EUREKA articles

「障がいの壁は消えた」 創作系就労支援DIGITAL ART CENTER(DAC)の…

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「障がいの壁は消えた」 創作系就労支援DIGITAL ART CENTER(DAC)のメンバー公式ブログ。 文章に限らず、制作進捗などをメンバーが自由に投稿していきます。 ※投稿NG:人種他区分への批判、公序良俗に反するもの。

マガジン

  • 長編小説『エンドウォーカー・ワン』

    遠い未来。ここではない星の物語。 世界は違えど、人は慈しみ合いながらも争うことは避けられない。 戦争をテーマにしたヒューマンドラマ。 週1~2回連載予定です。

  • 私小説『地球学徒の日記』

    ✙この作品は、夢小説『スタウロライト 十字石の追憶』の外伝です。登場人物は本篇と同じですが、こちらは現実世界の日本国内(令和時代)を舞台とし、実在の事象を題材にしております。本篇と併せて、お楽しみ頂ければ幸いです。

  • 亡霊が見る夢

    小説『亡霊が見る夢』  赤レンガ倉庫の通りをトーマスは歩いていた。  今から普段通り仕事場に通うのだ。  トーマスはどこからどう見ても没落した貴族だった。  少々いいコートを着てはいるものの、古ぼけており、青年の顔をしているがセンスは既に老人、貴族は古いものこそ品が宿ると信じて疑わない。  一方、世間では新技術の誕生によってお祭り騒ぎだったが、トーマスはラム酒による二日酔いなのか、それとも気晴らしをする手段がどこにもないからなのか、あるいは両方なのか、気だるげな表情で王立相談所に向かっていた。  王立相談所は市民の困りごとを尋ねて回る組織で、言ってしまえば国営の便利屋、悪く言えば国営の雑用係だ。  老人のような服装をしているが、こう見えてトーマスは公務員なのである。 ・制作 秋照様 ・投稿 笹木スカーレット柊あきら ・発刊 DACデジタルアートセンター(DAC)横浜

  • おひるね主婦の『キ・ド・アイ・ラク』

    フツーの主婦より体力の足りない私にお昼寝は欠かせません。そんな微睡みの時間に浮かんだ種をもとに詩や動画を作ってます♪

  • 神宮前で逢いましょう キャラクター雑感手帖

    『神宮前で逢いましょう ~キャラクター雑感手帖~』  若者文化の聖地である渋谷・原宿を中心に、現代のサブカルチャーを考察する随想録です。 ・執筆 むぎすけ様 ・発刊 デジタルアートセンター(DAC)横浜 ・©DIGITAL butter/EUREKA project

最近の記事

小説「龍翔伝」

「朝から飲むレモンミルクは最高だぜ!!」 俺はバイクで山の丘まで走り好物の甘くて酸っぱいジュースで一息ついていた。 朝早く起きて家からお気に入りの場所で飲むレモンミルクは格別だ……うん? 近くでバイクの音がするな? 俺以外でここに来るとしたら……なるほどこのエンジン音は蓮だな。 「おーい!! 鬼龍の兄貴」 急ぎ慌てた声が響く。まったく……俺に用事か、ジュースを飲んでゆっくりしたいのに。 「いや、ゆっくりしている場合じゃない!!」 うん? なんだろう? 蓮はバイクを

    • 『エンドウォーカー・ワン』第29話

      「あー、訓練クソだりぃ……」 「文句言わないの。お給料貰いながら色々勉強させてくれるんだから」  アルター7標準時12時。  対照的な若い男女が廊下を歩いていた。  男性は充血した眠たげな瞳で「にしてもハラ減ったな」と薄い腹を擦る。 「そんなことよりその目は何よ。昨日、何時まで起きてたの?」 「あー、3時くらいだな。いやぁ、オンラインセッションが止まらなくてなぁ」 「仕事に支障きたしてなぁにが『止まらなくてなぁ』よ!」  ブロンドのショートヘアがふわりと揺れたかと思うと

      • 春にさらわれそうな男の話

        桜並木を歩いていた。 地元は桜が有名な場所だ。春には桜にちなんだ祭りが開催されるくらい。 僕はこの春地元に帰ってきたばかりだ。ついこの前まで大学生で、遠くの大学に通っていたため一人暮らしをしていたが、地元の企業に内定をもらい、実家から通える距離だったので帰ってきたのだ。 そんな僕が、4年ぶりの地元は自分の目にどう映るのだろうと実家の近くを歩いていて、ふと桜並木を見た瞬間、桜が満開の頃の記憶が呼び出された。気が付けば、桜並木に吸い寄せられるように近くを歩いていた。 今歩いている

