田内学

経済教養小説「きみのお金は誰のため」10月18日発売 著書『お金のむこうに人がいる』…

田内学

経済教養小説「きみのお金は誰のため」10月18日発売 著書『お金のむこうに人がいる』 女性誌VERY連載「生き方が変わるお金の話」 ゴールドマンサックスで金利トレーダーとして16年勤務したのち、現在は金融教育家として活動。 財政、年金、少子化問題、お金の教育などの講演を行う。

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小説「きみのお金は誰のため」を読み終えたみなさまへ

著者の田内学です。 このたびは小説『きみのお金は誰のため』を読んでくださり、ありがとうございます。 こちらのサイト「お金の向こう研究所」では、主に身近なお金や経済についての発信をしています。大部分は無料で読めるので、フォローしてもらえると嬉しいです。 一部、日記的な私の活動部分や裏話の箇所だけが有料になっています。こちらは、マガジン『半径1mのお金と経済の話』(月額500円) (https://note.com/mnbtauchi/m/m1d1eeb896105)を購読

    • 「きみのお金は誰のため続編(仮)」プロローグver0.1

      2023年10月8日に「きみのお金は誰のため」の予約が始まってから、半年が経った。当初目指していた100万部にはまだ遠いのだが、おかげさまで19万部に達した。 数字の奴隷 5年前まで、為替レートや債券先物、10年スワップレートなどの値動きを、じーっと見ながら過ごしていた頃とは生活が大きく変わった。 しかしながら、数字を気にしながら生きているという意味では本質的には変わっていない。毎日のように紀伊國屋やTSUTAYAのランキングを見ながら、一喜一憂しているのだ。 「お金の奴

      • 『きみのお金は誰のため』の次におすすめ「お金本」診断チャート

        書店ポップ用にこんなチャートを作ってみました。 あなたが次に読む本はどれになりましたか? ポップとして置いてもらわないと意味がないので、書店に在庫がありそうな人気の本から6冊を選びました。 (この先は有料部分。今週の活動記録やこぼれ話)

        • 高い商品を売っても賃金が上がらない理由

          春闘での約5%の賃上げが33年ぶりの高さということで話題になっている。とはいえ、これは労働組合に加入している人たちの話。中小企業で働く人が7割を占める日本において、組合組織率は10%にも満たない。 高い商品を作るか、クビにするか 仮に全体で5%賃金が上がっていたとしても、近年の物価上昇のペースには追いつけず、実質賃金は低下し続けている。 「賃金を上げるには労働生産性を上げること」というのが一般的な見解だ。労働生産性とは、おおまかにいうと、投入する労働に対してどれだけの生産で

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        • 「きみのお金は誰のため」読者限定マガジン
          10本

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          小説『きみのお金は誰のため』で伝えたかった社会への当事者意識

          『きみのお金は誰のため』の重要なテーマの一つは、一人ひとりが社会を作っている、未来を作っているを感じてもらうことにあります。 統計にも出てますが、日本は諸外国に比べて社会への参加意識が薄く、社会=他人事のように捉えられがちです。 そうならないために、どうすれば社会への当事者意識が持てるのでしょうか。 大胆な教育改革で有名な工藤勇一先生も僕の本を読んでくださったのですが、先生の問題意識も全く同じところにありました。 前後編の対談記事です。

          小説『きみのお金は誰のため』で伝えたかった社会への当事者意識

          今さら聞けない仮想通貨が上がる理由

          日経平均が4万円を突破した。史上最高値を更新すると、「自分は乗り遅れていないか」と焦る人の声が聞こえてくる。これは株式市場に限ったことではない。 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインも、3月に入って史上最高値を更新し、一時7万ドル(約1000万円)を超えた。2030年までに、150万ドルにもなるという予測もあるそうだ。 ドルなどの外国通貨への投資だけでなく、仮想通貨への投資もここにきて注目を集めている。 この仮想通貨の値上がりのメカニズムとは何なのだろうか。

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          大谷翔平から考える日銀利上げとYCCの仕組み

          今朝の日経新聞を見ると、 「賃上げ拡大で17年ぶり利上げ」と書かれていた。 「ああ、またか」と、僕は思う。 日銀政策決定会合の正式な決定は18日の昼頃のはずなのに、すでに決定したかのように日経新聞に掲載されている。おそらく、事前に情報がリークされたのだろう。 いきなり発表して市場を驚かせないように、新聞で高い可能性を示しておくのは、「日銀あるある」だ。 僕が証券会社で日本国債のトレーディングをしていたとき、金融市場の動きや関連ニュースを齧り付くようにみていた。その中でも一

          大谷翔平から考える日銀利上げとYCCの仕組み

          「書く才能」とは、AIを超える〇〇力

          今週、関西大学梅田キャンパス内にあるスタートアップカフェで、佐渡島庸平さんと対談イベントをしてきた。 X(旧ツイッター)でのイベント告知に、こんなことを書いた。 誇張でもなく、かなりドSである。今日は、そのイベントで話した”告発”部分について書こうと思う。 昨年10月に出版した「きみのお金は誰のため」の執筆にあたって、この佐渡島さんには大変お世話になった。 告発に入る前に、誤解ないように説明しておくと、佐渡島さんに編集協力してもらったのはこの本の小説部分である。ビジネ

