田山花袋

憧憬という名の香り

(説明)田山花袋「蒲団」をもとにした作品。第7回book shortsの1月期に掲載。  ↓以下本編↓  これは私が若い頃の話だ。誰にも言うつもりは無い。ここだけの秘密の物語だ。  まだ青年と呼ばれていた頃、私は一枚のハンカチを拾った。 「おや」  白いハンカチはレースで縁取られ、花の刺繍が…

2021年5月 館林チャリ散歩

初めて館林の街を歩いた。駅前のホテルで無料のレンタサイクルを借りられる。ぽんチャリ、と言うらしい。500円の保証料を預けてスタート。駅前には館林の象徴タヌキとともに不思議な碑が立っていた。巨人軍栄光の初V、不屈のG魂誕生の地、分福球場、とある。へえ、知らなかった。ま、興味ないけど。 …

近現代文化の諸問題 第4回 都市空間の変貌~田山花袋『東京の三十年』~

 今回取り上げるのは、夏目漱石よりは4歳年下、島崎藤村の一歳年上の世代にあたる田山花袋という作家です。  花袋といえば、文学史上、『蒲団』や『田舎教師』を書いた自然主義作家として知られています。  花袋は明治4年(1872)、現在の群馬県館林市に生まれました。  父親は警視庁邏卒と…

何者かになりたかった彼

ほんの感想です。 No.28 田山花袋作「田舎教師」明治42年(1909年)発表 「田舎教師」を読んで、「平面描写」という言葉を知りました。広辞苑によれば、「作者の目に触れた事象を主観を加えず客観的に描く文芸上の技巧」とありました。 田山花袋は、「田舎教師」を書くうえで、この「平面描写」を用…

《日付のある文章》蒲団を干すには向いてない日

2021年5月13日、小雨、薄明かり。スーパーで次のものを買う。サラダチキン(プレーン)、豆乳、納豆、チョコレート、おっとっと、ポテトチップス。傘をさしていない人も時折見かけ、また建物の庇の下、濡れない場所でユニセフ募金をやっていた。そのうち雨は止むかもしれないが、蒲団を干すには向いて…

初めて読んだ時の気分は今も鮮明です。

ほんの感想です。 No.14 田山花袋作「蒲団」 明治40年(1907年)発表 十代の頃、田山花袋の「蒲団」を読んだ時の次の気分は、今も鮮明です。 ・三十半ばの主人公が弟子である女学生に向けた視線が、きつかった。 ・三十半ばの主人公が弟子の蒲団の中で「性欲と悲哀と絶望」に涙する姿が、きつかっ…

R&Bオヤジ文学談義 田山花袋「蒲団」

『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急が…

はじめに  前回鼎談(歴史編)に引き続き、ゲストを入れ替えて『鬼滅の刃』に関するオンライン鼎談を実施した。今回は「文学・思想編」と題して、文学・思想研究者の二人をお招きした。前回鼎談のテーゼを踏まえつつも、また別の着眼点から議論を尽くすことで、『鬼滅の刃』をさらに立体的に把握する…

残雪の舞台、千代桝

今のうちに載せられるものをのせておきたいので。 田山花袋の小説「残雪」の舞台、千代桝です。現在でも川魚料理がおいしい料理店で、この時は鯰料理を食べました。 一緒に行きたい人いますか? いないよね。 それじゃあ、ばいなら。

西新井大師

関東の三大師のひとつ ・東京都足立区の西新井大師(總持寺) ・神奈川県川崎市川崎区の川崎大師(平間寺) ・千葉県香取市の観福寺 なかでも『関東の高野山』 といわれるが今回ご紹介する西新井大師です。 高野山とは日本仏教における聖地のひとつ。 関東の高野山と記したのは 小説家・田山花袋(たやま…