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「理解できない」から創る未来
「理解できない」と、他者から突きつけられるのが怖い。翻って、僕から他者に「理解できない」と銃口を向けてしまうのも怖い。
トランスジェンダーである僕にとって、相手の理解を得られるかどうかは死活問題だ。それが肥大化して「自分が理解されたいなら、相手への理解も示さなければならない」という道徳心のようなプレッシャーのような、そういう気持ちが根底にずっとある。
でもこの日、僕は見ず知らずの中学生が
【企画参加】願いと自戒の宣誓を
「男でも女でもないとか、だけど体の手術はするとか、そんな人本当にいるの? 研究する意味ある?」
俺がその「そんな人」だが??????
40人超えの聴衆の前に立つ僕へ、隣のゼミの先生がきょとんとした顔で問うた。卒論の中間発表会でのこの問いが、これまでで唯一明確に研究と僕を否定した一言だった。
冷静に冷静に冷静に。建設的であれよ、こんな場所で反抗するな、世間なんてこんなもんだ。
ものす
カミングアウトと夢見た世界
「この研究テーマへの関心って、どこから来たものなんですか? 発表聞きながら、僕それがずっと気になってて」
同期のケンタが投げてきた質問に、0.1秒未満でこう思った。
詰んだ~~~~~~~!!
◆
今日、大学院に来て初めて僕が発表者になるゼミがあった。本来なら研究の進捗を報告して、先生やゼミ生から意見をもらう場だ。でも、外部からノコノコやって来た僕は「そもそもどんな卒論書いてたの?」と
ただ肯定したいだけなのだけれど
「自分がそう認識している」ということと、「他人にそう認識されている」ということは、必ずしも一致しない。
当然のことをしているだけだと思っていたのに「優しいね」と言われるとか。あまり自信のない絵だったのにすごく褒められたとか。あと、男子なのに女子枠へ放り込まれるとか。
22年間本当に一度も言わずにいた、とっておきの「一生のお願い」をここで使いたい。いっちゃん最後のやつだけ、どうにかならんか
世界一嫌いな食べ物に心を救われた件
僕は、他人と食事ができない。お酒を飲み始めたのがきっかけでうっすら克服したけれど、それでも家族以外の誰かと「楽しくおいしく食べる」の域に達するまでには、まあまあな数の段階を踏む必要がある。誰かとの食事では「残してしまったらどうしよう」で頭がいっぱいになって、喉が塞がって、水しか飲み込めない。
原因は明白。小学校の完食指導だ。
完食指導とは、いわゆる「給食は残さず食べなさい」という指導のこ