舞夢

日々、読書と少しの物書き。 たまに旅行、奈良方面が多くなっています。 某小説投稿サイト…

舞夢

日々、読書と少しの物書き。 たまに旅行、奈良方面が多くなっています。 某小説投稿サイトにも、投稿しています。 ジャンルは様々。

マガジン

  • 時々、気がついたこと

  • 西欧暗黒史

    異端審問、魔女狩りについて研究中です。 残酷な記述が多くなります。 美しき中世ヨーロッパのロマンは、吹き飛びます。

  • 好きな音楽

    好きな音楽をアップします。

  • 古今和歌集

    古今和歌集の私訳です。

  • 般若心経

    反にゃ心境についての私観です。

最近の記事

  • 固定された記事

近江八幡

    • お節介や忠告  三島由紀夫

      お節介は人生の衛星術の一つです。 われわれは時々、人の思惑などかまわず、これを行使する必要がある。 会社の上役は下僚にいろいろと忠告を与え、与えられた方は学校の後輩にいろいろと忠告を与えます。 子供でさえ、よく犬や猫に念入りに忠告しています。 全然むだごとで、何の足しにもならないが、お節介焼きには、一つの長所があって、「人をいやがらせて、自らたのしむ」ことができ、しかも万古不易の正義感に乗っかって、それを安全に行使することができるのです。 人をいつもいやがらせて、自分は少しも

      • ウソと正直

        正直すぎると死ぬことさえある。 終戦後の食糧難時代に、ヤミ食糧を絶対に食べないという主義を押しとおして、とうとう栄養失調で死んだ判事がありましたが、あんまり人の同情を呼ばなかったのは「正直」という考えと「死」とが直結するような例を見せられて、みんな気分が悪くなったからです。 このごろは、あのころに比べると、自称正直者がずいぶんふえたらしい。 「曲がったことは大きらい。生まれてからウソをついたことなし」などという人が又出て来た。 というのは、このごろは食糧も豊富で、正直で死ぬよ

        • 日本はファシズムの国

          日本の国内では、敗戦後日本人が平凡で疲れた頭脳で考え出した「平和ファシズム」「民主主義ファシズム」「自然保護ファシズム」「差別反対ファシズム」が横行し、そうした傾向は、批判する者がマイナリティーと見るや、マジョリティーの暴力を以って圧し潰し、発言さえ封じてしまうという、まるで現象的には戦争中と、さも似た様相を示していた。 日本は羽仁五郎さんが、ああも憂いたように、矢張りファシズムの跳梁し易い国、村八分が横行する国なのだった。 ファシズムは「民主的」「平和的」「戦争反対」「自然

        • 固定された記事

        近江八幡

        マガジン

        • 時々、気がついたこと
          114本
        • 西欧暗黒史
          22本
        • 好きな音楽
          29本
        • 古今和歌集
          4本
        • 般若心経
          24本
        • 石仏
          64本

        記事

          谷崎潤一郎のグダグダとした言い訳

          それから、ここにもう一つ、私が貧乏している重大な原因は、遅筆と云ふことに存するものである。これは原稿の催促に来る記者諸君にはいつも訴えてゐるのだけれども、その程度が如何に甚しいと云ふことを本当に諒解してくれてゐるのは、私と起居を共にする家族の人達だけであって、記者諸君などはいい加減に聞いてゐるらしいのが残念でならない。 実は私も、凝り性とか彫琢の苦心とかを看板にしているやうに思はれるのが嫌であるから、くどくは説明しないのであるが、私の遅筆はそんな殊勝な理由よりも、主として体力

          谷崎潤一郎のグダグダとした言い訳

          手紙 明治三十八年十二月三日(日) 高浜虚子宛

          拝復 十四日にしめ切ると仰せあるが十四日には六づかしいですよ。十七日が日曜だから十七八日にはなりませう。 さう急いでも詩の神が承知しませんからね。とにかく出来ないですよ。 今日から帝文をかきかけたが詩神処ではない天神様も見放したと見えて少しもかけない。 いやになった。 是を此週中にどうあってもかたづける。 夫(それ)からあとの一週間で猫をかたづけるんです。 いざとなればいや応なしにやっつけます。 何の蚊のと申すのは未だ贅沢を云ふ余地があるからです。 中略 新宅開きには呼

          手紙 明治三十八年十二月三日(日) 高浜虚子宛

          終(しまひ)には、筆と紙を見るのが苦しくなる

          「それじゃ困りますよ、当てにしているんですから。出来ないと、そこが空いてしまうんだから・・・・・・」 「だって、出来ないんだから」 「じゃあ、もう一日待つから」 こう言ってT君(※編集者)は帰って行く。 また、机に向って見る。 やはり出来ない。 終(しまひ)には、筆と紙を見るのが苦しくなる。 筆と紙と自分の心の中に悪魔が住んでいるように思われる。        「机」 田山花袋より なかなか、切迫感を感じる。 かつて夏休みの宿題で、読書感想文があった。 遊び惚けて課題読書

          終(しまひ)には、筆と紙を見るのが苦しくなる

          頭の工合よろしからず、 

          書簡 明治四十年 一月十五日以前 福田英子宛 頭の工合よろしからず、今度はどうしても出来ませんでした。 誠に申兼ねますが次号へ御延ばしを願ひます。 一月二十五日 福田英子宛 頭の工合よろしからず毎に違約して何とも申し訳なく候へ共、今後も次号に御廻しを願度候                     二葉亭四迷 ※「〆切本2」より 一月十五日の書簡のほうが、格式ばった書き方。 いろんな事情で、そうしたかったのかもしれない。 それにしても、「頭の工合よろしからず」は

