朝日新聞出版さんぽ

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朝日新聞出版公式note「さんぽ」へようこそ! 既刊本の連載や新刊試し読み、著者インタビューや対談など、本にまつわるあれこれをゆるくお伝えしていきます。新刊・既刊はこちらで https://publications.asahi.com/

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  • 朝日新聞出版の文芸書

    • 217本

    書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。

  • ほんの記事

    • 383本

    朝日新聞出版から発売されている本にまつわる記事です

  • 矢萩邦彦著「正解のない教室」

    気鋭のジャーナリスト・教育者、矢萩邦彦が混迷の時代に道を切り開くために執筆した「リベラルアーツ」入門書『正解のない教室』(朝日新聞出版)。あらゆる世代が「考える楽しさ」を体験したリベラルアーツ体験授業をもとに、世界の構造と自分軸を捉えるリベラルアーツの世界を体感する仕掛けが随所に施された一冊。本書の一部を公開します。

  • 今井登茂子『ちょい足しことば帳』

    元TBSアナウンサーの今井登茂子さんが伝授する、「いつも使っていることばに、ひとこと足すだけ」で、相手の心を軽くしたり、気遣いが伝わる”ちょい足しことば”を紹介します

  • 朝日新聞出版の本 情報まとめ

    朝日新聞出版の本や著者についてのSNSやWEBでの情報をまとめます

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最近の記事

大谷翔平、新たな伝説への挑戦。野球の母国・アメリカを虜にした「オオタニサン」の舞台裏に迫る

はじめに  スポーツ界には、時たま、スーパースターが現れる。  他を圧倒する「実力」と、見ている人を興奮させる「華」を併せ持ち、そのスポーツの人気や地位を押し上げるほどの影響力がある存在のことだ。バスケットボールのマイケル・ジョーダン、ゴルフのタイガー・ウッズ、サッカーのリオネル・メッシなどが良い例だろう。  大谷翔平は、そうした世界のスーパースターと同列に語るべき器であることを、この3年間で証明した。  投打のそれぞれで最高クラスという異次元の二刀流で、202

    • 【俵万智×ヒコロヒー 対談】俵万智が「はっ」としたヒコロヒーの言葉 対談で意気投合した、創作で食べることに通じる感覚とは

       1987年のベストセラー『サラダ記念日』から最新歌集『アボカドの種』まで、女性の恋心を短歌に詠んできた歌人の俵万智さんと、今年上梓した恋愛小説集『黙って喋って』が版を重ね、作家としての評価も急上昇中のヒコロヒーさんが初対談した。 ――俵さんは『黙って喋って』を各紙の書評で絶賛し評判になりました。どのような経緯で本を手に取られたんですか。 俵万智(以下、俵):ヒコロヒーさんと仕事でご一緒することになり、読んでみようと思ったのがそもそもの動機ですが、読み終わった後「これはす

      • 「無料お試し」のはずがいつの間に…となる前に知っておきたい「無料」で儲かる仕組み

         アメリカの行動経済学者ダン・アリエリーによるこんな実験がある。高級チョコレートを15セント、安いチョコレートを1セントで販売すると、大半の消費者は高級チョコレートを選ぶ。ところが、高級チョコレートを14セント、安いチョコレートを無料にすると、その人気は逆転する。どちらも1セント値下げしただけなのに人気が逆転した理由は、安いチョコレートの値段が「無料」、すなわち0セントになったことだ。  このように、人は「無料」に強く反応。「無料ならば」と心のハードルは一気に下がる。だから

        • 「#教師のバトン」があぶり出した、追い詰められ壊れていく教師たちの現実に朝日新聞取材班が迫る

          まえがき  学校の先生は忙し過ぎる。そう指摘されて久しい。  朝早くに出勤し、夜は遅くまで帰れない。授業とその準備に加え、不登校や発達障害、日本語の読み書きができないなど、個別に対応する必要がある子が大きく増え、そのために作成する書類も多い。こうした教育活動とは別に、行政の調査への回答などの事務作業までも担っている。このような現状や背景についての報道は徐々に増え、最近では多くの人に知られるようになったように感じる。  朝日新聞教育班は、2010年代前半ごろにこの問題

        大谷翔平、新たな伝説への挑戦。野球の母国・アメリカを虜にした「オオタニサン」の舞台裏に迫る

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        • 朝日新聞出版の文芸書
          217本
        • ほんの記事
          383本
        • 矢萩邦彦著「正解のない教室」
          10本
        • 今井登茂子『ちょい足しことば帳』
          11本
        • 朝日新聞出版の本 情報まとめ
          8本
        • きょうもパンダ日和
          7本

        記事

          「仏教文学の新しいジャンルを切り拓いてきたと言ってもいい」伊藤比呂美さん話題の単行本がついに文庫化!/『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』曹洞宗僧侶・藤田一照さんによる文庫解説を公開

