EUREKA articles

「障がいの壁は消えた」 創作系就労支援DIGITAL ART CENTER(DAC)の…

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「障がいの壁は消えた」 創作系就労支援DIGITAL ART CENTER(DAC)のメンバー公式ブログ。 文章に限らず、制作進捗などをメンバーが自由に投稿していきます。 ※投稿NG:人種他区分への批判、公序良俗に反するもの。

マガジン

  • 長編小説『エンドウォーカー・ワン』

    遠い未来。ここではない星の物語。 世界は違えど、人は慈しみ合いながらも争うことは避けられない。 戦争をテーマにしたヒューマンドラマ。 週1~2回連載予定です。

  • おひるね主婦の『キ・ド・アイ・ラク』

    フツーの主婦より体力の足りない私にお昼寝は欠かせません。そんな微睡みの時間に浮かんだ種をもとに詩や動画を作ってます♪

  • あいいろのうさぎ  短編集

    「あいいろのうさぎ」として活動している私が日々書き溜めている短編をまとめたものです。恐らく文字数は1000字程度なので、サクッと読んでいただけると思います。 巡り合ったあなたの時間をそっと彩ることができますように。 執筆:あいいろのうさぎ 発刊:DAC横浜

  • 私小説『地球学徒の日記』

    ✙この作品は、夢小説『スタウロライト 十字石の追憶』の外伝です。登場人物は本篇と同じですが、こちらは現実世界の日本国内(令和時代)を舞台とし、実在の事象を題材にしております。本篇と併せて、お楽しみ頂ければ幸いです。

  • 彩りを連れて

    『彩りを連れて』  日々に起伏がなく、同じことを繰り返すばかりで、どちらかと言えば暗い気持ちでばかりいることを『灰色の日常』と言うのなら、私の日常は何色なんだろう──。 これは、あなたとみんなに出会って色づく世界の話。 ・制作 あいいろのうさぎ様 ・投稿 笹木スカーレット柊あきら ・発刊 デジタルアートセンター(DAC)横浜 ・©DIGITAL butter/EUREKA project

最近の記事

『エンドウォーカー・ワン』第51話

 年中降り続けている雨の切れ間にうら若き男女が街路を行く。  先ほどまで差していた雨傘を閉じ、自然と距離の近くなった彼らは言葉を交わしながら異国情緒溢れる街並みを堪能していた。  二人が出会った頃はこんなにも心を許せる仲ではなかった。  月日を重ね、幾度の苦難を共に越えて人は互いに惹かれ合う。  その信頼故にレックスは自分の気持ちに蓋をし、本当の気持ちをひた隠しにしてきた。  いや、自分にとって本当の想いとは何なのだろうか。  数年前に亡くした恋人が人生の全てだと思っていた。

    • 『エンドウォーカー・ワン』第50話

       オストア共和国某所。  年中気候に恵まれないその街では今日も今日とて不機嫌な雨曇が石畳を濡らしていた。  遠く離れた農作地帯からの恵みは住民たちに十分に行き届かず、彼らは質素な生活を強いられている。 「中央のほうは軍需で景気がいいみたいだけどね。私ら地方の人間には関係ない話さ」 「そーそー。格差は広がる一方でね。かといって、この街を捨てて出稼ぎに行けるほど若くないし」 「前の大統領の頃はまだ補助が手厚くてね。色々な選択の幅があったんだけど、今の人は――」 「しっ、外国人の

      • 『エンドウォーカー・ワン』第49話

         同刻。  ノーストリア南部方面イルデ支部。  南北戦争の際に幾度となく戦火に曝された旧サウストリアのイルデ州は世界の大穀倉地帯であり、牧歌的な風景に心寄せて訪れる者は多い。  その街は季節折々に様々な表情を見せ、人と共に多くの命を育んできた。  故に先の戦争では真っ先に侵略の対象となり、多くの景色や物が破壊された。 「……」  この街に10歳まで住んでいた灰被りの魔女、イリア・トリトニアは久しぶりに帰郷していた。  今は亡き両親から受け継いだ実家の周りには「進入禁止」