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          『タカラヅカ問題』という没落日本の縮図

          伝統という名のウラ部則 昨年9月、宝塚歌劇団の所属女性が転落死した事件。 亡くなった女性の妹さんが出された声明文を、今週のネットニュースを読んだ。彼女自身も宝塚歌劇団に現在所属しており、「遺族の一人として、宝塚の中身をずっと知ってきた人間として、きっちり訴えていきたい」とのことだった。 その声明文によると、悪質でひどいパワハラが行われていたと記されていた。おそらく、100年以上続く宝塚という組織の中では、強烈な徒弟制度が存在し、上級生には逆らえない文化が根付いていたのだろう

          『タカラヅカ問題』という没落日本の縮図

          日経平均最高値更新 そのウラで密かに進行していること

          今週、日経平均が史上最高値を更新して3万9000円を超えたらしい。 カール・ルイス、覚えてますか? これまでの最高値3万8915円87銭を記録したのは、1989年12月29日。 遠い昔の話である。 どれくらい昔かというと、カール・ルイスが活躍していた時代にまで遡る。 1988年のソウルオリンピックでは、陸上100mと走り幅跳びでアメリカの英雄、カール・ルイスが二冠に輝いた。 陸上100m決勝は、ベン・ジョンソンとカール・ルイスの一騎打ちだった。 ゴールテープを先に切った

          日経平均最高値更新 そのウラで密かに進行していること

          読者の皆さん、一票を投じてくれた皆さんへ

          ご報告があります。 『きみのお金は誰のため』が ビジネス書グランプリ2024で【総合グランプリ】をいただきました! 【リベラルアーツ部門賞】もいただき、W受賞となりました。 本書でも「一人ひとりの投票で未来は決められている」と書いてはいますが、それを実感する機会は、僕自身ありませんでした。 しかし、今回のビジネス書グランプリの結果は、間違いなく、投票してくださった皆さん一人ひとりの票のおかげです。 一票によって結果は変わるし、未来が本当に変わるんだと実感しました。

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          投機マネーは美術界に何をもたらすか?

          今週、「読者が選ぶビジネス書グランプリ」で自著「きみのお金は誰のため」が総合グランプリをいただきました。 投票してくださったみなさんありがとうございます。 さて、今週は美術界に流れる投資マネーの話です。 ####今回はアートコレクターズ2024年2月号の転載になります#### 投機マネーが美術界に押し寄せてきているそうだ。投機とは値上がり目的のために商品を購入すること。美術品が高値で売れるのであればアーティストにとっては悪いことではなさそうだが、いつかバブルが弾けるの

          投機マネーは美術界に何をもたらすか?

          成長を加速させる「当たり前」の覆し方

          なぜ四回転半ジャンプができるのか 昨年、僕が最も感銘を受けたnote記事は、けんすうさんによる「【保存版】Amazonで総合1位を取るためにやったことの紹介をするよ」という記事だ。 この記事には、彼の著書「物語思考」がAmazonでどのようにして総合1位を獲得したかの詳細なプロセスが描かれている。 最初は半信半疑だったが、100円の投資で得られた知見は、僕の著書「きみのお金は誰のため」が予約段階でAmazon総合1位を獲得するきっかけとなった。 いやはや、驚いた。 し

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          小説「きみのお金は誰のため」記事化された書店イベント

          小説「きみのお金は誰のため」を出版して3ヶ月たちました。おかげさまで、自分の本をいろんな書店で見かけるようになりました。気づけば15万部に達し、ありがたいかぎりです。 さて、これまで開いた書店イベントのうち二つは、東洋経済オンラインで記事化してもらっております。 参加できなかったみなさん、ぜひ、ご一読ください。 イベント①「なぜ僕たちは『お金の不安』に取り憑かれているのか」 こちらは、2023年11月30日にジュンク堂池袋本店で開かれたトークイベント。対談相手は、小説

          小説「きみのお金は誰のため」記事化された書店イベント

          ぶれない評価のために知っておきたいこと

          「きみのお金は誰のため」を出版して3ヶ月たった。おかげさまで、自分の本をいろんな書店で見かけるようになった。気づけば15万部。ありがたい。 発行部数が伸びると、続編を書きましょうという話になり、その準備をすすめている。読者にもっと楽しんで読んでもらえるように、いろんな小説を読んで学んでいるのだが、やっぱり売れている長編小説は面白い。 「何を当たり前のことを、、、」と思うかも知れないが、ポイントは長編小説というところにある。 時間というコスト 「コストパフォーマンス」とい

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          「新NISA熱」ヤケドしないために気をつけたいこと

          ###この投稿は、筆者が東洋経済オンラインに投稿した記事を一部変更して転載しております### 「乗り遅れた」と焦る人の盲点2024年、3万3000円で始まった日経平均は3万6000円近くまで上昇している。 株価上昇の理由として、「利上げ懸念の後退」とか「日本企業の稼ぐ力への期待」などとも言われているが、いちばんの理由は新NISAの影響だろう。 NISA口座で投資したときの非課税枠が拡充されたことで、日本株にも個人の投資マネーが流れ込むと言われている。 連日聞こえてくる

          「新NISA熱」ヤケドしないために気をつけたいこと