マガジンのカバー画像

手紙

31
子どもたちに遺そうとした手紙です。
運営しているクリエイター

#手紙

手紙その30

手紙その30

2007年3月20日は、君と初めて出会った日。
2013年3月20日は、長男の誕生日。
なんの偶然だろうね。

2007年初頭。
ずっとピアノで弾いていたメロディーがあった。
気がついたら、そればかりを繰り返し。
だけど、続きのメロディーが降りてこない。
メロディーが、前に進みたがっているのを感じるのに前に進まない。

曲が展開されていったのは君と出会ってからだ。
その時に僕は、『もしかして…』と

もっとみる
その28『一視同仁』〜泣き虫親子の逆襲〜

その28『一視同仁』〜泣き虫親子の逆襲〜

おいおいおいおい。
そこはお前の居場所やないぞ。
お前みたいなヘタクソは、
外野かベンチに引っ込んどれ。
どうせだめに決まってる。
お前には無理やって、ずっと言われてたやんか。
ほんま諦めの悪いヤツやなあ。
チームのために今すぐ降りろ。
そこはマウンドや。
一番、頑張ったやつが立てる場所や。

2024年2月18日。
僕は、人生で初めて対外試合のマウンドに立つ長男を見て、心の中で、ありったけのネガ

もっとみる
その27『もうこりた』

その27『もうこりた』


◇もうこりたへの誘(いざな)い◇

スポーツ少年団への入団を嫌がる親御さん問題。
僕は、ここに成長への扉を感じています。

チームに入団したいというお子さんの裏で、親御さんが渋って入団できないというケースが多いことはご存知でしょうか?
大体の理由は…

うちのチームでは①、②はなくなりました。
未だ常態化しているチームもあるようですが。
僕は①、②に関しては必要ないというスタンス。③以降は可能な

もっとみる
その24『正義』〜アンパンマンは〜

その24『正義』〜アンパンマンは〜

『アンパンマンはそんなこと言うと思う?』

口の悪い子どもに僕がよく言う言葉です。

『どうしてバイキンマンになっちゃうの?』

言われた子どもの反応は様々で、
黙り込んでしまう子もいれば、
『でも…あいつが悪いから…』と言う子もいて。

けれど、その時点で、彼らのほとんどは気づいているんです。
自分の発言や行動の善悪が。
後は、じゃじゃ馬な感情の後処理だけ。

敬虔なキリスト信者は無神論者の日本

もっとみる
その23『一期一会』〜愛別離苦の向こう側〜

その23『一期一会』〜愛別離苦の向こう側〜

『別れ』を克服する。
これは僕の人生のテーマの一つです。

実のところ僕はピアノ弾きです。
しかし、生粋の演奏家ではありません。
作曲家志望でした。
幼少期からピアノを習っていましたが、弾きたくもない課題曲の練習が辛くて、小学校4年生くらいで辞めてしまったんです。

転機が訪れたのは中学3年生の夏頃。
片思いの子にショパンの『別れの曲』を弾いてほしいと言われました。
『別れの曲』は実は中間部が激ム

もっとみる
その19『フィードバック』〜大人ってかわいそうだね〜

その19『フィードバック』〜大人ってかわいそうだね〜

前回の投稿でコメント、スキをくださった方、本当にありがとうございました。
視界が明るくなっていくのを感じました。
お陰で、歩みを進めることができそうです。

さて、今回いただけたコメントを読んで、ふと思い出した事が、これでした。

仕事のストレスで荒れて酔っ払ったのび太のパパをタイムマシンで、のび太のお祖母ちゃん(現代では他界)のところに連れていく、というお話。
パパはお祖母ちゃんに会うなり、子ど

もっとみる
手紙その18『悲憤手放し、赦し赦され』

手紙その18『悲憤手放し、赦し赦され』

ついにこのテーマを書くときが来た。
僕は闇雲に『怒り、悲しみを手放せ』と言うのではありません。また、その発露、表現を否定するものでもありません。
『マイナス思考を何とかしたい』と思う人の一助になればという思いで書きます。

