田内学

ゴールドマンサックスで金利トレーダーとして16年勤務。 中央省庁、自民党や議員連盟の各種会議では有識者として財政、年金、少子化問題について提言を続ける一方、学校等ではお金の教育や社会科公共の講演を行なっている。 著書「お金のむこうに人がいる」

田内学

ゴールドマンサックスで金利トレーダーとして16年勤務。 中央省庁、自民党や議員連盟の各種会議では有識者として財政、年金、少子化問題について提言を続ける一方、学校等ではお金の教育や社会科公共の講演を行なっている。 著書「お金のむこうに人がいる」

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    どうしてゴールドマンを辞めた僕が、漫画「ドラゴン桜」の製作を手伝ったのか?

    この度、ダイヤモンド社から本を出版する。 『お金のむこうに人がいる』―元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた予備知識のいらない経済新入門― タイトルと、それに続くサブタイトルの不協和音が半端ない。 「お金のむこうに人がいる」なんて道徳的なタイトルの本を、サブタイトルで言っているように資本主義ど真ん中のゴールドマンで働いていた僕が書くことに尋常じゃない違和感を覚える人は多いんじゃないだろうか? なんて声が聞こえてきそうだ。 でも、これは道徳の話ではない。 お金と

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      • 映画「すずめの戸締まり」二度見したほうが泣けるワケー感情を受け入れるとは過去を受け入れること

        感情移入できる映画なんて面白くない 「すずめの戸締まり」を見てきた。しかも2回。 2回も見たなんていうと、「同じ映画見ても感動が薄まるだけだろ。どれだけ新海誠が好きやねん」と突っ込まれそうだ。 いやいや、そうじゃないんですよ。むしろ2回目の方が深く味わえるんですよ。と僕はいいたい。 この映画のレビューをみると「感情移入しにくい映画だった」という感想がちらほら見えた。人の感情を描いた作品であれば、これは褒め言葉なんじゃないかと思うのだ。 人の気持ちなんて簡単に理解でき

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        • 「銀紙が私の宝物です」という彼女の声を僕は何度も再生した

          「お母さんにもらった銀紙が宝物です」と作文を発表する女の子がいた。 小学2年生のときの話だ。 その意味を知るには僕らは幼すぎて、クラスの男子が彼女を泣かせてしまったことを今でも後悔している。 その女の子は少し変わっていた。怒ると噛みつく子で、周りから距離をおかれていた。 不思議なことに、彼女と一緒に暮らしている子たちが各クラスに二人くらいずついた。 大きくなってから知ったのだが、彼女たちは児童養護施設で暮らしていた。 一緒に暮らしている子たちは結束力が強く、誰かがもめて

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          • なぜ、灘高生の志望する会社はリストラにあうのか

            対岸ならぬ階下の火事先週、イーロンマスクがツイッター社の人員削減に手をつけた。世界中にいる7500人従業員のうち、とりあえず50%を解雇する計画らしい。Facebookを運営するメタ社も1万1000人以上の人員を削減すると発表した。 現在、SNS業界ではリストラの嵐が吹き荒れている。 2008年、同じ嵐が金融業界に吹き荒れていた。 その年の9月中旬に起きたリーマンショック。アメリカの投資銀行、リーマンブラザーズが倒産した。全世界で2万人以上の社員が働いていた。 ツイッター

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            僕と母ちゃんの”われわれ意識”を広げれば、お金の問題は解決できる

            僕と母ちゃんの“われわれ意識” 現代社会では“われわれ意識”が失われていると宮台さんは言う。 このわれわれ意識とは、お互いの幸せのことを考えられる関係のことだと僕は解釈した。そして、このわれわれ意識を明確に持てないことが、経済問題の理解を妨げていると思うのだ。 冒頭の親子の会話を聞いたとき、”僕”はどう思うだろうか? この親子がまともな家族であれば、小遣いを上げる交渉はあきらめる。 自分の幸せの追求が他の家族を圧迫することが目に見えているからだ。 家族の他のメンバーを含め

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            宮台真司はなぜ性愛教育が凋落日本を救うというのか?

            疑問は残り、シャーベットだけ消えた ”一番大事なの性愛の教育ですよ” 7月。 額にうっすら汗を浮かべた宮台真司さんが、僕の目をじっとみながら真顔で話してくれた。ビストロの個室は冷房が効いていたが、彼の背中には窓越しに昼の太陽が照りつけていた。 正直、話についていけなかった。 なぜ、急に性愛の話になるのか? 宮台さんが僕の隣に座り、向かいにはジャーナリストの神保哲生さんが座っている。3週間前、お二人のニュース番組「マル激トーク・オン・ディマンド(通称マル激)」にゲスト

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            ひろゆきどうするか問題とトロッコ問題

            宮沢喜一を知っているか? 月に一度の「田原カフェ」を僕は楽しみにしている。田原とはジャーナリストの田原総一郎さんのことだ。今年で88歳になる田原さんが、早稲田の喫茶「ぷらんたん」の2階で、毎回一人のゲストを呼び対談をする。 その対談を起点に、20名ほどの参加者も議論に加わるイベントだ。 参加者は29歳以下(今は33歳?)に限られるのだが、オーバーエイジ枠として初めて参加させてもらったのが、8月のこと。 翌月の9月は僕がゲストとして招かれて、お金と経済について語った。それ以来

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            「お金に解決できる問題はない」という教育のススメ

