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読みたいことを、誰かが書いてくれたnote

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いまがいちばん幸せなことは、わかっていた。

いまがいちばん幸せなことは、わかっていた。

noteにアカウント登録してから、3年半もたってしまった。自分ほどずぼらでぐうたらな人間もいないんじゃないか。それでいて自意識過剰なのだから、自分でも困っている。

私には、ずっと前から書きたくて、書けなかったことがある。それは、いま書かないと後悔するのがわかっていることだ。これ以上遅くなれない。

初めて投稿する文章をちゃんと最後まで書きたい。どうか書き終わりますように。

自分が長年、申し訳な

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小さなお兄ちゃん

小さなお兄ちゃん

得意げに九九を読み上げていると、近所の人に「すごいね!」などと褒められる。

「今の人、僕のことをとても褒めていたけど、絶対小学生だと思ってないよね」そんなことをケラケラと笑いながら言う。

「双子ですか?」

息子たちを見た多くの人がそう尋ねる。
彼らの顔は本当によく似ているし、背格好もほぼ同じだ。
今年3年生になった長男と、保育園ラストイヤーの次男。
実は4つも歳が離れている。

長男は「糖原

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どうしたらみんなと仲良くできるの?【エッセイ】

どうしたらみんなと仲良くできるの?【エッセイ】

娘も小学一年生になると悩みも大人びてくる。

時に友達の輪に入れなくて、それがつらくて家で心境を吐露するに泣き出すことがある。よくよく聞くときっかけはとても小さなこと。でも、その小さなきっかけが彼女にとっては大きなことだから、それは心の重しとなって彼女の気持ちに影を落とすことになる。

本当に悩ましいね。

先日も私に学校で起こった出来事を話してくれた。いじめとかでは無いが時折り疎外感を感じて悲し

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街と性とカラダと心、そして『全部を賭けない恋がはじまれば』

街と性とカラダと心、そして『全部を賭けない恋がはじまれば』

ひとつ前のnoteからの続き。

僕はいま九州で平和に暮らしている。
その僕がたまに東京へ行くと、角を曲がるたびに胸がザワつく。

銀座を歩く。
そこの角を曲がる。
振られた記憶が蘇る。

横浜へ行く。
海が見える公園を歩く。
振られた記憶が蘇る。

江戸川を渡る。
東京メトロから川面を眺めようが京成線で眺めようが、
振られた記憶が蘇る。

よく男は恋の記憶をハードディスクのフォルダに保存して、

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名刺と遺書

名刺と遺書

よく研いだ包丁がある。

ある人はこの包丁で、美味しい料理をつくっては食べる人を喜ばせる。

ある人は同じ包丁を振り回し、他人を脅し、傷つけ、自由を奪う。

同じ包丁なのに、使い方が全く異なる。

つまりはこういうことだ。

「包丁に対する態度」にその人が表れる。

言葉も同じだ。

言葉を使って、ワガママを通そうとする人がいる。希望を奪う人もいる。自殺に追い込む人もいる。対立を深める人もいる。

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「いじめっ子」への処方箋

「いじめっ子」への処方箋

タイトル画像は、私がいつも財布に忍ばせている小さな紙きれだ。
裏に「はっぽへ ちっちより」とある。「はっぽ」は次女、「ちっち」は長女のこと。
これは一時期、妹をいじめる癖がついてしまった長女が次女に贈った手紙だ。15年以上、私はこの小さな手紙を大切にしてきた。

「いじめられっ子」だった私さて、ここで話はさらに40年ほど前に飛ぶ。
私は小学校の低学年まで「家庭内いじめられっ子」だった。5歳上の長兄

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ひろゆきどうするか問題とトロッコ問題

ひろゆきどうするか問題とトロッコ問題

宮沢喜一を知っているか?

