本能寺の変１５８２　まとめ　時代の風潮　第4話　天正十年六月二日、明智光秀が織田信長を討った。その時、秀吉は備中高松で毛利と対峙、徳川家康は堺から京都へ向かっていた。甲斐の武田は消滅した。日本は戦国時代、世界は大航海時代。時は今。歴史の謎。その原因・動機を究明する。『光秀記』

まとめ　時代の風潮　第4話　

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まとめ　時代の風潮

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　　　　　　　◎第10話①

まとめ　時代の風潮　第4話

　これが信長の生き様であった。
　信長は、幸若舞を好んだ。
　特に、「敦盛」の、この一節。

　人間五十年、
　下天の内をく(比)らぶれば、
　夢幻の如く也、
　一度生を得て、
　滅せぬ者の有るべきか、

　信長は、己の人生と重ね合わせた。

　信長は、「五十年」を強く意識していた。
　やがて、このことが、「本能寺の変」の一因となる。
　
　「人間五十年」

　本来の意味。
　「人の世」の五十年は、下天(天上界の最下位)のわずか一日にすぎない。

　ところが、この部分だけが、独り歩きするようになった。
　昔の人は、短命だった。
　早死する人が多かった。
　死は、常に、身近なところにあった。
　人々の大半が、直感的に、「人の一生」をイメージした。
　その方が、現実にマッチしたからである。

　当時の人々の解釈。
　「人の一生」は五十年、下天のわずか一日にすぎない。

　そして、自分の人生とダブらせた。
　「無常観」、である。　

　戦国乱世。
　「油断」、すなわち、「死」。
　過酷な時代であった。

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