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奈良から平安初期に滅亡した古代(縄文?)王国の謎

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日本はコンビニより古墳がたくさんある国。女王(女性首長)の古墳も多かったのですが、5世紀に入ると突然、女王の古墳が失くなります。さらに同時期、出雲族と同族である飛騨王国も滅亡。さ…
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秘された神・月読尊の役割⑥ ~月に託した縄文の願い~

秘された神・月読尊の役割⑥ ~月に託した縄文の願い~

月読尊は天照大神・スサノオ尊といった縄文期の3貴神の一人。しかし天照神や、スサノオに比べ、月読尊は神話の世界でもほとんど登場しません。
天照大神、スサノオ尊をご祭神とする神社は全国にそれぞれ1万以上ありますが、月読命をご祭神とする神社はたった85社しかないそうです。
月読尊は縄文の高度な文明を伝える存在でした。今回は『月神』である月読尊が担っていた役割がテーマです。

【神聖なお月さま・月読尊の役

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ヤマタノオロチは新潟出身?奈良時代、滅亡した新潟の縄文系王国「こし(高志)」の謎 ~千年鮭・縄文探訪~

ヤマタノオロチは新潟出身?奈良時代、滅亡した新潟の縄文系王国「こし(高志)」の謎 ~千年鮭・縄文探訪~

・奈良時代、新潟県の縄文系王国「こし(高志)」が滅亡した理由とは?

少し前に新潟県の村上市を訪ねました。村上市には縄文直系のアイヌ民族の鮭文化が今も色濃く残っています。アイヌ民族は、鮭をイヤボヤと呼び、大切にしていました。イヤボヤとは「魚の中の王」という意味だそうです。
そんな新潟県は、古代、「こし(高志・古志)」と呼ばれる国でした。出雲風土記には、大国主(オオクニヌシ)が、高志に住む絶世の美姫

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長野県小布施・縄文ゆかりの雁田山(かりた)訪問記 ~縄文探訪~

長野県小布施・縄文ゆかりの雁田山(かりた)訪問記 ~縄文探訪~

先日、長野県小布施(おぶせ)に行った際、縄文ゆかりの地である、雁田(かりた)山に行きました。雁田山の頂上付近には、古代、アイヌ民族が築いた「チャシャ」と呼ばれる柵があります。
チャシとはアイヌ語で「柵」や「囲」を意味する言葉ですが、チャシはたんなる柵ではありません。アイヌ民族にとって、チャシの目的は▼砦や城、▼見張り台、▼祭祀の場、▼狩猟の拠点など諸説あるそうです。
こちらのチャシは、3世紀から4

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歴史が縄文を封印したのは、日本の先住民族が縄文人だから in 長野県小布施

歴史が縄文を封印したのは、日本の先住民族が縄文人だから in 長野県小布施

先日、長野県の小布施(おぶせ)に行ってきました。小布施に行く途中、高速道路の車窓から、浅間山が見えました。浅間山は、アイヌ語で「火の吹く山」という意味だそうです。日本列島に数万年の昔から住んでいた縄文人。その直系がアイヌ民族で、アイヌ語は縄文ゆかりの言語。また、お隣の群馬県の有名な温泉地の伊香保温泉(いかほおんせん)。その伊香保という地名も、アイヌ語のイカポップ(山越の温泉の意味)から来ているとか

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古代、「毛の国」と呼ばれた群馬県は、縄文ゆかりの場所だった?! ~縄文探訪・四万温泉~

古代、「毛の国」と呼ばれた群馬県は、縄文ゆかりの場所だった?! ~縄文探訪・四万温泉~

・四万温泉の「シマ」は、アイヌ語で「ごつごつした岩」という意味?