        • スティーヴン・キングスの話

          ましんがんです。 今回はスティーヴン・キング原作の映画の中から好きな作品を紹介します。 スティーヴン・キングはアメリカの小説家・ホラー作家で、SF的な物から怪現象、空想的な話まで多岐に渡ります。 ホラー以外にも「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」「スタンド・バイ・ミー」などの原作も手掛けています。 ・「ドリームキャッチャー」(2003) 不思議な力をもつ4人の青年、ヘンリー、ビーバー、ジョンジー、ピートは少年の頃、イジメられっ子ダディッツを助けました。 不思議な力はダ

        『エンドウォーカー・ワン』第51話

        マガジン

        • 長編小説『エンドウォーカー・ワン』
          53本
        • おひるね主婦の『キ・ド・アイ・ラク』
          11本
        • あいいろのうさぎ  短編集
          32本
        • 私小説『地球学徒の日記』
          30本
        • 彩りを連れて
          18本
        • 東京喫茶あなたこなた
          7本

        記事

          『エンドウォーカー・ワン』第48話

           世界は平穏を保っていた。  それが無数の屍の上にある景色だとしても、人はその奇跡の煌めきを当たり前のものとしてしか捉えられない。  故に過ちを繰り返す。 「戦争反対! 兵器のない平和な世の中を!」 「人種差別をするな! 人は平等であるべきだ!」  分かり易い正義だけを振りかざして、自分たちは正しい行いをしていると錯覚する。 「記憶に新しい南北戦争ですが、これを侵略だと言う人々もいるそうですね」 「ええ、そういった声は多く見受けられます。ですが、国際法で定められた国境線

          『エンドウォーカー・ワン』第48話

          ダニエル・ラドグリフの話

          ましんがんです。 今回は、映画ハリーポッターシリーズで一躍大スターとなったダニエル・ラドクリフについて書こうと思います。 とは言えハリーポッターシリーズ自体は見た事ありません。 世界的大ヒットとかにもなると逆に観たくなくなるというか...ファンタジー物は好きなんですが、なんか拗らせて未だに観てないしこれからも観ないと思います。 こんな観てない人でも恐らく皆知っているであろう主演のダニエル・ラドクリフです。 ハリーポッター以降の出演作の役が変なのが多いと話題です。 どうやら一

          ダニエル・ラドグリフの話

          『エンドウォーカー・ワン』第47話

           サウストリア解放戦線の若きリーダーは苛立っていた。  エターブ社の輸送船を強襲し、新型を鹵獲したまではいいが、予想だにしない反撃を受け、かつ所属不明の第三勢力より空爆を受けた。  その姿や考えなしに蜂の巣を突いた獣のようで、我ながら哀れだとすら感じる。  全てがあの男の描いたシナリオに沿っているようで、内心腹ただしい。 「ベルハルト様、ご機嫌いかがでしょうか。ヒッヒッヒッ」  そして彼は何食わぬ顔でやってきた。  見るだけで厭になる下卑た笑いをたずさえながら。 「フラ

          『エンドウォーカー・ワン』第47話

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          短歌アニメ『太古のゆりかご』

          初めてシルエットでないアニメーションを一部とりいれてみました。 しかし他のイラストとのバランスを取らねばならないのでなかなか難しかったです。 この作品の制作に入る前に動画ソフトAviUtlにテスト用イラストを入れ いろいろなエフェクトをかけまくって効果を確認する という時間を取りました。 その成果が出ていると良いのですが…? VOICEVOX 後鬼 テキスト:たぬっち イラスト:たぬっち アニメーション:たぬっち 動画編集:たぬっち

          短歌アニメ『太古のゆりかご』

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          『エンドウォーカー・ワン』第46話

          「はあぁぁぁ……」  情報部に宛がわれたマンションの一室でイリア・トリトニアがベッドに寝転がる。  紅色に染まり、火照った顔を両手で覆い隠して熱い吐息を漏らす。  その近くのサイドテーブルにはフォリシアから借りた恋愛小説が転がっていた。  就寝前の僅かな自由時間に読書を嗜んでいた「ノイン」の真似事で始めた読書だが、想像力豊かな彼女が本の虫になるのにそう時間はかからなかった。  今夜とて少しだけ読み進めるつもりが、気が付けば時刻は既に深夜。  明日の為にも寝なければならないと

          『エンドウォーカー・ワン』第46話

          I wish your dream.

