マガジンのカバー画像

気になるタイトル・あとで読む

233
運営しているクリエイター

#学芸員

【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【約6,900文字、写真約60枚】
実体験を基に「青森県の4つの美術館を」「東京から一泊二日」「電車・バスで周った」「一人旅」について、具体的なルート、食べたものとともに、感想などを書きます。

結論から言うと、青森の主要美術館は素晴らしいものばかり!美術館メインで旅行を組む価値は十分にあります。なお、車を使わない場合、2日で5つの美術館は周り切れず、4つが限界でした。注意点は、青森は都内と違い、

もっとみる
展覧会レポ:十和田市現代美術館「常設展」「野良になる」ほか

展覧会レポ:十和田市現代美術館「常設展」「野良になる」ほか

【約5,900文字、写真約80枚】
青森の美術館巡りの一環として、十和田市現代美術館で「常設展」「野良になる」などを鑑賞しました。その感想を書きます。

結論から言うと、こんな美術館は初めてで、満足度が高かったです!とにかくクセが強すぎて、楽しい!面白い!アートに興味が全くない人も十分楽しめると思います。また、無料で楽しめる屋外アートが多く、美術館の建築も外に丸見えになっていることにより、アートと

もっとみる
麻布台ヒルズレポ:おしゃれの暴力!日本一高い展望台はマスト

麻布台ヒルズレポ:おしゃれの暴力!日本一高い展望台はマスト

【約3,200文字、写真約25枚】
2023年11月にオープンした「麻布台ヒルズ」に行きました。展望台やアートの観点から、その感想(+森ビルについて)を書きます。

結論から言うと、一度は訪れるべき複合施設だと思いました。1)ビルとして日本一高い展望台は景色も良い上に無料!、2)建物や内装デザインが暴力的におしゃれ過ぎる、3)パブリックアートや常設の展覧会(値段は高い)が複数あるためです。観光客に

もっとみる
『学芸員の観察日記』に拙著がおすすめの本として紹介されました

『学芸員の観察日記』に拙著がおすすめの本として紹介されました

近日刊行される 4コマ漫画『学芸員の観察日記: ミュージアムのうらがわ』を 滝登くらげ先生よりご恵贈頂きました。

展示から求人まで博物館の裏側が網羅された素晴らしい一冊でした。

各エピソードに併記されるひとことも良き!

また、本書籍内に拙著『ただいま収蔵品整理中!学芸員さんの細かすぎる日常』がおすすめ本として紹介されています。

ご興味がありましたらこちらも是非!

みんなの理想の美術館

みんなの理想の美術館

先日、理想の美術館についてnoteで伺ったところ、多くの方々が教えてくださりました。

ご教示くださった方々に、改めて御礼申し上げます。

実を言うと、誰も反応してくれなかったらどうしよう…と投稿する前は、かなりソワソワしていたのですが、そんな心配は不要でした。

みなさまが理想の美術館について考えたことを、惜しみなく教えてくださって、とてもうれしかったです。

なるほどと思うこと、私一人は気づけ

もっとみる
「教養」の耐えられない軽さ/ファスト教養ブームは「美術」の終わりの始まりなのか?

「教養」の耐えられない軽さ/ファスト教養ブームは「美術」の終わりの始まりなのか?

最初に言っておきます。この記事は、昨今「ファスト教養」と呼ばれるものへの批判記事ではありません。

ファスト教養の抗いがたい力をなかば認めつつ、そして、私の中にもそうした傾向が年々増しつつある事を自覚しつつ、それでもその行き着く先には美術の明るい未来が待っていないことを予感し、今何ができるか考えようという七面倒くさい(それこそ昨今敬遠される)思考の記録です。
ぜひ最後まで読んで、この答えのない問い

もっとみる
note投稿100本のふりかえり[反響のあった投稿はどれだろ]

note投稿100本のふりかえり[反響のあった投稿はどれだろ]

前回、投稿した「レポ「桃源郷通行許可証」展」をもって、noteの投稿記事が100本となりました。すごい、えらい!自分で自分を褒めます。

ブログの世界では、まず記事を100本書いてスタートラインに立てる、とか、100本書いてようやく一人前、と言う言葉があります。

まず100本ぐらい書いてみないと何もわからないよね、ということです。
まだ数本しか記事を書いていないのに、「あれーアクセスが集まらない

もっとみる
図録がまだ小冊子だった時代[展覧会図録と著作権のはなし]

図録がまだ小冊子だった時代[展覧会図録と著作権のはなし]

ここ2回ほどnoteで展覧会図録について書きました。

そこで言い忘れたことというか、図録を制作する際の著作権の取り扱いについて追記しておきます。

著作権についてもこれまで何度か触れてきましたが、創作活動とは切っても切れないものなので、美術館で仕事をしていると嫌でも詳しくなります(それにしても、我ながら結構書いてるもんだ)。

では、著作権について軽くおさらいです。

展覧会図録には、作品の図版

もっとみる
SDGsじゃない大型企画展

SDGsじゃない大型企画展

どんな事業も、SDGsかどうかで評価される昨今。大手企業はみんな「うちはSDGsですよー!」と広告でせっせとアピールしていますね。

私つねづね思っていたのですが、SDGsの17個の目標って多すぎませんかね? 詰め込めばいいってわけじゃないと思うのですが。
実際17個ぜんぶ覚えてる人っていないのでは? 結局、なんとなく環境によさそうなことをやることでしょ、ぐらいのふわっとした認識しかないはず!(少

もっとみる
美術館は金食い虫でいいのか?

美術館は金食い虫でいいのか?

これはペーペーの頃は考えもしなかったことなのですが、美術館運営ってお金がかかるんですよね。

そもそも施設・設備に多額のお金がかかります。

なぜなら、作品を保存・管理するために温湿度コントロールがしっかりできる空調設備が必要だし(収蔵庫はもちろん、できれば展示室も)、展示ケースには透明度の高い大型ガラス、様々な展示作品に対応できる照明設備、独立した移動型の展示ケースだって値が張ります。

もちろ

もっとみる
どっちが優秀?文系卒の学芸員と美大系卒の学芸員

どっちが優秀?文系卒の学芸員と美大系卒の学芸員

どうも。小さな美術館の学芸員です(バックナンバーを見ていただければ、だいたいどんな人間かわかるかと)。

さて、あおるようなタイトルになっちゃいましたが、結論から言うと大学は関係なく、人によります。当たり前ですが。

さて、誰も知らないであろうマニアックな話をします。実は、美術館(博物館も)の学芸員は大きく分けて2つのタイプがいます。

文系卒の学芸員と美大系卒の学芸員です。

ちなみに私は前者。

もっとみる