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SDGsじゃない大型企画展
どんな事業も、SDGsかどうかで評価される昨今。大手企業はみんな「うちはSDGsですよー!」と広告でせっせとアピールしていますね。
私つねづね思っていたのですが、SDGsの17個の目標って多すぎませんかね? 詰め込めばいいってわけじゃないと思うのですが。
実際17個ぜんぶ覚えてる人っていないのでは? 結局、なんとなく環境によさそうなことをやることでしょ、ぐらいのふわっとした認識しかないはず!(少なくとも私はそう)
そんなふわっとした認識のまま語って申し訳ないのですが、自分たち美術館の仕事ってSDGs的にどうなんだろう?とふと考えてみました。
美術品や文化財を保存し、後世に伝えること。これはまぁ良さそうですよね。はい、日々がんばってます。
では、その美術品や文化財を展示公開することは?要するに展覧会を開催することはどうでしょう?
ここで常設展と企画展をわけて考えなくてはいけません。
常設展は美術館が自前の収蔵品を公開するもので、予算はそこまでかけられません。なので、既存のケースに入れて展示するのが一般的です。
対して企画展、特にスポンサーが入った大型企画展は、まったく別物です。大規模施設で行われるこの手の企画展は、会場をほぼイチから作り上げます。
以前に展覧会の空間デザインを専門とするプロがいるという話をしました。
こうした人たちが加わって、展覧会のコンセプトを反映したその時限りの特別な空間を作り上げるのです。
具体的には、色や素材を統一した特設の壁や展示ケースを数日がかりでワッセワッセと組み上げます。そうすることで普段の展示室とは異なる、非日常空間が出来上がるわけです。
ただ、現場を見るとわかるのですが、そのためには大量の木材や大判の厚手のアクリルが使用されます。そしてそれらの素材は、その会場のために用意されたものなので、展覧会が閉幕し、会場をバラすと大量の廃棄物となります。特注サイズなので、なかなか再利用できるものではありません。
うーん、SDGsじゃないぞ、これは…。
てことで、こういう展覧会の作り方もだんだん出来なくなるのかもしれませんね。いや、それとも廃材を器用に再利用して展示空間を作る方法を編み出すのでしょうか。日本人はそうした工夫が得意なので、可能性はありそうな気がします。
がんばれ、日本のプロフェッショナル!(他人任せ)
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