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彩りを連れて

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『彩りを連れて』  日々に起伏がなく、同じことを繰り返すばかりで、どちらかと言えば暗い気持ちでばかりいることを『灰色の日常』と言うのなら、私の日常は何色なんだろう──。 これは…
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彩りを連れて 一

あいいろのうさぎ 一 夏休み明け最初の登校日。いつも通り誰もいない教室に入るものだと思っ…

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2か月前
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彩りを連れて あとがき

 目を通してくださってありがとうございます。あいいろのうさぎと申します。以後お見知りおき…

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1か月前
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彩りを連れて 十七

『勉強会をするのは良いと思うけど、何が真緒のためになるのかきちんと考えてね』  お母さん…

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1か月前
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彩りを連れて 十六

「ただいま」 「おかえりなさい」  お母さんがにこやかに私を迎えてくれる。そのことに少し…

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1か月前
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彩りを連れて 十五

 三人が私の話を待っている。昨日、あのメッセージを送ってから、どこからどうやって話すか何…

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1か月前
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彩りを連れて 十四

 翌朝。さすがに私が一番に教室に入るだろうと思っていたけれど、実際は違った。  晴くんが…

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1か月前
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彩りを連れて 十三

「ただいま」 「おかえりなさい……今日は普通に帰ってきたのね」  お母さんの言葉が刺さる。私は今日、寄り道せずに帰ってきたし、これからもきっと寄り道なんてできない。  そもそも、一緒にいてくれる人との関係を、壊してしまった。  私がよほど浮かない顔でもしていたんだろうか。お母さんの表情が変わる。 「皮肉みたいなことを言ってしまってごめんなさいね。ちゃんと帰って来てくれてお母さん嬉しいわ」 「……そう」  私はそれだけ呟いて、自分の部屋に入った。  このまま、み

彩りを連れて 十二

「昨日はコンビニどうだった?」  美玲ちゃんがお弁当を開けながら聞いてきた。 「やっぱフ…

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1か月前
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彩りを連れて 十一

「どう? 初めてのコンビニ」  コンビニに入った途端、晴くんが振り返って言った。 「さす…

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1か月前
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彩りを連れて 十

 自分の気持ちを自覚してから、日々は晴くんで染まっていった。  文化祭が終わってからは、…

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1か月前
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彩りを連れて 九

 昼ごはんを食べ終わる頃には十三時が迫っていたので、美玲ちゃんと立花くんとは別れて、晴く…

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1か月前
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彩りを連れて 八

 文化祭当日は十時から一般のお客さんが入ってくる。私と晴くんが受付を担当するのは最後の一…

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彩りを連れて 七

 買い出し班だけは準備期間中に校外に出ることを許されている。私は足りないものを晴くんと買…

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1か月前
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彩りを連れて 六

「中村、ちょっといい?」  いつも通り一番に登校して単語帳を開いていると、立花くんに声をかけられた。まだ私たち以外の人は教室にいない。立花くんがいつもより早く登校していて、それが私に何かを聞くためだという事は状況から分かった。  ……怖い。  立花くんはたまに助け船を出してくれるから、周りが良く見える人なんだろうとは思っているけれど、文化祭の準備以外でそんなに話したことがない。  何を聞かれるんだろう。 「そう固くならなくていいから。別に今から中村を叱ろうっていうん