        • 『エンドウォーカー・ワン』第28話

           青年は静けさで目が覚めた。  彼はどのくらい眠っていたのだろうか。  硝子窓から零れ落ちる陽はすでに高く、そう早い時間ではないことを告げている。 「イリア?」  彼は傍らに居たはずの存在を探すが、見通しの良い室内に気配は見当たらない。  焦点の合わない青い目を擦りながらこんなにも心穏やかに朝を迎えたことは久々だ、と心の中で何度も反芻する。  まるで憑き物が落ちたかのような身軽さに自然と心が躍り出すが、いい歳をして浮かれるなどもってのほかだと自身に喝を入れて深呼吸をした。

        小説「龍翔伝」

        マガジン

        • 長編小説『エンドウォーカー・ワン』
          31本
        • 私小説『地球学徒の日記』
          22本
        • 亡霊が見る夢
          6本
        • おひるね主婦の『キ・ド・アイ・ラク』
          9本
        • 神宮前で逢いましょう キャラクター雑感手帖
          18本
        • あいいろのうさぎ  短編集
          25本

        記事

          『エンドウォーカー・ワン』第27話

           ノインの意識はどれだけ飛んでいたのだろうか。  彼の目の前にはたわわに実った小麦の穂の切れ間に赤い空が広がっていた。 「ここは……?」 「ベルハルト」  女性の声がしたほうを見やると、そこにはイリアが神妙そうな顔つきでノインに手を伸ばしていた。  陽の光で銀の線が浮き、肌白が色濃く映り先ほどまでとは違う側面を感じられ青年の心を何かが打ち付ける。 「このくらい自分で起きられる」  しかし、ノインは差し伸べられた手を息を吐いて跳ね除ける。  イリアは素の表情のままで少し

          『エンドウォーカー・ワン』第27話

          『エンドウォーカー・ワン』第26話

          「んふー。ベェ~ルぅ?」  銀髪の女性が甘ったるい猫撫で声を発し、熱っぽい視線を送る。  相手は同い年くらいのいたって健康的な男性で、若い女性特有の香りとピタリと密着する身体の感触に狼狽えていた。  今まで鋼鉄の身体を操ることだけに特化し、その他の機能は「調節」されていて並みの人間ほど敏感ではない。  女遊びも露ほども興味がなく、自身もそれに対して引け目などを感じることすらなかった。  だというのに。 ――どうして、こうも心がざわめくのだろうか。  ノインは絡みついてく

          『エンドウォーカー・ワン』第26話

          ゴールデンウィークの話

           ましんがんです。  4月も後半だいぶ暖かくなってきましたね。  今回はゴールデンウィークにある現場をいくつか紹介したいと思います。  興味がわいちゃったら足を運んでみてはいかがでしょうか ・フラワーフェスティバル  フラワーフェスティバルにはいくつものステージがあります。  その中にもアイドルが出演するステージがあります。  それこそコロナ禍前には結構いろんなアイドルが来てて自分もよく見に行ったものです。 「アイドルギフト」 ・5月2日(木)開場17:30 開演18:

          ゴールデンウィークの話

          ふたりでいっしょに

          小説 「ふたりでいっしょに」作者:img_00  安価な人工知能向けのチップが開発・販売されて急速に普及して十数年が経った。市街地には無線給電システムと高速な通信回線が張り巡らされ、基本的に人間のインターフェースと人工知能のチップはこれを利用している。当時は色々と人間との摩擦も生じていたか、今では許容する意見が多く、過激な思想を持ったグループがトラブルを起こすこともほとんどない。最近では、おもちゃから高度な家電まで搭載されている機器の方が多い。一部のおもちゃには対象年齢が明

          ふたりでいっしょに

          【レトロゲーム回顧録】ウィザードリィ外伝2 古代皇帝の呪い 後編

          地下4階のサンドクラッドとの戦闘とハギルスとの戦闘  2冊の攻略本を交互に読みながらゲームを少しずつ進めていった。  地下4階の中ボスであるサンドクラッドとの戦いは転生したパーティー達で挑んだが、敵は強く苦戦が続きティルトウェイトやマバリコの全体攻撃魔法の複合攻撃でも中々倒れず、もし敵が先制攻撃した場合、彼らの攻撃力は高くHPの低いキャラクター達に当たれば一撃で倒される事があって勝てるまで何度もリセットを繰り返すことになった。  サンドクラッドを倒して彼らが持つ「砂のメダ

          【レトロゲーム回顧録】ウィザードリィ外伝2 古代皇帝の呪い 後編

          【レトロゲーム回顧録】ウィザードリィ外伝2 古代皇帝の呪い 前編

          待っていたウィザードリィの続編  ある日、本屋である家庭用ゲーム雑誌を立ち読みしていた時にゲームボーイ版ウィザードリィの続編が発売される事を知った。  私は「ウィザードリィ外伝2・古代皇帝の呪い」をすぐに気に入って、家の近くの馴染みのゲームショップでウィザードリィ外伝2を注文し、発売日を楽しみしていた。 夜20時前!閉店間際の攻防!!ゲームソフトは無事に購入できるか?  ウィザードリィ外伝2を購入したのは12月の末で、この日は運の悪いことに私がバイトで家に帰宅したの