          頭の工合よろしからず、 

          ローマ教皇庁の無意味な謝罪

          20世紀(1913)の公式文書「カトリック百科辞典」の時点においても、ローマ教皇庁は、魔女裁判における拷問は「無い」と、表明していた。 ※「カトリック百科辞典」:現在はパブリックドメインの情報源であり、ネット上に無料で公開されている。 (参考:その中の記述) 「この上なく、不思議に思うのは、夥しい魔女裁判において、あらゆる種類の魔女行為を含めて被告の自白が、自発的に、かつ、明らかに脅迫や恐怖や拷問なしに、引き出された事実である」 「しかも、気の毒な被告たちは、刑場で真相を打ち

          ローマ教皇庁の無意味な謝罪

          拷問について 拷問の方法(種類)その2 ※魔女裁判を含む(残酷につき閲覧注意)

          第二段階 第一段階で、自白が引き出されない場合と、特に共犯者の自供が得られない場合に適用する。 「吊り上げ」 被告の両手を背中で縛り上げ、ロープを拷問室の天井に取り付けた滑車に通し、被告を天井まで吊り上げ、自供するまで長時間そのままにしておく方法。 時には被告の足に重りをつけ、加重する場合がある。 例)ドイツ、デューレン  裁判官は、「隣家の庭に雹を降らせた魔女嫌疑」で、女を足吊りの拷問にかけたが、なかなか自白しないので、飽きてしまい、途中で冷たい飲み物を飲むために、外出し

          拷問について 拷問の方法(種類)その2 ※魔女裁判を含む(残酷につき閲覧注意)

          拷問について 拷問の方法(種類)その1 ※魔女裁判を含む(残酷 閲覧注意)

          エメリコの当時までは、原則的には、5種類の拷問(5段階の苦痛)に区分されていたが、しだいに、新しい拷問の手口が考案されるようになった。 尚、当時5種類の拷問は、 1)杖で繰り返し何度も打ち、被疑者に苦痛を与えた。(鞭の場合もあった) 2)綱で縛り、被疑者の身体の自由を長時間に渡り、奪った。 3)木馬:背を鋭く尖らせた三角形の木材に跨らせる拷問。 被疑者を全裸もしくは下半身を裸にして、木馬に跨らせる。 被疑者の体重がすべて股間の、背を鋭く尖らせた三角形の木材と接して、凄まじい苦

          拷問について 拷問の方法(種類)その1 ※魔女裁判を含む(残酷 閲覧注意)

          魔女裁判 (残酷につき閲覧注意)

          魔女裁判官たちは、ローマ・カトリック教会お抱えの悪魔学者や歴代の魔女裁判官自身が創作した「架空の新しい魔女」を「真実の魔女」と思い込んでいた。 また、裁判官自身が行った、過酷冷酷な拷問と、恣意的な誘導尋問による自供の一致を、「真実の自然な自供」と、教会の慣行を守り、認めた。 例) 1669年、ルーアン(仏)で、魔女事件が発生した。 9人の密告者から525人の容疑者が起訴された。 (密告者の一人が154人を起訴している場合もある) 翌年、ノルマンディー高等法院は、まず12人の

          魔女裁判 (残酷につき閲覧注意)

          魔女裁判 

          魔女裁判官にとって被告を拷問して、多数の共犯者名を言わせることは、実に効率が高い仕事であった。 一人の魔女から150人余の共犯者リストが出来る場合もあり、100人以上の共犯者名をあげる魔女が何人もいた。 ある地方の法廷に保存されている37年間の記録では、約300人の魔女が約6000人の魔女を告発している。(一人当たり平均20人になる) 魔女裁判は、雪だるま式に共犯者を増やすシステムとも言える。 また、裁判官は、でっちあげ(捏造された)共犯者を、真実の共犯者であると、何のため

          魔女裁判 

          拷問について 拷問の手順

          エメリコの「異端審問官の指針によると、 ① 拷問適用基準は、 「尋問に対する返答が絶えず変動する者」 「異端の風評があり、証人が不足する場合」  他7要件であり、決定的な自白が欠ける場合になる。 ※異端審問の場合は、被告の魂の(ローマ・カトリックに対する犯罪への)断罪であり、単なる世俗(現世)における犯罪の処理やと正義の回復ではない。 ※あくまでも、被告(異端)を、悔悛と誓絶を効率的に導くために、拷問を積極的に使用したのである。 ※異端審問官は、「霊魂の裁判官であり、霊魂の

          拷問について 拷問の手順

          魔女裁判の実態

          魔女裁判は、ローマ・カトリック教会による異端審問の一部であるため、その裁判方法は、エメリコやトルケマダにより確立された手法を遵守している。 しかし、異端審問においては、神学的な異端思想が逮捕理由であるのに対して、魔女裁判においては「魔女であること」そのものが「即火刑決定」であることから、裁判全体に大きな違いが生じた。 逮捕においては、教会法により、三種類ある。 ①告発(極めて稀だった) 告発者が異端の罪を立証することを申し出た場合。 ただし、告発者による誹謗中傷目的の場合も

          魔女裁判の実態

          「魔女」裁判 北ヨーロッパ

          魔女裁判は、異端審問の延長である。 ただし、ヨーロッパ北部においては、世俗領主が社会秩序を維持する体制であるため、ヨーロッパ南部より、ローマ教皇庁が主導する異端審問は普及が遅れた。 そのヨーロッパ北部において、魔女裁判が流行った原因としては、裁判管轄権を持つ領主の個人的意思の場合もあり、魔女狩り好きの刑吏の存在の場合もある。 また、占術者、呪術者を「魔女」として糾弾しようとする農民社会の意向も強かった。 実際、「魔女を征伐して欲しい」旨の、夥しい請願書も残っている。 その

          「魔女」裁判 北ヨーロッパ