月に一度の「田原カフェ」を僕は楽しみにしている。田原とはジャーナリストの田原総一郎さんのことだ。今年で88歳になる田原さんが、早稲田の喫茶「ぷらんたん」の2階で、毎回一人のゲストを呼び対談をする。
その対談を起点に、20名ほどの参加者も議論に加わるイベントだ。
参加者は29歳以下(今は33歳?)に限られるのだが、オーバーエイジ枠として初めて参加させてもらったのが、8月の

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鴨さんの取り分

鴨さんの取り分

『ぼくらは嘘でつながっている。』という本を買った。

1650円。新刊はやはり高い。1週間分の食費になる。業務スーパーで冷凍鶏むね肉2kgを買ってもまだ余る。普段ならば図書館に置かれるまで待つところだが、今回は財布の紐を緩めて泣く泣く本をレジに置いた。理由はシンプル。著者である浅生鴨氏と私の間には、すこしばかり因縁があるからである。

我が家には「鴨さんの取り分」という言葉がある。ジャガイモ農家で

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「社会人」に関する考察・その後

「社会人」に関する考察・その後

「社会人」という言葉に違和感を覚えて、個人的には使わなくなって久しいが、その違和感の出元は何なのか、あれこれと探ってきた。

一昨年書いた記事がこちら。

昨年、また別の発見があったことを書き留めておく。

ある人が「社会人」という言葉を使っているとき、そこには「誇らしさ」や「信頼を置く」というニュアンスが含まれていることに気づいた。

一人前になった、独立している、自立している、自分で責任を引き

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読みたいことを、まず読む。

読みたいことを、まず読む。

書評『読みたいことを、書けばいい』

読みたいことを、まず読む。はじめまして。長崎大学4回生の直塚大成と申します。両親の愛と皆さまが治めた税金によって日々支えられています。ありがとうございます。まだ大学生ですので、内面から滲み出る文学性は全くありません。時間を無駄にしたくない方は、高井浩章さんの書評をご覧ください。

僕の8兆倍くらい文章や展開が上手です。いますぐこちらを読みましょう。その方が有意

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小さくてもひらかれた場、と変わっていくこと

小さくてもひらかれた場、と変わっていくこと

″学びの場″や″市民参加のまちづくり″と言われる場に関わることが多いけれど、なぜやっているかと聞かれたら、恩返しみたいなものだなと(おこがましいけど)心のどこかで思っている。

今わたしが出会えてよかったと思える人たちは、何かしら”きっかけ”があったから出会えている人たちだ。そのきっかけは偶然でなく、誰かがつくったから生まれたものだったりする。例えば、飲み屋で偶然出会ったという話も、飲み屋がなかっ

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最終学歴:都立江戸川高校

最終学歴:都立江戸川高校

<前提として、私はいまが幸せで、これまでの選択を全て良かったと思ってます>

26歳でお年玉をもらう人ともらわない人がいることを知った。
私は19歳の頃からお年玉を断るようになったのけど、断りきれずにいただいたこともあったと思う。

早速脱線するけど、先日友人の書いていた「学生」「社会人」の切り分けってなんだよ、みたいな投稿を思い出した。
19歳の私は進学を諦めた”社会人”1年生で、”大学生”にな

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スンドゥブは咀嚼、消化、され体と融合する。

スンドゥブは咀嚼、消化、され体と融合する。

新年明けて、はじめて実家に戻った。お昼ご飯に、母親が作ったスンドゥブを食べた。この韓国料理は、どこの国の母親が作ったとしても、家庭の味になるだろう。そんな美味しさが舌にまだ残っている。その赤さが、その熱さがそう思わせるのだろうか。世界に春が来たら、下関からフェリーに乗って韓国に土鍋を買いに行きたい。

山口県にルーツがある新造家の家庭の味に「瓦そば」がある。これはパリパリに焼いた茶そばに、薄切りに

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ソウルメイトの話をしよう

ソウルメイトの話をしよう

わたしには50年来のソウルメイトがいる。
彼の名はジェイ。現在は某ネズミランド子会社の東京代表で、それまでは長い間、レコード会社の洋楽部門のレコーディングディレクターをしていた。

彼に初めて会ったのは小学校4年生の新学期。彼は父親の仕事の都合でシンガポールに3年ほどいて戻ってきたばかりだった。
実は小1のときに一度会っていたらしい。わたしは小1の2学期に札幌から転校してきて、彼はそのときまだ日本

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