ちょっと前に群馬県の四万(しま)温泉に行ってきました。四万温泉の「シマ」はアイヌ語が語源と言われています。アイヌ語は縄文直系の言語。
ほかにも日本各地に、シマという地名はあり、有名なのが、近畿地方の伊勢志摩(しま)や、高知県の四万十(しまんと)川など。

いずれの場所も、「ごつごつとした岩」を「シマ」と言い、アイヌ語で、岩石が多い

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奈良時代、「鬼」として滅ぼされた縄文王国・長野県の鬼無里(きなさ)

奈良時代、「鬼」として滅ぼされた縄文王国・長野県の鬼無里(きなさ)

・奈良時代、次々と姿を消していった日本各地の縄文王国
奈良時代、日本各地にあった古代王国は次々と姿を消していきます。
そのきっかけは、西暦645年に行われた「大化の改新」。
「大化の改新」とは、中大兄皇子(のちの天智天皇)と中臣鎌足らよって行われた、大きな政治改革です。
まず中大兄皇子と藤原鎌足は、絶大な権力を持っていた蘇我家を倒し、その後、大王家を中心とする国家づくりに着手します。
彼らが目指し

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鬼の正体は先住民が信じた神と縄文人③ ~戸隠・八咫烏・賀茂氏~

鬼の正体は先住民が信じた神と縄文人③ ~戸隠・八咫烏・賀茂氏~

・争いを好まない古代の人々が「鬼」となった!もともと「鬼」の漢字の語源は、姿が見えないものを意味する漢字「隠(おん)」が転じたそうです。古代、「穏(おん)」と呼ばれた山の民。森に住む彼らは薬草の知識を持ち、木の実や山菜、木材などを、山の麓に暮らす人たちとともに、分かち合っていた縄文人でした。縄文人は、熊やイノシシなど狩る勇猛さを持っていましたが、人との関わりでは、争いを好まず穏やかに暮らしていまし

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古代、鬼は先住民の神だった?② ~ギリシャ神話から縄文人~

古代、鬼は先住民の神だった?② ~ギリシャ神話から縄文人~

どうして「鬼」は頭に角があるだけで、邪悪とされるのか?
そのことに疑問を感じ、少し前から調べ始めました。そして世界中に、角を持つ「神」が存在していたことを知りました。
ギリシャ神話では全能神ゼウスをはじめ、ほかにも角を持つ神々が登場します。ケルト神話やエジプト神話も、角のある神々が存在します。
また、旧約聖書に登場する預言者モーゼや、東方遠征のアレクサンダー大王も、二本角がある人物として有名です。

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古代、鬼は神だった?① ~ヘブライから長野の鬼無里(きなさ)王国~

古代、鬼は神だった?① ~ヘブライから長野の鬼無里(きなさ)王国~

先日テレビをつけたら、NHKの「お名前バラエティ」という番組がやっていて、「鬼は邪悪!というイメージは後世つくられたものだった?」という内容が放送されていました。
その番組によると、古代は、鬼は「山の神さま」のような存在だったが、朝廷が「鬼は怖く、人を食う恐ろしい存在」というイメージ作り出し、庶民に広がったそうです。
途中からテレビを見たので、全部の内容はわからないのですが・・。
それでふと奈良時

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奈良時代、各地の古代(縄文系?)王国が消滅したのは、日本が一つの国になるため① ~縄文の終焉は新しい時代の幕開け~

奈良時代、各地の古代(縄文系?)王国が消滅したのは、日本が一つの国になるため① ~縄文の終焉は新しい時代の幕開け~

縄文を調べていくと、ある時代をきっかけに、日本各地の古代(縄文系)王国が姿を消していったのがわかります。
それは奈良時代・・。奈良時代に行われた「大化の改新」以降、日本各地にあった縄文王国が次々と姿を消していきます。
「大化の改新」とは、中大兄皇子(のちの天智天皇)と中臣鎌足らよって行われた、大きな政治改革。彼らは、唐(中国)のような強大な国づくりを目指し、「律令制度」を日本に導入する改革を推し進

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古代、女王たちの統治は5世紀に終了。同時期に、飛騨王国も滅亡② ~縄文の終焉は新しい時代の幕開け~

古代、女王たちの統治は5世紀に終了。同時期に、飛騨王国も滅亡② ~縄文の終焉は新しい時代の幕開け~

縄文を調べていくと、ある時期に突然、各地の縄文王国が消滅したのがわかります。それは奈良時代・・。西暦645年の「大化の改新」以降です。
まず中大兄皇子と藤原鎌足は、大王家をしのぐほどの権勢を誇っていた蘇我家を倒し、その後、大王家を中心とする国家づくりの着手します。
彼らが目指したのは、唐(中国)のような強力な軍事力を持つ中央集権国家。そのためには、各地の縄文王国を滅ぼし、日本をヤマト王権のもとに一

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