読書にまつわる文章を書き貯めたいなと思い、早1カ月程度。仕事終わりのタイミングで書き始めてみます。1冊目は長年愛読している川上弘美さんの「蛇を踏む」に。
あらすじ(Amazonより引用):ミドリ公園に行く途中の藪で、蛇を踏んでしまった。蛇は柔らかく、踏んでも踏んでもきりがない感じだった。「踏まれたので仕方ありません」人間のかたちが現れ、人間の声がして、蛇は女になった。部屋に戻ると、50歳くらいの
( “α-Synodos” vol.275(2020/5/15)より転載)
◇文学は「不要不急」か
「社会の分断」が語られる場面を私たちはしばしば目にします。イギリスではブレグジットをめぐって経済格差や階級差別が露呈し、アメリカでも人種差別や移民差別をめぐる言説がメディアを賑わわせているのがその典型です。日本でも貧困問題や女性差別、LGBT差別といったかたちで分断は可視化されています。昨年公開