人たちがその町に入る時、まずその長老に出会います。

人々は、長老に「この町の人たちって、どんな人ですか」と熱心に聞きます。

長老は、質問に答える代わりに、

「あなたが以前、住

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かつて私淑していた人々はどこに行ったのか?

かつて私淑していた人々はどこに行ったのか?

先日、最近よく見ているYouTubeチャンネルである「ゆる言語学ラジオ」というチャンネルを見ていたら、なかなか面白いことを言っていた。

曰く、理系・工学系の人々は「世界を変えたがりがち」だというのである。特にプログラマー系の人は、「自分のコードで世界を変えてみせるぜ」と意気込んでいるものだ、と。

一方、文学系の学部の人は、あまり世界が変えることに関心はなく、どちらかというと内的世界のほうに関心

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「友人とビジネスをしてはいけない」という教訓について

「友人とビジネスをしてはいけない」という教訓について

MAF。メインアクターファクトリー。初めて作った会社の名前。といっても結局登記するところまで行かなかったから、ただの会社っぽいもの。若者のグループ。名刺も作った。社長も決めていた。創設メンバーは僕と中1からの友人。多い時には6人くらいで活動していた。

名前には「俺たちは主人公を作る工房なんだ」という願いを込めた。事業内容はあってないようなものだった。個人向けのコーチングとセミナーの開催。僕が個人

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