夢酔藤山

ようこそ! 歴史時代小説を執筆しています。2024年は連載3本と単行本2本のお仕事です…

夢酔藤山

ようこそ! 歴史時代小説を執筆しています。2024年は連載3本と単行本2本のお仕事です(9月現在)。 講演・執筆のご依頼がございましたら、どうぞよろしくお願いします。 四方山のことは、こちらにも…… 散文小径 http://musuitouzan.blog.fc2.com/

マガジン

  • noteで読める 夢酔藤山「異形者たちの天下」

    豊臣秀吉は山窩の子。埒外の力で信長に憧れ、その死後は天下を代わりに統一し、その先の夢を理解できずに老いらくにより果てた。その秘密を知る者は世に限られている。服部半蔵は「信康事件」のときに知ったが、徳川家康の荼枳尼天事件を救われた恩義から口を噤んでいる。 いま、徳川の世が成った。服部半蔵は表向き死んだこととして、江戸城半蔵門の守護者として闇に佇んでいる。その闇の奥から異変を知れば未然に消していく、これは家康だけの知ることであり、倅だけが唯一その生を知って語らない。 刻は流れた。 徳川の世にあって歪なる存在、大久保長安。武田旧臣として長崎で学び金山銀山の採掘量を操る存在。この者は家康にとって代わり天下を簒奪する野望を秘めていた。長安は巧みに家康の心に付け入り、あろうことか封印していた荼枳尼天信仰の記憶を引き出していく。 異形な闇の奥の天下平定。 服部半蔵、生きた死人として闇を奔る!

  • noteで読める 夢酔藤山「龍馬くじら飯」

    坂本龍馬の生涯。 そのところどころで、クジラ飯を食っていた。 土佐のモンはクジラ好きじゃき。おお、長州も薩摩も、京の都にもクジラ飯がめちゃんこあるがか。こりゃあ、たまらん。 幕末維新とクジラ飯。 腹を空かせて、さあ、行こうかい!

  • noteで読める 夢酔藤山「箕輪の剣」

    上州の剣聖・上泉秀綱は、主君・長野業政の命令で里見義堯のいる久留里をめざす。業政の妹が義堯に嫁いで男子を生んだが病死・残された子が、里見に馴染まず箕輪へ戻すことになった。その迎えの役ではあるが、せっかくなので剣の技を磨いて来いという許しは、秀綱にとっても魅力であった。なによりも久留里の槍大膳こと正木時茂とは、一度は手合わせをしたかった。かくして上泉秀綱の旅が始まる。 作品は放置すると可哀想ですので、適宜マガジンを刷新させていただきますデス。

記事一覧

ありやなしやの実在の是非

よく、歴史上に上げられる人物が 「ホントは実在していないのではないか」 という物議をよぶものがある。 役職や立場は別としても、市河文書が出るまでは「山本勘助」も疑…

夢酔藤山
5時間前
5

続 里見のことについて

里見氏研究会よりメールがあり、このたび、周知します。 君津市の久留里城址資料館で開催される「里見義堯展」。今回特筆されるのは、今まで400年来門外不出とされてき…

夢酔藤山
1日前
7

神無月は「里見月」と呼びたい2024年

2024年10月。 世は神様が出雲へ出張する「神無月」になる。リモート会議は神様もやりたくないのだろう。神がいないと寂しいのですが、神に代わって世を元気にしてくれるの…

夢酔藤山
2日前
8

水戸の殿様、正体みたり

房州日日新聞連載作品「真潮の河」。第13話の副題にある水戸の殿様、誰だろうという一石を投じましたが、本日、答えが出ましただ。 多くの皆様の、予想通りでしたね。 本…

夢酔藤山
3日前
6

一流の悲劇と、三流の喜劇

「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」という作品がある。 ビデオカセット時代に制作された、OVA。TV用ではない全6話の短い作品だか、実は話をコンパクトにしつつも…

夢酔藤山
4日前
5

神無月の事

陰暦で10月を、「神無月」と呼びます。「神無」を「神が不在」と読み解く方々は多い。 まあ、実際、全国の神神が出雲大社に集まって、諸国が「神無しになる月」のだからと…

夢酔藤山
5日前
11

太平記の里

上州はそろそろ秋風が肌をなぜる頃と拝察します。 「逃げ上手の若君」でふたたび脚光をむけられる南北朝。新田義貞もクローズアップされることと存じます。 南北朝とは、…

夢酔藤山
6日前
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真潮の河、あのひとが勝山に…史実です

お題の殿様って、まさか!