           伊藤比呂美さんは、「ひろみ」と呼ばれると快感を感じると言う。だから、僕は彼女のことをいつも「比呂美さん」と呼ぶことにしている。僕と比呂美さんは二〇一四年八月一日の夜、名古屋市内のとある居酒屋で初めて顔を合わせた。僕が一九五四年生まれ、彼女が一九五五年生まれだから、その年、僕は還暦を迎え、彼女は還暦一年前というタイミングだったことになる。お互いいい歳になってからの邂逅だ。もっとも僕の方は、東京大学の駒場の学生だった頃から彼女の存在を知っていた。身体や性、セックスをテーマに過激

          「仏教文学の新しいジャンルを切り拓いてきたと言ってもいい」伊藤比呂美さん話題の単行本がついに文庫化!/『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』曹洞宗僧侶・藤田一照さんによる文庫解説を公開

          日本刀の魅力に溢れた傑作時代小説連作集/山本兼一著『狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎』末國善己氏による解説を特別掲載!

           日本刀は、“武士の魂”といわれる。だが、源平合戦の昔から恩賞として家臣に贈られることもあった刀剣は、切れ味、刃こぼれしないといった実用性と同じくらい、鑑賞用として、稀少性はもとより地鉄や刃文の美しさなども愛でられていた。  特に、戦乱が終わった江戸時代に入ると、刀剣は美術品、贈答品としての価値が重視されるようになり、鞘、柄、鐔などの装飾品にも趣向を凝らすようになる。美術品としての日本刀に着目した本書『狂い咲き正宗』は、徳川将軍家の刀剣を管理する御腰物奉行・黒沢勝義の嫡男で

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          「1日100円」「1カ月3000円」保険に入るならどっち? 買い手の判断を惑わす「フレーミング効果」とは

           人は物事を全方位から把握するのではなく、一つの枠を通して見るかのように一面的な見方をするのが普通だ。同じ対象でも見え方が変われば異なる受け取り方をし、判断が変わることもある。この心理的バイアスが、「フレーミング効果」だ。  フレーミングは英語の「枠(フレーム)」に由来する。厄介なのは、判断は見え方(フレーム)に左右されているのに、自分ではなかなか、それを意識できないことだ。コップ半分のジュースを「半分も残っている」と思うのか「半分しかない」と思うのか、という例はよく引き合

          「1日100円」「1カ月3000円」保険に入るならどっち? 買い手の判断を惑わす「フレーミング効果」とは

          【全文公開】佐々木敦さんによる本格文芸評論、『成熟の喪失』から「はじめに」を全文公開!

          成熟の喪失 庵野秀明と〝父〟の崩壊 佐々木敦はじめに  本書は、庵野秀明という映像作家についての長編評論です。  一九九五年に放映が開始され、社会現象とも言うべき大ヒットとなったTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督として世にその存在を知らしめた庵野は、その後も四半世紀以上にわたってリメイク/リブートを続けた「エヴァ」シリーズを軸として、実写映画を含む数々の話題作によって、作家としての人気と評価を高めてきました。庵野に対する世評は二〇二一年に公開されたシリーズ完結編『シ

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          「老いを身軽に生きる知恵」は西行法師に学べ 釈迦から受け継がれた“人生観”とは

          ■釈迦は「出家」したのではなく「家出」した  今から約2500年前、釈迦が生きていたころのインドで説かれていた代表的な人生観が「四住期」です。これは人生を四段階のライフステージに分ける考え方です。  さて、釈尊の人生に四住期を当てはめてみましょう。ご承知のように釈迦は王族の生まれです。  釈迦族の小国の王子として生まれる。  結婚したのは16歳。妻と産まれたばかりの1人息子を捨てて家を出たのが29歳です。家を出た後、35歳の時に悟りを開き、80歳で入滅します。  こ

          「老いを身軽に生きる知恵」は西行法師に学べ 釈迦から受け継がれた“人生観”とは

          この物語を必要としている人に、どうかこの本が届きますように――。窪美澄さん『朔が満ちる』早見和真さんによる文庫版解説を特別公開

          家に帰ると窓から"あたたかい光"が漏れている、ただそれだけの幸せを諦めたくないと思った。(女優・奈緒さん) この物語を必要としている人に、どうかこの本が届きますように――。(小説家・早見和真さん)  心臓で読む小説だ。  この解説の依頼を受けるずっと前、刊行されたばかりの本書『朔が満ちる』を読んだときの気持ちを、いまでも鮮明に覚えている。  この物語を必要としている人に、どうかこの本が届きますように──。  僕自身が犯罪をテーマにした小説を書いている最中だったことも

          この物語を必要としている人に、どうかこの本が届きますように――。窪美澄さん『朔が満ちる』早見和真さんによる文庫版解説を特別公開

          「ひきこもりの季節」とは?/篠田節子著『四つの白昼夢』田中兆子さんによる書評を特別公開

          思い込みは、気持ちよくひっくり返される  2024年初夏の現在、東京の街を歩く人の半数以上はマスクをしておらず、特に若者の多くはのびやかに顔をさらしている。コロナ禍の真っ只中に「マスクで顔を隠すことの安心感を覚えた若者は、もはやコロナが終わってもマスクを手放すことはないだろう」という言説がまことしやかに流れたが、その予想は見事に外れた。  とはいえ、マスクで顔を隠すことも隠さないことも同調圧力という同じ理由なのかもしれず、コロナ禍によって私たちの心性は変わったのか、それと

