終(しまひ)には、筆と紙を見るのが苦しくなる

「それじゃ困りますよ、当てにしているんですから。出来ないと、そこが空いてしまうんだから・・・・・・」
「だって、出来ないんだから」
「じゃあ、もう一日待つから」
こう言ってT君(※編集者)は帰って行く。
また、机に向って見る。
やはり出来ない。
終(しまひ)には、筆と紙を見るのが苦しくなる。
筆と紙と自分の心の中に悪魔が住んでいるように思われる。

       「机」 田山花袋より

なかなか、切迫感を感じる。
かつて夏休みの宿題で、読書感想文があった。
遊び惚けて課題読書をせずに、8月31日を迎えたことを思い出した。
1日待ってもらいたかったけれど、待たれても結果は大差ない、とも思った。

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