夢酔藤山
7日前
7

ラジオドラマの楽しさ

昭和の頃ってさ、オールナイトニッポンで映画公開前にスペシャルプログラムでラジオドラマやってたよね。なぜか声だけだから、なんだけど……明らかにネタバレもしてた気が…

夢酔藤山
8日前
5

続 会津のまこと

日向ユキに触れた。 夢酔のお蔵作品「ユキ往きて」には、もう数人、個性的な女性が対照的に輝いている。 ユキの近所で、幼少から姉のように接したのが山本八重、のちの新島…

夢酔藤山
9日前
10

会津のまこと

長編に過ぎて長くお蔵にある夢酔作品がある。 主人公は、日向ユキ。 会津藩士・日向左衛門の次女で、大河ドラマ「八重の桜」で剛力彩芽さんが演じた。大河好きな人も、せい…

夢酔藤山
9日前
9

雅号「師宣」、誕生!

#真潮の河

夢酔藤山
10日前
3

満洲 南信州新聞連載作品

先にも触れましたが、現在は満映をテーマとしたオムニバス作品を描いている。そして、大きく存在感を発揮する人物。 甘粕正彦。 大正12年9月1日に起きた関東大震災の混乱…

夢酔藤山
10日前
6

【多論頂戴】笹子峠に縛られ過ぎていない?

小山田信茂公顕彰会の講演ご案内が届いた。 松本憲和先生が講師をされる。 10月はなかなかに動きが取れず、このタイミングは困難だ。 さて。 松本先生の事前史料から、テ…

夢酔藤山
11日前
6

朝ドラヒロインは必要

いまの朝ドラって 「オーディションで勝ち残った」 といいながら事務所ごり押し女優が主役の座を射止めてしまっている。無名の原石は打ち捨てられているのだ。 これは、ダ…

夢酔藤山
12日前
12

大河ドラマの冒険

いまくらいの時代になれば、大河ドラマで 「歴史ドラマやめます」 と宣言して、昭和戦前戦中をいきなり描いても、ひょっとしたら感覚の違いから受け容れる人がいるのではな…

夢酔藤山
12日前
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ありやなしやの実在の是非

ありやなしやの実在の是非

よく、歴史上に上げられる人物が
「ホントは実在していないのではないか」
という物議をよぶものがある。
役職や立場は別としても、市河文書が出るまでは「山本勘助」も疑われていました。実在のことが確認されればいいのですが、疑われる場合、信奉されるご当地補正が追加されるので非常に難しさが増す。

夢酔が現在、頭を抱えて、とりあえず登場させていない人物。

宗良親王の皇子で、井伊の駿河姫の子という逸話になっ

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続 里見のことについて

続 里見のことについて

里見氏研究会よりメールがあり、このたび、周知します。

君津市の久留里城址資料館で開催される「里見義堯展」。今回特筆されるのは、今まで400年来門外不出とされてきた安房妙本寺(千葉県安房郡鋸南町所在)の戦国期に関する文書がはじめて一般公開展示されること。

里見月であるに相応しい展示です。

多くの方にこの機会を利用して貴重な史料を実際に見ていただき、里見氏のことや房総の戦国史の理解を深めてもらい

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神無月は「里見月」と呼びたい2024年

神無月は「里見月」と呼びたい2024年

2024年10月。
世は神様が出雲へ出張する「神無月」になる。リモート会議は神様もやりたくないのだろう。神がいないと寂しいのですが、神に代わって世を元気にしてくれるのが、今年の里見氏でござる。

先取りの9月29日に・・・

そうです。里見家は新田源氏だから、群馬が最初に気炎を吐いた。

その少し前に、里見氏終焉の倉吉で・・・

今年は凄いものを作った。そのあとでご当地から総理大臣まで作ったのだか

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水戸の殿様、正体みたり

水戸の殿様、正体みたり

房州日日新聞連載作品「真潮の河」。第13話の副題にある水戸の殿様、誰だろうという一石を投じましたが、本日、答えが出ましただ。

多くの皆様の、予想通りでしたね。

本当に、勝山へやってきたことが記録にある。
でも。
なんのために?

続きは連載を、オタノシミニ。

一流の悲劇と、三流の喜劇

一流の悲劇と、三流の喜劇

「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」という作品がある。
ビデオカセット時代に制作された、OVA。TV用ではない全6話の短い作品だか、実は話をコンパクトにしつつも個々の登場人物の事情もにじませる秀作である。出渕裕作品はいつも出来がよすぎるのだが、この作品も唯一と云っていい
「泣けるガンダム」
という売り込み。
主人公の少年はあくまでも民間人で、その目を通して
「かっこいい兵器」
「かっこい

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神無月の事

神無月の事

陰暦で10月を、「神無月」と呼びます。「神無」を「神が不在」と読み解く方々は多い。
まあ、実際、全国の神神が出雲大社に集まって、諸国が「神無しになる月」のだからという定着がある。俗説ともいう。