            ドラマ「ドラゴン桜」で、阿部寛さん演じる桜木先生が全校生徒たちに言い放つセリフだ。ルッキズムやなんやらで、今なら即炎上しそうだ。 このドラマの原作となっているマンガの舞台、龍山高校にはモデルになっている学校がある。 ドラゴン桜の高校に潜入 それは、横浜にある聖光学院高校だ。 といっても、校舎がモデルになっているだけで、ブスもバカも存在しない。卒業生の3割以上が現役で東大に行くバリバリの進学校だ。そして男子校である。 先週、訪れたときも、昼休みに食堂で多くの子がノートや教科

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            ”本気”の感染が、可能性を無限大にする

            重松清さんの短編小説『青い鳥』は”いじめ”に本気で向き合う教師の話だ。主人公の村内先生は、強度の吃音のせいで話すのが苦手だが、言葉を絞り出し、「本気の言葉は本気で聞かないとダメだ」と生徒に伝える。そのメッセージ自体も本気だ。社会学者の宮台真司さんも言っている。「本気は感染していく」と。 だけど、現実世界では本気同士の会話が成り立つことは滅多に存在しない。だからこそ、出会えたときは本当に貴重だ。 3年前、2019年の夏。 本を書きたいと思っていた僕は、原宿にある佐渡島さんの

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            第1話 なぜ、紙幣をコピーしてはいけないのか?

            紙幣に価値があるなら、コピーして増やせば 社会の中の価値が増えそうだ。 なのに、コピーすることは禁じられている。 その理由は、僕たちが紙幣を使い始めた歴史に隠されている。 Question2 日本中の人が紙幣を使い始めるようになったのは、 どうしてだろうか? A 金(きん)に交換することができたから B 税金を払わないといけないから C 日本銀行がその価値を保証しているから 正解 B  税金を払わないといけないから 紙幣そのものに価値はない 突然、見たことのない紙幣を

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            第1部 「社会」は、あなたの財布の外にある。

            Question 1  すべての人が日曜日に休もうとしている。そのための準備として、ふさわしくないのは次のうちどれだろうか? A 平日のうちに、学校の宿題や課題を終わらせておく B 平日のうちに、洗濯や掃除などの家事をしておく C 平日のうちに、バイトや仕事をして使うお金を貯めておく 正解 C  平日のうちに、バイトや仕事をして使うお金を貯めておく 「僕たちの暮らす社会は、一人ひとりが支え合っている」  資本主義のど真ん中にいた僕がこんな話を始めたら、あなたは眉をひそ

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            書籍『お金のむこうに人がいる』の本文の一部を無料公開する理由

            書籍『お金のむこうに人がいる』が発売されて1ヶ月経ちました。おかげさまで重版も二度かかりました。 発売前に序文を公開致しましたが、ここで、本文の一部も公開しようと思います。 申し遅れました。私、田内学と申します。書籍『お金のむこうに人がいる』の著者です。サブタイトルは「元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた経済新入門」です。 僕には「道徳」を語る資格は無い「お金のむこうに人がいる」というタイトルを見ると道徳の匂いがします。だけど、道徳を語るつもりはありません。サ

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            「西暦2067年の人類保護計画」

            透明なドームに覆われたホールに100名程度の学生がまばらに座っている。席は1割ほどしか埋まっていない。 「2067年に始まった人類保護計画。そして、その根幹となった2072年の『選抜式地球脱出プロジェクト』について今日はお話しします」 自動音声のような淡々とした調子の声が、突如ホールに響き、数名の視線が前方に集まる。視線のぶつかる交点には、グレーのスーツに身を包んだ初老の男性が立っていた。 環境行動学を研究するその教授は、透明なドーム天井越しに見える赤い空をちらりと見てか

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            子どもを育てるのは親?それとも社会?

            保育園落ちた日本死ね!! 一人の働く女性の心の叫びが、国を動かしたのは、2016年のこと。 それから5年経って、多くの人の努力で状況は改善しつつあるけど、いまだに待機児童問題は解消されていないようです。 この子育ての問題は、保育園さえ作ればいいという問題ではないと思っています。僕が本を出版しようと思った動機の一つはそこにあります。 ーーー 年金問題を話すときには、「1人の高齢者を●人の現役世代で支えている」という話をよく聞くのに、「1人の子どもを●人の現役世代で支え

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            お金のむこうに人がいる-マンガ家投資編-

            僕はマンガ家に投資している。 今、眉がピクリと動いた人もいるかもしれない。 いやいや、ちょっと待ってほしい。まずは落ち着いて聞いて欲しい。 ここに、半年に一回開催される「株主総会」に提出された報告書がある。 これは、マンガ家のわくまる(惑丸徳俊)さんが書いた活動報告書だ。 ○そもそも、投資は未来のためにある。詳しくは、自著「お金のむこうに人がいる」に書いているのだが、本来、投資の目的は、お金儲けじゃない。お金儲けは結果だ。 そもそも、投資というのは、未来のために労力

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            「観察力の鍛え方」は、『他の人の感想』こそ知りたい本だった。

            関西ラジオ界の重鎮、浜村淳さんをご存知だろうか。彼には、2時間の映画のあらすじを4時間かけて語ったという逸話がある。 この話を聞いて、「だったら映画を見た方が早いじゃん!!!」ってツッコミたくなったのは、僕だけじゃないだろう。 あらすじと言いながらも、映画の舞台の時代背景の説明や他の映画との関連性、演じる俳優の話などを織り交ぜるから、長くなるのは当然だ。 これはもはや、あらすじではない。 「彼がこれまで得た知見」×「映画」で感想が語られるから、実際の映画を見る以上に得

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