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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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2019年6月の記事一覧

特牛と及位

特牛と及位

1、難読地名の快人名と同じくらい、地名というものは歴史を背負っているものです。

佐藤さんの「藤」が、藤原氏からきていることは、だいぶ有名になりました。加藤さん、斎藤さん、伊藤さん…。いずれも藤原氏にルーツがあるとのこと。どんだけ日本中に広がったんだ、藤原氏。

地名もそうです。例えば北海道の札幌(さっぽろ)。札束の幌? バブリーな商人が一攫千金に成功してテントにお金を積み上げたのか? と思いきや

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焦ってはいけません ~漱石の手紙~

焦ってはいけません ~漱石の手紙~

1、先生と僕香日ゆらさんの『先生と僕』という漫画があります↓。

副題に「~夏目漱石を囲む人々~」とあり、明治時代の文豪である夏目漱石と、その関係者のエピソードを描いた漫画です。

夏目漱石…。吾輩は猫である。坊ちゃん。そう言えば高校時代に「こゝろ」を読んだなあ、Kが死ぬんだよなあ…。すこし前にはお札に顔があったなあ…、くらいでしょうか。思い浮かぶのは。

そんな方にはぜひお薦めの漫画です。「文豪

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AIがなくても喰ってゆけます?

AIがなくても喰ってゆけます?

1、エレベーターエレベーターを発明した人は、究極のものぐさ太郎だと思います。

箱の中にいて、待っていれば自動で上の階に行けます。下の階にも行けます。たぶん、エレベーターが世の中に初めて出てきたとき、他の人はこう思ったのではないでしょうか。

「自分で歩けよ!」

これが、荷物を運ぶだけならわかるんです。

茨城県は水戸市にある偕楽園。その中にある好文亭という建物。最後の将軍、徳川慶喜の父、烈公こ

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若島津さんのまもるもせめるも ~バックオフィスの攻撃~

若島津さんのまもるもせめるも ~バックオフィスの攻撃~

1、フォワードとしての若島津高橋陽一さんのサッカー漫画『キャプテン翼』。「ボールはトモダチ!」の大空翼をはじめ、ゴールデンコンビの岬、SGGK(スーパーグレイトゴールキーパー)の若林、常に袖をまくっているタイガーショットの日向小次郎など、そうそうたるメンバーが出てきます↓。

その中で、若島津 健(わかしまづ けん)という人気キャラがいます。ゴールキーパーです。空手をやっており、手刀ディフェンスや

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歴史で食っていく

歴史で食っていく

1、金銭は軽蔑すべきものではない田中芳樹さんの小説『銀河英雄伝説』では、このような会話の場面があります。主人公の1人ヤン・ウェンリーが、父親に進路の許可をもらう場面です。部分的に引用してみます↓。

彼が一六歳になる数日前、父親のヤン・タイロンが死んだ。宇宙船の核融合炉に事故が生じた結果である。息子はハイネセン記念大学の歴史学科を受験することに決めて、父親に承諾をえたばかりだった。

「……まあ、

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歴史を漫画する ~その利点と欠点と対策法~

歴史を漫画する ~その利点と欠点と対策法~

1、ムロタニツネ象さんという鬼才「学習まんが」シリーズなど、学校で学習する内容を漫画にして、わかりやすくする手法があります。歴史の分野で特に有名なのは、「学研まんが 日本の歴史」ですね↓。

現在のシリーズでは、旬の漫画家さんが登用されており、絵も奇麗、読みやすい、最新の研究内容も反映されている…。あの「ビリギャル」も、歴史の学習内容は、漫画でまず流れを頭に入れたとのこと↓。

しかし、私がパッと

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自動車事故とモータリゼーション ~歴史・地理・世代の視点から~

自動車事故とモータリゼーション ~歴史・地理・世代の視点から~

最近、悲惨な自動車事故の報道が多いですよね…。「なんで免許返納しないのか」「なぜ右折で焦って曲がるのか」など、事故が起きてから、色々な議論が巻き起こります。この記事では、そもそもこの「自動車社会」がどう成り立ってきたのか、どんな状態になっているのか、地歴(地理と歴史)と世代の視点から考えてみます。

1、モータリゼーション「モータリゼーション」という言葉を聞いたことはありますか? とりあえず百科事

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地歴戦闘力を測るスカウター ~信長・秀吉・家康・〇〇〇~

地歴戦闘力を測るスカウター ~信長・秀吉・家康・〇〇〇~

1、私の戦闘力は530,000です「見える化」がトレンドとなって久しい昨今。よくわからないものを「可視化」して、わかるようにする。これすなわち「実用化」の第一歩です。

戦士たちにとっては、敵がどのくらいの強さなのか、自分がどのくらいの強さなのか、気になるところです。古来より、物見の重要性は常に言われていました。「敵勢、約3,000人!」と言われて、真正面から戦ったら、実は約30,000人いた、で

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歴史からの八艘飛び ~堺屋太一先生追悼~

歴史からの八艘飛び ~堺屋太一先生追悼~

1、教授室にて私はドアをノックした。教授は苦手だった。私は地理は好きだが歴史は苦手。なのに単位の関係で、歴史の授業も取らなければいけない。諸般の事情で、この教授の単位は絶対に落とすわけにはいかない。

「入りたまえ」

教授の低い声。自分を『白い巨塔』の大河内教授とでも思っているのかしら。とっつきにくく厳めしい教授は、苦手だった。

「…事情はわかった。実は、他の学生からも、救済措置の申請が来てい

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