朝日新聞出版さんぽ
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『納税、のち、ヘラクレスメス のべつ考える日々』発売!! 巻末収録の品田遊さん×古賀及子さん対談「日記を毎日書くふたり」冒頭公開
●対談 品田遊×古賀及子 日記を毎日書くふたり目的なく日記を毎日投稿しているのって怖いですよね ●古賀及子(以下、古賀) 日記の本を出してから、すっかり日記枠の人になってしまいました。品田さんは、そもそもどうして日記を書き始めたんですか? ●品田遊(以下、品田) Twitterに140字以内で自分の考えを書くことに自分が慣れ過ぎてしまっているなと思ったんです。拡散に直結しないような場所で、画用紙に描くような散文を好き勝手に書きたくて始めました。最初は不定期で書こうかなと思
【試し読み】「ヤンキー」から学んだこと/漫画家・コラムニストのカレー沢薫さん『女って何だ? コミュ障の私が考えてみた』<第3回>
▼第2回「職場の人間との付き合い方」はこちら ヤンキー 〈「イオンで満足する力」は強い〉ブラジルぐらい遠いところに いると思ったら、浅草にいた。 この連載をはじめてから、「◯◯女」シリーズとして、「キラキラ系女子」や「ウェイ系女」のような「遠いぜ……」としか思えない女や、六本木ヒルズの屋上で「Tokyoの光……Love」とつぶやいている「逆・鎖国女」など、実在を疑うような、スカイフィッシュ女も多々出てきたが、逆に「スピリチュアル女」のように、対極にいるように見えて、実は
第10回林芙美子文学賞大賞、大原鉄平氏の受賞後第一作「八月のセノーテ」が「小説トリッパー」24年秋季号に早くも掲載!冒頭部分を特別公開
「八月のセノーテ」 この街は少しずつ沈んでいるらしい。 森本仁寡はその話を同級生のりょうから聞いた。りょうは塾でもトップクラスの成績で、下らない噂話に流されるタイプではなかったので、きっとその話は本当だろうと仁寡は思った。この街は少しずつ沈んでいる。 「年に何ミリだか、何センチだか、知んないけどね」 りょうは真新しい赤色の自転車に飛び乗るようにまたがり、ペダルに足をかけ、仁寡を振り返って言った。 「全部沈んじゃったら、あんたはどうする?」 日が傾きつつある放課後、りょう