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あいいろのうさぎ 一 夏休み明け最初の登校日。いつも通り誰もいない教室に入るものだと思っ…
目を通してくださってありがとうございます。あいいろのうさぎと申します。以後お見知りおき…
『勉強会をするのは良いと思うけど、何が真緒のためになるのかきちんと考えてね』 お母さん…
「ただいま」 「おかえりなさい」 お母さんがにこやかに私を迎えてくれる。そのことに少し…
三人が私の話を待っている。昨日、あのメッセージを送ってから、どこからどうやって話すか何…
翌朝。さすがに私が一番に教室に入るだろうと思っていたけれど、実際は違った。 晴くんが…
「ただいま」 「おかえりなさい……今日は普通に帰ってきたのね」 お母さんの言葉が刺さる。私は今日、寄り道せずに帰ってきたし、これからもきっと寄り道なんてできない。 そもそも、一緒にいてくれる人との関係を、壊してしまった。 私がよほど浮かない顔でもしていたんだろうか。お母さんの表情が変わる。 「皮肉みたいなことを言ってしまってごめんなさいね。ちゃんと帰って来てくれてお母さん嬉しいわ」 「……そう」 私はそれだけ呟いて、自分の部屋に入った。 このまま、み
「昨日はコンビニどうだった?」 美玲ちゃんがお弁当を開けながら聞いてきた。 「やっぱフ…
「どう? 初めてのコンビニ」 コンビニに入った途端、晴くんが振り返って言った。 「さす…
自分の気持ちを自覚してから、日々は晴くんで染まっていった。 文化祭が終わってからは、…
昼ごはんを食べ終わる頃には十三時が迫っていたので、美玲ちゃんと立花くんとは別れて、晴く…
文化祭当日は十時から一般のお客さんが入ってくる。私と晴くんが受付を担当するのは最後の一…
買い出し班だけは準備期間中に校外に出ることを許されている。私は足りないものを晴くんと買…
「中村、ちょっといい?」 いつも通り一番に登校して単語帳を開いていると、立花くんに声をかけられた。まだ私たち以外の人は教室にいない。立花くんがいつもより早く登校していて、それが私に何かを聞くためだという事は状況から分かった。 ……怖い。 立花くんはたまに助け船を出してくれるから、周りが良く見える人なんだろうとは思っているけれど、文化祭の準備以外でそんなに話したことがない。 何を聞かれるんだろう。 「そう固くならなくていいから。別に今から中村を叱ろうっていうん