          【レトロゲーム回顧録】ウィザードリィ外伝2 古代皇帝の呪い 前編

          『エンドウォーカー・ワン』第25話

          「平気か? ベータ」  ベルハルトはメインカメラに映し出された微動だにしない敵を見、後部席の少女の顔色を窺った。 「こっ……このサディストぉ……」  目を真っ赤にし、涙を流しながら抗議するベータは彼に対する不満が爆発していたものの、疲弊の色は先ほどに比べそう強くないようにベルハルトには思えた。 「その、すまない。頭に血が昇ると性格が荒っぽくなってしまうんだ。『ベルハルト』様を演じて荒っぽくなっているだけかもしれないが」 「はぁ……ま、いいけどさ」  少女は額の汗を手

          『エンドウォーカー・ワン』第25話

          ヘブライ聖書と花祭 大洪水の記憶(2024年4月1話)

           仲春4月(卯月)になりました…が、気温が夏のように暑くなったりして、体調を崩しそうです。 4月7日(日曜) 列王記 エリシャとバアル 復活祭から一週間が経ち、ヒジリお姉ちゃん達が通っている教会でも、新年度の礼拝が始まりました。午前中は「詩篇」23章や「ルカ福音書」24章などを読みました。  午後の教会カフェでは「列王記 下」6章を拝読しました。この「列王記」は『旧約聖書』(ヘブライ聖書)に収められている歴史書の一つで、ヘブライ人(ユダヤ人)が築いた王国の繁栄と分裂・滅

          ヘブライ聖書と花祭 大洪水の記憶(2024年4月1話)

          『エンドウォーカー・ワン』第24話

           厚い雲が空を支配する中、数百年ほど昔に植樹された自然保護地域でその衝突は起きていた。  人類がこの星に入植した当初、地球でも建設や災害復興の場面で活躍していた人型汎用作業機械ヴァンドリングヴァーゲンが投入された。  それは当初歪な形の作業用人形だったが、この瞬間に灼けた大地で物理法則を無視したかのように低空を飛ぶ姿は見紛うことなく闘う形状をしていた。  銃火が生の姿をより鮮明に照らし出し、音速を超えて炸裂徹甲弾が飛翔する。それを送り出し、息絶えた真鍮の筒は濁った音を奏でて大

          『エンドウォーカー・ワン』第24話

          『エンドウォーカー・ワン』第23話

          「……」  コクピット後部の兵装担当席に乗り込んだイリアだが、すぐに機体とリンクしようとはせず、兵装や電子機器にエラーが表示される。 「どうした、ベータ。魔力を使い過ぎたか?」  ベルハルトは黄金色の瞳で低く重心を下げた敵機を睨みつけたまま相棒にたずねる。 「ううん、平気。だけどあれは……お父さん――リカルドの部下なんだよね」 「ああ、俺達に立ち塞がる『敵』さ。反応速度を見るに、正規軍より厄介だぞ」 「それでいいの? あなたの大切な人の肉親なんでしょ?」 「違うっ」

          『エンドウォーカー・ワン』第23話

          復活祭 絵本と聖書と法華経(2024年3月3話)

           大森池上の街道で、美味しく健康なネパール料理を作って下さっている「アジアンダイニング ヒマラヤ」が、ネパール本国に食材を仕入れに行くため、ひと月ほど休店する事になりました。ここの常連客であるメグミさん達は、休店前最後の料理を頂きました。  なお、池上町の北隣にある馬込町に、同じ系列のお店があるそうなので、ヒマラヤの味が恋しくなったら、そちらに向かうのも選択肢ですね。 3月24日(日曜) アフリカの絵本と対句表現 日曜なので、ヒジリお姉ちゃん達は教会に向かい、今回も聖歌

          復活祭 絵本と聖書と法華経(2024年3月3話)

          ファンサの話

           ましんがんです。  今回はファンサ(ファンサービス)について書いてみようと思います。 ・レス  ライブ中に視線をくれたり、もっと言えばニコッと微笑んでくれたり、振りによっては指さしてくれたりするファンサを「レス(レスポンスの略)」と言います。  明らかに自分にだけのレスは「爆レス」とか言ったりします。  知らないグループや推しの決まってないグループでレスをもらうと「お礼に特典会行かなきゃ!」と謎の使命感がわき、レスきっかけで推しが決まってしまうなんて事もあるとかないとか

          ファンサの話