          あいいろのうさぎ  私が彼を好きになるきっかけをくれたのはアイドル好きの友人だった。 彼女がライブに連れて行ってくれたのだけど、まだメジャーデビュー前のアイドル達は、お客さんもマニアしかいないようなライブハウスで歌っていた。  歌は聞いていて心地良いかと聞かれると微妙な顔をしてしまうような出来だったし、ダンスもそれほど上手とは言ってあげられなかった。 ただ、彼らなりに一生懸命なのだということだけは伝わってきて、中でも一番熱心に見えたのが青木くんだった。  彼は表情こ

          I wish your dream.

          エンドウォーカー・ワン/OST【終D歩ER=1】

          DIGITAL ART CENTER 広島所属メンバーによる、 Noteで好評連載中の小説「エンドウォーカー・ワン」をイメージしたオリジナルサウンドトラックです。 原作/動画編集:雨月サト 原画/アニメーション:猫羽乃ワタル 作曲:haneda_tomo

          エンドウォーカー・ワン/OST【終D歩ER=1】

          『エンドウォーカー・ワン』第45話

           人類がかつて地球で繁栄していた頃。  無人兵器が猛威を振るった戦争があった。  高価な有人兵器をほぼノーリスクで破壊できるそれは瞬く間に進化し、AIゼロ年と呼ばれる技術的特異点において目覚ましい進化を遂げる。  後に第三次世界大戦と呼ばれる長きにおよぶ戦いにおいて、人々は不眠不休で戦い続けるその兵器群を「レギオン」と呼称した。  とある者は自分たちの代わりに戦地へ赴く軍団だと。  またある者はいずれ人類を滅ぼしかねない悪霊だと言った。  第三次世界大戦終結から時代は変わっ

          『エンドウォーカー・ワン』第45話

          箱根仙石原温泉から流星群を観よう!(2024年8月2話)

           御盆休みの8月12日(月曜)・13日(火曜)に、流星群などを観察するため箱根仙石原の温泉に宿泊しました。今回のブログ記事は、この「遠足」を振り返って書いてみようと思います。  今回の参加者は、私を含めて5人です。目的地は、箱根町(神奈川県 相模地方)の山奥にある仙石原ですが、そこへの経路は人それぞれなので、私は大磯を経由して箱根に向かう事となりました。 8月12日(月曜) 相模 大磯町 当日。蒲田(東京 大田区)から出発した私達は、蒲田駅から電車に乗って川崎駅で乗り換え

          箱根仙石原温泉から流星群を観よう!(2024年8月2話)

          彼岸花 秋夜の満月

           秋の長夜、私は深夜の街を散歩していたのだった。  私以外に人はいない。  一人ぼっちの都会はこれでもかというくらい孤独を実感させられるのだった。  私は普段多くの人と時間を共にしている。  が、たまにはこうして一人になりたいときもある。  だからこうして孤独な時間を求めて深夜の街を歩いているのだ。  ふと、街灯の灯る公園が目に入った。  中には誰もいなかった。  少し歩き疲れていたのか、公園のベンチで休憩しようと思って、私はその公園に入るのだった。  ベン

          彼岸花 秋夜の満月

          『エンドウォーカー・ワン』第44話

           村には春が訪れようとしていた。  あの日交わした「約束」は果たされ、支援により少しずつではあるが農村としての機能を取り戻しつつある。  だが、住人の表情にはみな何処か影があった。 「アルファ様が出ていかれて、この村は良くなった」 「馬鹿なことを言うな。彼女が守ってくれていたからこそエターブの援助を得られたのだろう」 「だが、キリエはアルファ様の身代わりになったまま帰らず、母親はすっかり元気をなくしてしまった」 「しかしだな……こうなることは覚悟の上で名乗りを上げたのだろ

          『エンドウォーカー・ワン』第44話

          【レトロゲーム回顧録】オーシャンハンター

          オーシャンハンター突然入荷する  いつも遊びに行く近所のショッピングモールの中にあるゲームセンターに、ある日突然オーシャンハンターが入荷した。  入荷した大型デラックス筐体は大きなモニターを備えて椅子に座ったまま遊べる筐体で、弾を撃つとコントローラーが反応する「VR反動システム」を備えて迫力があった。  ゲームのストーリーのデモも出来が良く、少しレトロ調で懐かしい感じのイラストと、ポリゴンで作られたデモシーンの作りは上手く良く出来ていて、ゲームは発表から20年以上たった今

          【レトロゲーム回顧録】オーシャンハンター