夢酔藤山

ようこそ! 歴史時代小説を執筆しています。2024年は連載3本と単行本2本のお仕事です…

夢酔藤山

ようこそ! 歴史時代小説を執筆しています。2024年は連載3本と単行本2本のお仕事です(7月現在)。 講演・執筆のご依頼がございましたら、どうぞよろしくお願いします。 四方山のことは、こちらにも…… 散文小径 http://musuitouzan.blog.fc2.com/

マガジン

  • noteで読める 夢酔藤山「異形者たちの天下」

    豊臣秀吉は山窩の子。埒外の力で信長に憧れ、その死後は天下を代わりに統一し、その先の夢を理解できずに老いらくにより果てた。その秘密を知る者は世に限られている。服部半蔵は「信康事件」のときに知ったが、徳川家康の荼枳尼天事件を救われた恩義から口を噤んでいる。 いま、徳川の世が成った。服部半蔵は表向き死んだこととして、江戸城半蔵門の守護者として闇に佇んでいる。その闇の奥から異変を知れば未然に消していく、これは家康だけの知ることであり、倅だけが唯一その生を知って語らない。 刻は流れた。 徳川の世にあって歪なる存在、大久保長安。武田旧臣として長崎で学び金山銀山の採掘量を操る存在。この者は家康にとって代わり天下を簒奪する野望を秘めていた。長安は巧みに家康の心に付け入り、あろうことか封印していた荼枳尼天信仰の記憶を引き出していく。 異形な闇の奥の天下平定。 服部半蔵、生きた死人として闇を奔る!

  • noteで読める 夢酔藤山「龍馬くじら飯」

    坂本龍馬の生涯。 そのところどころで、クジラ飯を食っていた。 土佐のモンはクジラ好きじゃき。おお、長州も薩摩も、京の都にもクジラ飯がめちゃんこあるがか。こりゃあ、たまらん。 幕末維新とクジラ飯。 腹を空かせて、さあ、行こうかい!

  • noteで読める 夢酔藤山「箕輪の剣」

    上州の剣聖・上泉秀綱は、主君・長野業政の命令で里見義堯のいる久留里をめざす。業政の妹が義堯に嫁いで男子を生んだが病死・残された子が、里見に馴染まず箕輪へ戻すことになった。その迎えの役ではあるが、せっかくなので剣の技を磨いて来いという許しは、秀綱にとっても魅力であった。なによりも久留里の槍大膳こと正木時茂とは、一度は手合わせをしたかった。かくして上泉秀綱の旅が始まる。 作品は放置すると可哀想ですので、適宜マガジンを刷新させていただきますデス。

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先に、ここね   ⇩ 自己紹介2000年「奇本太閤記」で第73回コスモス文学新人賞長編小説部門新人賞を受賞。以後、文筆へ。現在、「満洲-ここはお国を-(南信州新聞)」「真潮の河(房州日日新聞)」「千人同心がゆく 北のまほろば(西多摩新聞※令和薫名義)」を連載中。 故遠山あき氏に縁深い文芸同人槇の会に所属。全国里見一族交流会理事、小山田信茂公顕彰会賛助会員をはじめ歴史研究会東京支部会員(H30年歴史大賞功労賞受賞)などに属す。 現在できること・やってみたいこと 2023年

    • パリ五輪辞退の宮田笙子

      こういうことは、反応が刺々しくて、下手をすれば炎上してしまうもの。 だから、話題として触れないことがいちばん賢いやり方だろう。人のことだから大きなお世話ともいえる。 でも、日本人として、選手も協会も国民も、スポーツの祭典などと浮かれているだけで、その本質を疎かにしていることはないか。 五輪は、血の流れない戦争に等しい戦いの場であることを。 公正なルールと同じ土俵で戦う、勝敗の後は和解と次の切磋琢磨を宿命とする戦場であるということを。 行動規範 「9、日本代表チームとしての活

      • 魔斬

        最終話 安政奇譚⑨    駕籠は、江戸府内へと向かった。  その道中、浅右衛門は無口である。じっと、己の手で仕置された罪人たちの事を、考え込んでいた。こんな気休めをしたところで、罪人たちが成仏出来ない事くらい、十分承知している。現にその後は、浮かばれずに彷徨い出た罪人の霊を魔斬して、やっと彼岸へと送っているのだ。  それでも刑場廻りをするのは、首斬り稼業で喰っている浅右衛門の業である。それが生業の浅右衛門の、年にたった一度だけの〈良心の呵責〉であった。日本橋を過ぎると、年越し

        • いよいよ明後日、大鹿村へ推参します。 宿は、飯田市。翌日は浪合行ってみたいから。 南朝の収穫が多いことだけを期待します。道中、夢酔と分かった方、ご遠慮なくお声かけ下さい。聞ける話は財産になります。

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        • パリ五輪辞退の宮田笙子

        • いよいよ明後日、大鹿村へ推参します。 宿は、飯田市。翌日は浪合行ってみたいから。 南朝の収穫が多いことだけを期待します。道中、夢酔と分かった方、ご遠慮なくお声かけ下さい。聞ける話は財産になります。

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        • noteで読める 夢酔藤山「異形者たちの天下」
          47本
        • noteで読める 夢酔藤山「龍馬くじら飯」
          7本
        • noteで読める 夢酔藤山「箕輪の剣」
          15本

