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私の本棚

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図書館で借りる本が多めです。感じたことや考えたことなどを綴ります。
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#読書感想文

衝撃でお腹がいっぱい

衝撃でお腹がいっぱい

ありのままの私を受け入れて欲しいと思うことや自己愛が高いことは、ある人達にとっては図々しくて傲慢で、「許せない」と思われる対象になるかもしれなかったんだ。

私、周囲からどう思われているんだろう。すごく怖い。私ってやっぱり傲慢なのか。同時に、自分もそうやって他人を主観で品定めしては、見た目で判断しようとするような、つまりはそんな自分の性格の悪さ、が改めて露呈したような気がして。私はそんな私をやっぱ

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辻村深月さん「傲慢と善良」読了。他人の言動が自分には理解できなくてもそれは悪いことじゃないと思う。ただ「この人はそうなんだな」と思えるかどうか。そう思うだけで救われる人が、確実に居ると思う。それをするのが難しいんだけどね。

ビブリア古書堂の事件手帖シリーズを読んでいる。栞子さん達に再会できるのが嬉しいし、こんな古書があるんだって新たな発見も。第二シリーズのカギである栞子さんの娘、扉子が、本を「息をするように読む」って友達に思われているところにクスリとした。その感覚に共感したから。

小中学生の頃、国語の授業で知った、川端康成『伊豆の踊子』をようやく読了。当時は「名前が小難しそう」で、大人になったら読めるかなと思っていたのが、何ともかわいらしい。それを自分で言うかって感じだけど笑 次は、ヨルシカの楽曲モチーフにもなっている『雪国』を読みたいなあ。

池上彰さんの『高校生からわかる「資本論」』を読んだ。語り口調だからか、文章がスルスルと頭に入ってきてすごく分かりやすい。読後、ノートの見開きいっぱいに、内容を自分なりに図解とか文でまとめる作業をした。心地よい疲れと達成感に浸っている今。

"自身の信念に反した言動を正当化するため"に他人の言動を口実にするのは、不愉快に感じた。またまた、高校の授業以来の再読。当時の私が言語化出来ずに何となく抱いていたモヤモヤの正体、これかあ〜…と納得。

檸檬と今の私

檸檬と今の私

今どうしようもなく落ちて病んでいることなんて、誰も知らなくていい。まるで、果実としての檸檬。瑞々しく爽やかなあの感じと、相対するようだ。

梶井基次郎の檸檬を、高校の授業以来、再読した。そうしたら、実はそれの原型作とされるものがあることを、今日初めて知った。それが"瀬山の話"と言う短編。檸檬における主人公の、不穏な言動の様が如実に描かれているそれは。今の私に、めちゃくちゃに刺さった。自分が病んで堕

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『華氏451度』

『華氏451度』

一見風変わりな印象を受けたこのタイトルに込められた意味を知った時、全身に鳥肌が立つ思いがした。その本とは、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』。

小説!フィクション!!のはずなのに、70年以上前に書かれたにしては、作者は、現代社会がこうなることを予め知っていたんじゃないか?と思ってしまう。

それくらい、現代社会の在り様を如実に表しているように、私には感じられた。

情報過多な現代社会。そこで如

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読むだけで情景が目に浮かぶ、宮沢賢治が紡ぐ言葉が好き。

読むだけで情景が目に浮かぶ、宮沢賢治が紡ぐ言葉が好き。

宮沢賢治の、美しく、どこか自然を超越しているかのようなあの世界観に没入している瞬間が、私にとっては快楽的であり、且つ癒しのひととき。

中でも銀河鉄道の夜は、何度でも読み返したくなる、私の大好きな作品のひとつ。読んでいるだけで情景が目に浮かぶ文章に、尊敬の念を抱く。サザンクロス、りんどうの花、カムパネルラの存在や、台詞達の伏線…。

作品の好きな描写を挙げ始めたら、枚挙にいとまがない。あの全部を感

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最高にワクワクする時間

最高にワクワクする時間

最近、私の中で、読書熱が再燃している。

昨日図書館へ行った。ここ1カ月は、2週に1度、地元の図書館へ訪れて、本を返却した後、次に借りる本を物色している。(言い方、笑)

あの時間が、私は最高に好きだ。最高にワクワクする。

何と言っても、何冊借りても「無料」と言うのが大きい。知識や幸せの感情と言った無形の財産が、無料で手に入ると言ったら、少々邪かもしれないが…笑。

そんなことを思いながらも、純

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私はその人では無いから、安易に"分かる"と言うことは違うと思うんだけど、"共感できる"と言うのか、"感覚が理解出来る"と思うことが、読んでいて沢山あって。私もあなたも、ただそこに居るんだなって思えた一冊。

多様性は「多様性と言う考え方のうちのひとつ」でしかない

多様性は「多様性と言う考え方のうちのひとつ」でしかない

朝井リョウさんの「正欲」を読了した。読むのは今回が2回目。初回は約2年前、大学3年生の時。

読もうと思った動機は、友達が書いた、自身のおすすめの本を紹介したnoteを読んでいた時、ふとこの本を思い出したから。今回は、2日間で読破してしまった。

私は以前、この本を電子書籍として購入し、心が動いた部分には、(搭載された機能を用いて)本文にラインマーカーを引きながら読み進めていた。今回も、マーカーの

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多様性と言う言葉こそ、思考偏重なのだと思い知った。読み耽っていたらこんな時間🌃

窓ぎわのトットちゃんを初読。先日映画を観賞して原作を読みたくなり、大学図書館で借りていたもの。トットちゃんの日常に入り込んだような感覚になって、終始ページを繰る手が止まらなかった。世界観に入り浸っていた。読書っていいなって改めて思えた。