はじめに

僕は人を動かす時に『マイナスな感情』を用いたくない。

怒りに任せたり、涙で訴えたり。
それで他人に問題解決行動をさせる人がいる。
けれど、一時的な情動は不安定で長

もっとみる
手紙その16『立志』〜だから何?〜

手紙その16『立志』〜だから何?〜

それは次男坊が口答えする時の常套句。
どこでそんな言葉を覚えてきたんだと思ったら、
同じ言葉を妻が叫んでいた。

それはさておき昔話をしたい。
少しセンシティブな内容かもしれない。
悪意は全くないことを先に申し上げておきます。
特定の思想に対するアンチテーゼでもないです。
ただ僕は『志の立て方』についての考えを述べたいだけなのであります。

僕の祖父は共産党系の病院で働く職員だった。
祖母は小学校

もっとみる
手紙その15『ゼロ』

手紙その15『ゼロ』

『それ』は一見、プラスな言葉に見えるから、
誰もが『それ』をしたがっている。
けど、『それ』はマイナスな感情の種になるし、『それ』通りになると感謝も少なくなる。
このことにもっと早く気付けていれば…
人生はもっと生きやすかったのに。

それは『期待』

この言葉は悪魔にも天使にもなる。
これから良いことが起こる事を予感させる。
ワクワクさせる言葉だ。
けど、これから本当に良いことが起こるかどうかの

もっとみる
手紙その13『愛』

手紙その13『愛』

2008年の12月。
僕は高熱で救急外来を受診した。
インフルエンザA型だった。
その時、偶然、看護師が気づいた。

『中尾さん、首に、しこりがありますね』

インフルエンザからの回復を待って、
新年から受診、検査を繰り返した。
雲行きが怪しくなるのを感じながら。
しこり発見から1ヶ月後。

『ガンです。』

6回目の手術が決まった。
甲状腺乳頭がん。
極めて進行は遅いが、肺への転移や、さらに悪性

もっとみる
手紙その11『敵』

手紙その11『敵』

ネガティブな感情は敵を作りだす。

以前、少年野球の試合で、主審の判定が相手有利な事に子ども達は腹を立てた。
『おかしい』『むかつく』『ぶん殴りたい』
主審に聞こえないように不平不満を漏らした。
この瞬間、9人対9人のスポーツである野球が、9人対10人になるのを感じた。
主審がこちらを敵視したわけじゃない。
子ども達が勝手に主審を敵に回した。
戦わなくてはならない相手を自ら増やした。
結果、負けた

もっとみる
手紙その10『再現性』

手紙その10『再現性』

これは人生の命題の一つ。
僕が人生をかけて追求する最重要課題のお話。

はじめに

僕は『練習』が大好きだ。
野球、ピアノ、執筆、ゲーム、そして仕事。
趣味も仕事も上達してこそ面白いし、
研鑽が自分をさらなる高みに到達させてくれる。
それが人生をより豊かにする。

じゃあ何のために『練習』するのか。
それは『再現性』を高めるために他ならない。
技術の向上、それはそれで意味のあることさ。
だけど『で

もっとみる
手紙その9『制御』

手紙その9『制御』

『火事場の馬鹿力』

ストレス環境下で人間の出力は最大化する。
アドレナリンが関係してる。
これは結構、知られている。
けれど出力が上がれば技術的なミスは増える。
これは、見落とされがちやね。

ストレス環境下の人間を自動車で例えた時、
パワーが上がるのはエンジンだけじゃない。
ブレーキまで強くなる。
そんな自動車、僕は怖くて乗れやしない。
乗りこなすためには常にストレス環境下で乗る練習をしないと

もっとみる
手紙その6『才能』

手紙その6『才能』

自分にどんな才能があるか気づいているかい?
それに気づかせてくれる魔法の言葉があるんだよ

『なんでそんなこともできないの?』

相手へのこの不満を感じたら絶対に立ち止まれ。
そして逆に考えるんだ。

『なんで僕はこれができるんだ?』

そこに才能が必ず隠れているからだ。
君にとっては当たり前だから気付けないのさ。

いいかい。絶対に気づいておくれよ。
気づいたら徹底的に掘り下げるんだ。
『何故』

もっとみる