ニシンと思うな、米と思え @小樽市鰊御殿
8月下旬に海を見下ろす丘に立つ「小樽市鰊御殿」を訪ねた。御殿の正体は「番屋」と称される宿泊施設で、江戸から昭和初期にかけて北海道沿岸部で盛んだったニシン漁の網元とヤン衆(東北からの出稼ぎ漁師)が寝泊まりした場所だ。
この番屋はもともと小樽市から約80キロ離れた泊村の網元、田中福松氏が明治30年(1887年)に建てたもので、昭和33年(1958年)にこの地に移築された。丘を降りたところにある「にしん街道」沿いにも何軒か祝津の番屋があるが、ここが最も大きく、当時の様子を残す番屋