          「ひきこもりの季節」とは?/篠田節子著『四つの白昼夢』田中兆子さんによる書評を特別公開

          「松竹梅」の「竹」を選んでしまう理由 知っておきたい買い物の法則と心理

           お弁当屋さんの店頭やフラッと入った寿司店で、内容と価格の異なる「松」「竹」「梅」の3種類が用意されていたら、あなたはどれを選ぶだろうか。3種類の選択肢が用意されると、多くの人は値段と質が最も高い「松」や、最も低い「梅」を避け、そこそこ安くて品質もある程度いいはずだと考えて、真ん中の「竹」を選ぶ傾向がある。しかし、「竹」が「そこそこ安くて品質もある程度いい」という根拠はどこにもない。  しかし、行動経済学の基本を知っていれば、根拠もなく「竹」を選んでカモになることを避けるこ

          「松竹梅」の「竹」を選んでしまう理由 知っておきたい買い物の法則と心理

          【特別試し読み】鴻巣友季子さん集中連載「小説、この小さきもの~孤独、共感、個人~」第1部から「はじめに」と第2章冒頭公開!/なぜ人は小説に共感を求めようとするのか? 小説が書かれる・読まれる歴史の背景を遡りながら、その起源と本質に迫る本格評論

          小説、この小さきもの ~孤独、共感、個人~ 鴻巣友季子第一部 小説、感情、孤独 はじめに  小説とはなにか? などという問いはあまりにプリミティヴに響くだろう。  西洋の物語の起源には詩があった。文学とは長らくおもに韻文の詩を意味していた。しかしどうだろう、いまの世界を見わたしてみると、西洋で生まれた散文文芸である小説が文学の中心であるかのごとく扱われている国や文化圏は多く、日本もそのひとつだ。  どうして小説はときに「涙が止まらない」「切なさ一〇〇パーセント」「共感しか

          【特別試し読み】鴻巣友季子さん集中連載「小説、この小さきもの~孤独、共感、個人~」第1部から「はじめに」と第2章冒頭公開!/なぜ人は小説に共感を求めようとするのか? 小説が書かれる・読まれる歴史の背景を遡りながら、その起源と本質に迫る本格評論

          “悟る前”のブッダの人生にこそ老いを楽に生きるヒントが 老病死が近づく「林住期」の重要性

          ■「悟る以前の釈迦」と「悟った釈迦」の二分法では見えてこないもの  私たちの生き方のヒントは、悟る前の釈迦、俗人釈迦の生き方にこそあるというのが私の主張です。  仏教は今から約2500年前に釈迦によって説かれるようになりました。その頃、インドのいわゆる知識人の間ではバラモン教(ヒンドゥー教)が主流を占めていました。つまりインドでは、仏教以前から出家者によって重要な人生観が説かれていたわけです。  その代表的な人生観は「四住期」です。これは人生を四段階のライフステージに分

          “悟る前”のブッダの人生にこそ老いを楽に生きるヒントが 老病死が近づく「林住期」の重要性

          作家・麻見和史さんが小説創作の極意を特別公開!/新シリーズ『殺意の輪郭 猟奇殺人捜査ファイル』刊行記念エッセイ

          猟奇という舞台装置  ウェブ連載をやってみませんか、というお話をいただいたとき、最初に頭に浮かんだのは「矛盾なく最後まで書けるだろうか」ということだった。  デビューして今年で18年目になるのだが、私はずっと警察小説の書き下ろしをやってきたので、連載は経験したことがない。書き下ろしの場合、執筆、修正、校正などすべての作業が終わってから作品は世に出ることになる。しかしウェブ連載では事情がまったく違う。月に数回サイトに文章が掲載されるとなれば、その回数だけ締切がやってくる。充

          作家・麻見和史さんが小説創作の極意を特別公開!/新シリーズ『殺意の輪郭 猟奇殺人捜査ファイル』刊行記念エッセイ

          『帝国の慰安婦』著者・朴裕河さんが鎌倉で辿る、歴史の「強さ」と「弱さ」/文庫版刊行記念エッセイ公開

          鎌倉に暮らせば 3月から、鎌倉で暮らしている。半年や1年とかの長期滞在ではないから「暮らす」という言葉は相応しくないのかもしれないが、宿に寝泊まりするのとは違って掃除洗濯もするし、庭の梅の木から落ちてきた梅を拾っては蜂蜜漬けにしてみたりもしているのだから、自分では「暮らす」気に、すっかりなっている。  もともとは冬休みを使って東京に3週間ほど滞在する予定だった。それが、11年前に韓国で出した『帝国の慰安婦』に関する裁判の大法院(最高裁)判決が昨年の秋にようやく出、民事裁判も

          『帝国の慰安婦』著者・朴裕河さんが鎌倉で辿る、歴史の「強さ」と「弱さ」/文庫版刊行記念エッセイ公開