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記事をすべて見る すべて見るオンライン会話での脳活動は「ひとりでボーッとしながら何も考えていない」状態と同じという驚きの実験結果【スマホはどこまで脳を壊すか】
■オンラインで会話をしても脳と脳はつながらない コロナ禍の影響で私たちのコミュニケーションの形式は大きく変化しました。オンライン・コミュニケーションの機会が多くなり、みなさんはどのように感じているでしょう。対面でのコミュニケーションが普通だった「旧・ノーマル」時代と比べて、人と人との物理的な距離は明らかに広がりました。物理的な距離の広がりと比例するように、心の距離まで離れつつあるような感覚を持ってはいませんか? 大学にいると、「オンライン授業が増えて家から出なくなった
「笑いあり涙あり感動あり!短編集ならではの醍醐味」書評ライターの松井ゆかりさんが、大好評の森絵都さん最新刊『獣の夜』をレビュー!
森絵都作品の魅力はいくつも列挙できるが、思わず笑ってしまうユーモアというのも間違いなく筆頭にカウントされる要素のひとつだ。本書でそれがとりわけ顕著に感じられるのは、表題作であろうか。主人公の紗弓が夜の約束に備えて仕事を片づけていたところに、一本の電話が入った。予期せぬ頼みごとをしてきたのは、大学時代に同じサークルだった泰介だ。夜の約束というのはやはりサークル仲間で現在は泰介の妻となっている美也のサプライズ誕生会のことなのだが、泰介は自分が彼女をパーティー会場に連れて行くはず
「この作品は、蘇生と題された喪失の物語だ」俳優・中嶋朋子さんによる、小川洋子著『貴婦人Aの蘇生 新装版』巻末エッセイを特別公開
喪失と再生 20代の後半だったろうか、小川洋子さんの「薬指の標本」「まぶた」といった作品に次々出会い、えもいわれぬやすらかさを覚え喜びに震えた。手渡されたのは、異なるものたちの、ささやかな声に充ちる世界。そこで私は深いやすらぎを得て、初めて呼吸することが叶ったような感覚になった。胸のうち、無意識に抱えていた言語化できない違和感、社会や常識に与えられた物差しでは、どうしてもはかりようのない、心の中の襞。その微細な凹凸を、丁寧に、その襞の在りようのまま、寸分違わぬ正確さで読み
秋季号は創作が4本に、新連載もスタート!連載3本堂々完結。インタビュー、対談も充実!<「小説TRIPPER」2023年秋季号ラインナップ紹介>
◆女性作家による時代小説競作「母親」永井紗耶子 「母の顔」《直木賞受賞後第一作》 十六歳の絵師の千鶴は、日本橋の乾物商・駿河屋惣兵衛の依頼を受け、妾お仙の亡くなったおっ母さんの似絵を描くことに。身重のお仙が「母になるのが怖い」と話すのを聞き、母親の似絵がそばにあればお仙の心も落ちつくのではという惣兵衛の思惑だったが……。千鶴とお仙のやりとりを通じて、さまざまな“母”の顔が浮かびあがる秀作。 藤原緋沙子 「鈴虫鳴く」 女髪結のおまつが、浅草寺で迷子になっていた2歳の千