        記事

          魔斬

          第8話 安政奇譚⑧    安政五年もそろそろ暮れる。  南北奉行所の御用納めは師走の三十日であるが、罪人の仕置の仕事は二十日までとされていた。  ただ、世が世である。  盗人や人殺し等は御牢に留め置かれたが、攘夷思想の者たちは、寸刻置かずに処刑されていった。これらの仕置は、正式な手続きを踏まず、山田浅右衛門の手を患わせるものではなかった。  よって、山田浅右衛門のこの年の御用納めは、例年通り、南北奉行所務めの者たちに先んじたものになった。これより三十日までの数日間、山田浅右衛

          チャリティのすばらしさ

          名曲がある。 「We are the world」は、1985年にアメリカで発売された歌で、著名なアーティストが集結した。 参加アーティスト(五十音順) アル・ジャロウ  ウィリー・ネルソン  ウェイロン・ジェニングス キム・カーンズ  クインシー・ジョーンズ(プロデューサー及び指揮) ケニー・ロギンス  ケニー・ロジャース  ジェフリー・オズボーン ジェームス・イングラム  ジャッキー・ジャクソン シンディ・ローパー  シーラ・E  スティーヴィー・ワンダー スティーヴ・

          チャリティのすばらしさ

          魔斬

          第7話 安政奇譚⑦    その日、山田浅右衛門は一日の仕置を済ませると、奉行所を出で、その足で山谷堀へと赴いた。理由はどうあれ浅草弾左衛門預かりの手の者を死なせた。これは不始末であり、手落ちだった。その不手際を詫びて、それに見合う罰に服す。魔斬の仕事に携わる者の、それが仁義であった。  しかし、山谷堀長吏街は門を閉ざして何物の侵入さえ阻んでいた。 「おい、山田浅右衛門じゃ。弾左衛門のお頭に逢いたい。門を開けてくれ」  門に向かって叫んだ。  ややあって、門の向こう側から返事が

          雨の降る夜は…

          柳ジョージが染みる気がする どうだい。

          雨の降る夜は…

          魔斬

          第6話 安政奇譚⑥    浅右衛門は悲鳴のした方向へと、駆け出した。大太刀を抜き払い、鞘を腰帯にぶち込んで豕塚のある場所へと急いだ。  闇のなかの境内には、独自の霊気が漂っていた。ここはただの寺ではない、無縁の者が葬られている。その霊気は、妖気にも等しい。 「助六、どこだ、助六」  浅右衛門の呼び掛けに反応があった。そちらへ走ると、やがて小高い塔の陰影が月明かりに浮かび上がった。それが豕塚だった。季節は晩秋だから夜は冷え込む。しかしこの辺りは湿気があり、やたらと蒸す。 息苦し

          第4回 槇新人賞

          門はまだ開いている! 同人とは云っても、クオリティは高いと思う。夢酔、ときどき冷や汗かいてしまうくらいです。 房総から文豪の誕生する瞬間を、観たい。 ワシは遠隔地会員ですが、すべては根気とやる気でなんとかなります。 まだ10日以上もある!皆様のエントリーを、心から待つ。 授賞式にはせめて駆け付けられるよう、予定を調整します……!カモーン。

          第4回 槇新人賞

          魔斬

          第5話 安政奇譚⑤    この季節、暮れ六つになると、すっかり辺りも暗くなる。温め酒でもひっかけなけりゃあ、こんな仕事はやってられないと、山田浅右衛門は屋台で一心地就いていた。となりに座る助六は顔面蒼白だ。 「だめだ……全然酔えねえ」  何度も、独り言を呟いていた。  よく味の染みた大根を頬張りながら、浅右衛門は美味そうに酒を干していった。三杯も呑めば少しは気分も落着いてくる。 「さてと、助六」  浅右衛門は勘定を済ませて立ち上がった。 「だ……旦那、あっしはここで旦那の帰り

          本年は池田屋事件より160年

          本年は池田屋事件より160年

          魔斬

          第4話 安政奇譚④   「やあ、旦那。久しいね」 「てやんでえ、呼んでおきながら、久しいも何もねえや」  一見人の良さそうな男を一瞥して、山田浅右衛門は諦観の笑みを浮かべた。  彼こそ表の顔は〈関東長吏頭〉、裏では〈闇公方〉と称され江戸裏社会の誰もが震え上がる大物・浅草弾左衛門である。七四〇坪の巨大な屋敷の玄関に下駄を脱いだ浅右衛門を、弾左衛門は慇懃に離れの間へと案内した。 「のう、お頭」 「なんだい」  歩きながら浅右衛門は、今度の魔斬はどんなものかと訊ねた。 「報酬が心配

          しかのこのこのここしたんた……ん! 舌を嚙んだ!!

          しかのこのこのここしたんた……ん! 舌を嚙んだ!!

          魔斬

          第3話 安政奇譚③    この日、一〇月七日。尊皇攘夷者でしられる橋本左内を試し切りの刀で仕置する。 「時代は変わるんだよ。それを見られないことだけが、残念だ」  橋本左内は微笑んだ。 「御免」  御試の刀が、一閃した。  小塚原ではよくある光景だった。浅右衛門は斬り口を検分し、脇の番所で緻密な報告書を認めると、その場で腰物奉行へ提出した。  泰平の世が続くと、冷静に骸を静観できる武士も少なくなる。それだけに、この報告書は、誰もが納得する内容であった。 「相変わらず、見事なも

          45年前は8月に夏休み映画が封切され、日本中のガキどもが胸を熱くした。無論、ワシも号泣した。

          45年前は8月に夏休み映画が封切され、日本中のガキどもが胸を熱くした。無論、ワシも号泣した。