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あなたの愛が重かった・・・アメリカタニワタリノキ嬢の独白
別れを決意したのは、ほかでもないの、あなたの愛が重かったから。
出会ったのはいつのことだったかしら。あまりに昔のことで確かな日付は覚えていないけれどこう始まったのよね。「ちょっと肩をかしてくれないかな」って。
下に住んでいるってご近所さんのよしみで困っているなら、私で役に立てるのだったら、みたいな軽い気持ちだったのよ。
それから肩だけの関係がどんどん進んで、私の居住空間までグイグイ入ってきたん
石は何個?の龍安寺石庭
年間を通して観光客で賑わう京都も1月の半ばはちょっと人が少なめ。借景の枝垂れ桜が咲く頃ならば人でごった返す龍安寺も縁側に腰を下ろして何を気にすることもなくこころゆくまで石庭を味わうことができる。
そんな中、制服を着た中学生5人の一団がやってきた。先導役をつとめるのはタクシーの運転手さんとおぼしき男性。
「さあ、石はいくつある?」(運ちゃん)
純朴そうな生徒たちが数をかぞえては「14」「15
木漏れ日と当たり前の日々
ミュンヘンでウィム•ベンダ一ス監督、役所広司主演の映画「パーフェクトディズ」を見たのは2023年が間もなく終わろうとしている時だった。
作品は渋谷のトイレ清掃を生業とする主人公、平山の日常と時折起きる出来事で構成される。それはほんの小さくささやかな世界。ただそんな中にも喜びや心の揺れがあって、映画ではそんな時々をすくいとりながらゆっくりと進行していく。
東京の風景に懐かしさをおぼえ、石川さゆり
欧州黒松の処世訓七箇条
あーあ。なんてこったい。ちょっと雪が多く降ったと思ったら、その重みを支えられなくなって、挙げ句の果てに転んじまうなんて全く情けない。恥ずかしくってご先祖様に顔向けできねえ。はあ(ため息)。
ま、こうやって寝っ転がっていられるのももうわずか。残されたこの機会を利用してこれまで培った拙者の処世訓でも披露しておこうか。
え?偉そうにお前は何者だって?これは失礼。
名乗るほどのものではござらんが、姓は
ピクルスの塩水が凍結防止剤に大変身
師走に入った途端、南ドイツは大雪に見舞われました。
私の住むミュンヘンでは観測史上初の積雪45cmで、公共交通機関はほぼストップし、町はしばしマヒ状態に陥りました。
雪そのものは珍しくもなにもありませんが、ここ数年はパーッと降ることはあっても道路に雪が残るということもあまりなかったから、まあ大変。
そのうえ雪がやんだ後は夜の気温がマイナス11度を記録し、凍った歩道で滑ってけがする人が続出した
春の雨のように、柔らかな風のように... ハーバリスト、ジュリエット・デ・バイラクリ・レヴィ
ハーバリスト、獣医、アフガン犬のブリーダー、ハーブの知識を求める旅人、ジプシーの友人であり庇護者、作家、詩人………….ジュリエット・デ・バイラクリ・レヴィ(1911~2009)の肩書を数え上げたらきりがありません。
ハーブ療法の先駆者である彼女の存在を偶然に手に入れた本のおかげで知りました。
ミュンヘンの街角にはそこかしこに、不要になった本を提供したり、自由に持っていけるような本棚があります。
ドイツの食を探れ、試食探検隊がいく ~サツマイモ編
A隊員……20代の若手男子。好きなドイツの食べ物はケバブとカリーヴルストとガッツリ系。
B隊長……50代男子。人生の半分近くをドイツで過ごす。こよなくドイツビールを愛している。このごろ食が細くなってきたのを実感する日々。
A隊員:B隊長、新しい指令が届きましたよ。何でサツマイモなんでしょうね
B隊長:ドイツではサツマイモが流行りの野菜としてもてはやされてるようだ。ほら、統計をみてみろ。2010
日本とドイツの架け橋、シーボルトゆかりの地を巡る(長崎・鳴滝塾篇)
2023年はシーボルトが来日して200年目にあたります。
遠い昔の出来事のように語られるけれど、200年前なら意外と最近じゃない、と感じるのは自分が年を取ったせい?それに日本の植物はもちろん日本という国が世界に紹介されてからはまだ時は浅いのだというのも改めて実感します。
鎖国していた日本で外国人がとどまることを許されていたのは長崎に人工的に作られた面積約1.5 haの扇形の出島のみ。オランダ商
ニシンと思うな、米と思え @小樽市鰊御殿
8月下旬に海を見下ろす丘に立つ「小樽市鰊御殿」を訪ねた。御殿の正体は「番屋」と称される宿泊施設で、江戸から昭和初期にかけて北海道沿岸部で盛んだったニシン漁の網元とヤン衆(東北からの出稼ぎ漁師)が寝泊まりした場所だ。
この番屋はもともと小樽市から約80キロ離れた泊村の網元、田中福松氏が明治30年(1887年)に建てたもので、昭和33年(1958年)にこの地に移築された。丘を降りたところにある「にし
ハーブタバコをくゆらせる
ここで時計の針を8ヶ月ほど前に巻き戻そう。
〇 8ヶ月前(2022年12月下旬)
昨年12月の下旬、私は資格取得のための受験勉強のまっただ中にいた。年末年始は受験生のふんばりどころ、と自分に言い聞かせ。きっちり2週間、ドイツで勉強しながら年越しすることに決めた。
勉強すること自体は抵抗はなかった。が、腹立たしいのは本来ならばそれこそ勉学にいそしむべき我が家の15歳の息子がダラダラと過ごしてい
ジャングルトラム、出発進行!
ここはドイツ南西部に位置するマンハイム。この町に6月の12日間、「ジャングルトラム」が運行することになりました。
運転手
「いの一番に植物のみなさまにご乗車いただきます。ちょっと狭いかもしれませんが、それぞれにぴったりの場所をご用意しましたから押し合わなくても。。。」
運転手さんの言葉が終わらないそばから「お姉さま、早く早くぅ」という声とともにティランジア3姉妹が足取り軽くタラップを駆け上がっ