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来てみんさい、広島へ

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鼻水の止まらなかった、写真展の話

鼻水の止まらなかった、写真展の話

2023年8月27日まで開催されている、「広島の記憶」の展示を見ての感想を残しておく。広島県に生まれ育ち、平和教育には触れてきた方だったけれど…とても心に残る写真展だったので。

まず最初に見て欲しいのは、原爆投下前の原爆ドーム。入り口にあった展示には撮影可のパネルがあったので、気になった2枚をスマホでパチリ。

この1枚は広島初のイルミネーションで輝く、壮麗な在りし日の原爆ドーム。今の無惨な姿か

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3月の宮島、6月の宮島

3月の宮島、6月の宮島

たったの3ヶ月で、宮島の光景が随分と変わっていた。

「もっと知りたい、宮島の話」で書いた「宮島を英語でガイド」のレッスンでは現地実習があり、3月に先生のガイドで宮島のあちこちを見て回った。普段は足を運んだことの無いルートを歩き、歴史に纏わる話を聞いた。

幾度も目の前に現れる階段に「More stairs!? I'm tired!!」と叫んだりしながら、見晴らしの良い場所まで上って。

先生イチ

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もっと知りたい、宮島の話

もっと知りたい、宮島の話

今年の初めに、大した英語力も無いのに「宮島を英語でガイド」というレッスンに申し込んでしまった話を書いた。(参照:「ブランクを埋めたい」)

初回に自分の哀れなスピーキング能力や退化した理解力にショックを受けたこともあり、毎回必死でテキストを読み込み予習を欠かさなかったおかげで。容赦ないスピードで進むレッスンにも、何とかギリギリついていけた…ような気が…している…たぶん。

英語の上達に関しては、ま

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山の静寂と、子供の鮮やかさと

山の静寂と、子供の鮮やかさと

出張撮影をしていて「役得だなぁ」と思うことのひとつが、知らない神社に足を運べることだ。邇保姫神社も糸碕神社も速谷神社も遠石八幡宮も、それなりの規模の神社だけれど。もしも仕事がなければ訪れることはなかっただろうし、何なら速谷神社以外は依頼が来るまで名前も知らなかった。

京都や奈良のような歴史が観光に繋がる街ならいざ知らず。"超有名スポットではないが、地域では知られた神社"というのは、神社巡りを趣味

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写真で綴る、ふるさとの風景

写真で綴る、ふるさとの風景

二十歳になるまで生まれ育った街は、小さな地方都市だった。
近年は「この世界の片隅で」により多くの人に知られることになったけれど、それまでは太平洋戦争や自衛隊に興味がある人で無ければ、名前を聞いたこともない…という人の方が多かっただろう。

かつては鎮守府がおかれ、軍港のある街として華やかなりし頃もあったそうだ。自分の生まれた頃には既に無かったけれど、小さな街でありながら路面電車も走っていた。商店街

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カメラと、写真と、春の宮島 - 後編

カメラと、写真と、春の宮島 - 後編

"写真で大切にしていること"というのは、わりあいに変化するものだ。

私的流行、とでも言えばいいのだろうか?短いスパンではそうでもないけれど、年単位で見てみると…構図だったり、光だったり、色味だったり。その時なりのこだわりがある。

今の自分で言うなら、「あ!を大切に」というのがそれだ。

ふと視線を向けた時に自分の中で「あ」と響くものがあれば、迷わずシャッターを切ってみる。他人から見れば何でもな

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カメラと、写真と、春の宮島 - 前編

カメラと、写真と、春の宮島 - 前編

ふと思い立って、春の宮島でふらりと夫婦で花見を楽しんできた。

いや、花見にかこつけたカメラ散歩といった方が正しいのかもしれない。

ここしばらくは仕事で撮影するばかりだったのだけれど、ひさびさにプライベートで重たい一眼レフを首からぶら下げて外に出た気がする。

昨年、紅葉の時期に「感覚で撮る、頭で撮る」でも書いたのだけれど…

桜や紅葉のようなベタな被写体には「人とは違う、自分らしい写真を撮ら

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来てみんさい、広島へ 10 <三原にて>

来てみんさい、広島へ 10 <三原にて>

この秋を振り返ってみると、1番の驚きは。

出張撮影の帰りに何気なく行った、三原城の天守台跡にて…
「山陽本線と新幹線が本丸をブチ抜いたので現存しない」
という内容の説明書きがあったことかもしれない。

なんとなく流し読みしていたのだけれど、その部分で「え??」と、思わず二度見した。

改めてもう一度しっかりと眺めてみる。
読み返して、たしかに見間違えた訳ではないことを確認して再度驚いた。
城って

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呉の街と、女友達と過ごす休日

呉の街と、女友達と過ごす休日

友達が勤めているカフェが閉店することが決まって、共通の知り合いから誘いをうけた。最終日、そのカフェに遊びに行きがてら呉に行かないか…と。

自分は昔から誰かに「会いたいな」と思っても、よっぽど気心の知れた相手じゃないと「誘おうか」とはならなくて。「興味あるかなぁ…忙しいかなぁ…」とか考えているうちに、「まぁ、いいか」と諦めてしまうことが多い。それに体力が無い自覚があるので、疲れそうなことは誰かを誘

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「ヒロシマを売りにしててウザいよ」

「ヒロシマを売りにしててウザいよ」

今年も8月6日がやってきた。
昔は日本中の人が同じようにこの日を迎えるのだと思っていた。

そうではないと知ったのは、大学生の時だ。

関西からきた友達によると8月6日は登校日ではないし、8時15分にサイレンが鳴って黙祷することもない。道徳の時間は平和学習よりも同和教育だったのだそうだ。地元の友人、そして長崎出身の友人共にそれを聞いて驚いたものだ。

それまでは、誰もが「もう戦争を繰り返して

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『この世界の片隅に』 ~呉の風景~

『この世界の片隅に』 ~呉の風景~

『この世界の片隅に』の北條家のモデルとなった場所を、"すずさんに逢える丘"として整備する…というニュースがこの2月に発表されていたことを、先日初めて知った。

この北條家のモデルとなったエリアについては映画公開後に片渕監督が聖地巡礼の自粛を促すツイートをしており、最近民放でドラマが始まったせいか今でもたまにTwitterに流れてくる。

だから観光地化されるなんて、意外だった。

漫画『この世界の

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話し言葉と書き言葉のギャップ

話し言葉と書き言葉のギャップ

昔から話す時は推敲ゼロ、わりと脳味噌からノータイムな喋り方をする。頭の中でではなく、アウトプットしながら同時に思考していくタイプなのだ。

そのせいか思考の部分を補わずに1・2・3・4・5ではなく1・3・5のような説明不足な話し方になったりすることが若い頃にはよくあったし、思考と口がスムーズに連動してくれなかったりしてたびたび噛む。(だから最近フィギュアスケートのゲスト解説で高橋君を見ると、非

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来てみんさい、広島へ 9 <福山はバラの街>

来てみんさい、広島へ 9 <福山はバラの街>

仕事で福山市へ行ってきた。

同じ広島県内の都市なのだけれど岡山県と隣接しているので、山口県寄りの広島市内からは意外と距離がある。2つの間には「呉市・竹原市・三原市・尾道市」といくつもの市がまたがっているのだ。

その福山市は、バラの街である。駅前の植え込みにも、道路脇の花壇にもバラの花が植えられている。市の花はバラだし、100種類以上のバラが植えられているばら公園というものも存在する。

これは

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