でも、「無」を「の」と読ませる場合もあり、「神の月」とい捉え方もある。

神様がいなくなるのも、困りますね。
21世紀になったことですし、出雲へは「リモート」で会議して欲しいと思います。

太平記の里

太平記の里

上州はそろそろ秋風が肌をなぜる頃と拝察します。
「逃げ上手の若君」でふたたび脚光をむけられる南北朝。新田義貞もクローズアップされることと存じます。

南北朝とは、そもそもどうして、こうなってしまったのか。
「北条が悪いから帝が起った」
ちっくな、勝った人の云い分だけ鵜呑みにず、冷静に考えることも必要。
ひとつの箱が壊されて、あたらしい器を作る。政ならばなおのこと、大きな歴史のうねりがそうさせたので

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ラジオドラマの楽しさ

ラジオドラマの楽しさ

昭和の頃ってさ、オールナイトニッポンで映画公開前にスペシャルプログラムでラジオドラマやってたよね。なぜか声だけだから、なんだけど……明らかにネタバレもしてた気がする。

こういうの、聞いた。
なつかしいなぁ。

あとね、文化放送とかも普通に放送枠でラジオドラマやってた。

ゲゲゲの鬼太郎なんてさ、耳から入るだけの情報の方が恐かった気がする。
750ライダーとかもあったと思う。
読まない、観ない。耳

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続 会津のまこと

続 会津のまこと

日向ユキに触れた。
夢酔のお蔵作品「ユキ往きて」には、もう数人、個性的な女性が対照的に輝いている。
ユキの近所で、幼少から姉のように接したのが山本八重、のちの新島八重だ。こちらは作品のラストに再登場する。同じく近所の高木時尾、こちらも再登場する。血縁を超えた近所付き合いの絆は、現代社会では説明に難い世界だろう。
中野竹子も登場する。文武に長けた才女ではあるが、ゆえの苦悩もある。作中では悲惨な最期よ

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会津のまこと

会津のまこと

長編に過ぎて長くお蔵にある夢酔作品がある。
主人公は、日向ユキ。
会津藩士・日向左衛門の次女で、大河ドラマ「八重の桜」で剛力彩芽さんが演じた。大河好きな人も、せいぜいそれくらいの知識だけで、まあ、ドラマ内で、お城に入ることが出来ず薩長の目を掻い潜り戦さが終わるまで逃亡したという印象、だろうか。
しかし。
会津の人の潔さと公徳と誇りを描くのは、本当は新島八重よりも、この日向ユキであるように思えていた

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満洲 南信州新聞連載作品

満洲 南信州新聞連載作品

先にも触れましたが、現在は満映をテーマとしたオムニバス作品を描いている。そして、大きく存在感を発揮する人物。

甘粕正彦。

大正12年9月1日に起きた関東大震災の混乱時に、アナキストの大杉栄・伊藤野枝とその甥・橘宗一(6歳)の3名を憲兵隊本部に連行し、最終的に殺害、同本部裏の古井戸に遺体を遺棄した。
甘粕事件である。
事件では憲兵隊や陸軍の法的責任は全く問われることなく、部下らも甘粕の命令に従っ

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【多論頂戴】笹子峠に縛られ過ぎていない?

【多論頂戴】笹子峠に縛られ過ぎていない?

小山田信茂公顕彰会の講演ご案内が届いた。
松本憲和先生が講師をされる。
10月はなかなかに動きが取れず、このタイミングは困難だ。

さて。
松本先生の事前史料から、テーマが武田家滅亡と小山田家について、世にある史料や学者の見識を照らし、適合と不一致や矛盾を焙り出すものらしい。面白そうだが……たぶん、厳しい。

で。

笹子峠について触れられている。
このことについては、結果や二次三次の書き物のため

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朝ドラヒロインは必要

朝ドラヒロインは必要

いまの朝ドラって
「オーディションで勝ち残った」
といいながら事務所ごり押し女優が主役の座を射止めてしまっている。無名の原石は打ち捨てられているのだ。
これは、ダイヤの原石を発掘することをNHKが放棄し、「J」とは違う事務所との、似たような蜜月関係さえ訝しがられる邪推すら覚えるのだ。
「日本の朝の顔」
になる意味は、大きい。どんな手を使ってでも欲する連中は、きっと多い。当然だ。
でも、やりすぎだと

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大河ドラマの冒険

大河ドラマの冒険

いまくらいの時代になれば、大河ドラマで
「歴史ドラマやめます」
と宣言して、昭和戦前戦中をいきなり描いても、ひょっとしたら感覚の違いから受け容れる人がいるのではないでしょうか。

『山河燃ゆ』。
1984年(昭和59年)1月8日から12月23日まで放送されたNHK大河ドラマ第22作。
副題は「祖国は緑なる山河あたたかくもやさしき母なる大地」。原作は山崎豊子作の『二つの祖国』。大河ドラマとして初めて

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