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私の本棚

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図書館で借りる本が多めです。感じたことや考えたことなどを綴ります。
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誰もが同じ空の下で命を灯す

誰もが同じ空の下で命を灯す

瀬尾まいこさんの、ファミリーデイズと言うエッセイを読み終えた。タイトルの通り、瀬尾さんご家族の日常が紡がれている。

私はと言えば、部屋で寝転がって読みながら、ふふっと笑ってみたり、ゲラゲラと笑い転げてみたり、かと思えばへえ~!と声を上げて驚いてみたり。何とも心の動きがいい意味で忙しかった。

そしてふと、私もエッセイなるものを書いてみたいと思った。エッセイとは、言わば平安時代で言う随筆であり、清

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終始声を押し殺して笑った。別に押し殺さなくてもいいんじゃないかと思う。自宅で読んでいるのだし、実際漏れ出ていたし笑 それでも何となく、本の世界に入り浸っていたくて、瀬尾さんの言葉を独り占めしたくて。エッセイっていいなあと改めて思った。[瀬尾まいこ ファミリーデイズ]

瀬尾まいこさんの、ファミリーデイズと言うエッセイを読んでいる。ひとつひとつの出来事を頭の中で想像しやすい文章のおかげで、読み進める度、ふふっと笑みが零れ落ちる。いや、ふふっどころか、ツボにハマって笑い転げてしまう。私も瀬尾さんみたいな文章、書けるようになりたいな。

誰かの自由は誰かの不自由の上に成り立っている。だから誰かの自由のためには、誰かが不自由を受け入れる必要がある。自分が自由を求めるのならば、自分もまた不自由を受け入れる必要がある。[眞邊明人 「もしも徳川家康が総理大臣になったら」]

人は人を傷付けないと、生きていけないのかもしれない。それでも、私は人を傷付けたくはない。

人は人を傷付けないと、生きていけないのかもしれない。それでも、私は人を傷付けたくはない。

人は人のことを傷付けないと、生きていけないのかもしれない。じゃあ、無意識のうちに人のことを傷付けるのと、意図して悪意があって人のことを傷付けるのと、どっちが罪として重いのかな。住野よるさんの「青くて痛くて脆い」を6年越しに読み返して、ふと考えたこと。

最初に読んだのは16歳、高校生の頃。読み終えた時、私は大学生同士の色恋沙汰の話なのかなって思っていた。

でも22歳になって読み返した今日、恋愛に

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気遣いの塩梅

気遣いの塩梅

人に気を遣う、それは自分にとって、至極当たり前のことだった。と言うか無意識。だから、人に対して気を遣えない人や、その人がする(しようとしている)言動を、自分のことに置き換えて考えられない人のことが、私は本当に苦手と言うのか、ありえない、無理って思ってた。

7年越しに、住野よるさんの「かくしごと」をふと読み返した今、思うことがあって。私は多分、大学時代、人に対して気を遣い過ぎていたなと。特にこの部

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瀬尾まいこさん「夜明けのすべて」読了。映画化もされた作品の原作に満を持してご対面できたのが、とっても嬉しかった。

少年たちのひと夏の思い出を、読み返す

少年たちのひと夏の思い出を、読み返す

昨夜、数年ぶりに読み返した本がある。湯本香樹実さん「夏の庭」。『六月に入ってから雨ばかり降っている』と今の時期にピッタリな書き出しで始まるこの本の英訳は「ーThe friendsー」。主題を端的に表すと「死とは?」だと思うが、同時に「友達って?」についても紡がれている一冊であるような。そんな風に、私は読後、感じた。

クラスで『きゅうり』と揶揄される細身な一人称「ぼく(三人称は木山)」と、仲間内で

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[好井裕明/他者を感じる社会学]一部読了。"差別を考える"とは、自分の中にある"普通"に息づく思い込みや決めつけを洗い出すこと。筆者が言いたいことを自分なりに一言で書いてみた。久しぶりに新書読んで思ったのは、やっぱり新書っていいね、ってことかなあ。

衝撃でお腹がいっぱい

衝撃でお腹がいっぱい

ありのままの私を受け入れて欲しいと思うことや自己愛が高いことは、ある人達にとっては図々しくて傲慢で、「許せない」と思われる対象になるかもしれなかったんだ。

私、周囲からどう思われているんだろう。すごく怖い。私ってやっぱり傲慢なのか。同時に、自分もそうやって他人を主観で品定めしては、見た目で判断しようとするような、つまりはそんな自分の性格の悪さ、が改めて露呈したような気がして。私はそんな私をやっぱ

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辻村深月さん「傲慢と善良」読了。他人の言動が自分には理解できなくてもそれは悪いことじゃないと思う。ただ「この人はそうなんだな」と思えるかどうか。そう思うだけで救われる人が、確実に居ると思う。それをするのが難しいんだけどね。

ビブリア古書堂の事件手帖シリーズを読んでいる。栞子さん達に再会できるのが嬉しいし、こんな古書があるんだって新たな発見も。第二シリーズのカギである栞子さんの娘、扉子が、本を「息をするように読む」って友達に思われているところにクスリとした。その感覚に共感したから。

『温室デイズ』に救われた、中学時代

『温室デイズ』に救われた、中学時代

瀬尾まいこさんのエッセイを読んだ。中学校の教師として従事されていた瀬尾さんの日常が書かれていて、読んでいてほっこりした。そんな瀬尾さんのとある作品に、中学時代の私は救われていた。

その作品とは「温室デイズ」。

単刀直入に言えば「いじめ」がテーマになっていて、学級崩壊や登校拒否等が取り扱われている。当時読んでいて、随分とリアリティがあるように感じていた。

だがまさか、瀬尾さんご自身が教鞭を取っ

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もう一度、好きになってもいいですか。

もう一度、好きになってもいいですか。

長濱ねるちゃんの「たゆたう」を読んだ。ほんの少しだけ、ねるちゃんの頭の中を、覗かせてもらったような気持ちがした。

ねるちゃんの言葉選び、紡がれる言葉が纏う雰囲気に、心惹かれた。気付けば時間も忘れて、私は読み耽っていた。

けやき坂と欅坂時代、ずっと好きだったねるちゃんのこと。でも卒業されてからと言うものの、私は一旦、応援することから距離を置いていた。ゆるゆると、フェードアウトしてしまった。

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