涼夕璃

生まれ変わるつもりはさらさらないけれど、100年後、万が一何かの手違いで誤誕してしまっ…

涼夕璃

生まれ変わるつもりはさらさらないけれど、100年後、万が一何かの手違いで誤誕してしまった場合、今の私を転生した私に見つけてもらう為 フィクションノンフィクションリアルバーチャルで私を残す と言ってるけれど、単に、詩や言葉やイロイロを投稿していくnote

記事一覧

詩『花火と手』シロクマ文芸部‘花火と手’

花火と手 どっちが握られていると思う? 葉についていた夕立が バケツの水に一粒おちて やや意地悪な波紋がひろがりました

涼夕璃
8時間前
2

詩『夏の雲』 シロクマ文芸部‘夏の雲’

夏の雲を眺めている間 わたしも雲になっていた 大きな大地に影を映し 大きな空に悠と浮かぶ 風がわたしをなびかせ 鳥と飛行機が通り抜ける 変わることが 流れることが 混…

涼夕璃
6日前
7

詩『風鈴と』 シロクマ文芸部‘風鈴と’

風鈴と39℃ 蝉の嵐がなだれ込む耳 時折無音 白光線に炙られて それぞれを待つ 伸びたまま こびりついた影は 夜闇が見つけるだろう

涼夕璃
13日前
6

詩『かき氷』 シロクマ文芸部‘かき氷’

かき氷が少しずつ溶けだして 赤い水に変わっていく 分離しないで 最後まで ひとつになったまま  夜空に大輪の花が咲き乱れる中 誰も気づかない小さなロマンス 先端がス…

涼夕璃
2週間前
8

詩『海の日を』 シロクマ文芸部‘海の日を’

海の日をパンにのせて 海の日をコーヒーに浮かべて かすかにふるえてしまう胸に 泡沫の夢が漂って はじけて消えても はじけて消えても 素知らぬ顔で私は今日に触れてい…

涼夕璃
3週間前
2

詩『夏は夜』シロクマ文芸部お題‘夏は夜’

夏は夜 とうとう影も消える時 想い出が 一輪二輪と咲きはじめ 月が顔出す頃は もう 手元には 新しい種 どうか咲かぬよう 紐を緩めて 雨を待つ それでも足は 止めら…

涼夕璃
1か月前
6

詩『手紙には』 シロクマ文芸部お題‘手紙には’

手紙には文字しか書いていなかった 文字が主体なものだから当然なのだが そうではなく 二枚びっしりと ボールペンで ギュウギュウに 所々丸めた線と 二枚目には 一枚目の筆…

涼夕璃
1か月前
7

詩『シンリャクカイシ』

宇宙人ならよかったのに それじゃあ無理だねって思えたのに 宇宙に住んでればよかったのに それじゃあしょうがないねって諦められたのに 宇宙語ならよかったのに それじゃ…

涼夕璃
1か月前
4

詩『悪い癖』

いつでも逃げ出せるように スペースを作ってきた わざと崩して 完成としてきた 1番目を選ばない いつでも逃げ出せるように だけど 実際の所 そんな勇気すら 自分にはな…

涼夕璃
1か月前
4

詩『ラムネの音』 シロクマ文芸部お題❛ラムネの音❜

ラムネの音 ポンポンシュシュシュ あちこちで ポンポンシュシュシュ 夏の開封 ポンポンシュシュシュ 壁の隙間で 見上げた青は 今はもう シュワシュワカラン シュワシュワ…

涼夕璃
1か月前
5

詩『きっと』

世界一 美味しいチョコを作れるのは きっと ショコラティエではないように 世界一 大好きなアナタを走らせられるのは きっと ワタシではないのだろう

涼夕璃
1か月前
2

詩『月曜日』 シロクマ文芸部 お題『月曜日』

月曜日があと1時間で来てしまうというのに 炎の消火が終わらない どうしよう ここから月までどう頑張っても間に合わない 流れ星も生憎つかまらない 兎たちがお腹を空かせて…

涼夕璃
1か月前
9

詩『紫陽花を』シロクマ文芸部 お題“紫陽花を”

紫陽花を返しに来ました もともとあなたの物ですので 蜃気楼が夜も現れるのでしょう? 月の光もヒリヒリする程乾いているのでしょう? 今はもう四六時中なのでしょう? あ…

涼夕璃
2か月前
8

詩『きゃんでぃ』

きゃんでぃになって わたし あなたに優しく 含まれたい おいしいって言葉に まぶされながら しゅわしゅわころろん 撫でられて 大事に 少しずつ ゆっくり 溶かされな…

涼夕璃
2か月前
2

詩『花の香り』

窓を閉め忘れたのか 扉が開いていたのか そもそもの原因は忘れてしまったが あのとてつもない嵐で すべての棚が倒れ 食器が割れ 本が散らばり 服も飛ばされ ベッドも照明も…

涼夕璃
2か月前
6

詩『愛され体質』

クラゲみたいに ふわふわゆらゆらしてたらいいよと言われたから その通りにやってみたけれど たくましい筋肉とごん太の骨があるから モリモリゴツゴツとしかできないよ …

涼夕璃
2か月前
6
詩『花火と手』シロクマ文芸部‘花火と手’

詩『花火と手』シロクマ文芸部‘花火と手’

花火と手
どっちが握られていると思う?

葉についていた夕立が
バケツの水に一粒おちて
やや意地悪な波紋がひろがりました

詩『夏の雲』 シロクマ文芸部‘夏の雲’

詩『夏の雲』 シロクマ文芸部‘夏の雲’

夏の雲を眺めている間
わたしも雲になっていた
大きな大地に影を映し
大きな空に悠と浮かぶ
風がわたしをなびかせ
鳥と飛行機が通り抜ける

変わることが
流れることが
混ざることが
ここでは気持ちいい

駄目なことだなんて
悪いことだなんて
言葉を持ち翼を持たない生物の吐く息で
充満している空気を吸い続けている
言葉を持ち翼を持たない生物だけ

だけれども
そんなこといってるけれども
きっとだれも

詩『風鈴と』 シロクマ文芸部‘風鈴と’

詩『風鈴と』 シロクマ文芸部‘風鈴と’

風鈴と39℃
蝉の嵐がなだれ込む耳
時折無音

白光線に炙られて
それぞれを待つ

伸びたまま
こびりついた影は
夜闇が見つけるだろう

詩『かき氷』 シロクマ文芸部‘かき氷’

詩『かき氷』 シロクマ文芸部‘かき氷’

かき氷が少しずつ溶けだして
赤い水に変わっていく

分離しないで
最後まで
ひとつになったまま 

夜空に大輪の花が咲き乱れる中
誰も気づかない小さなロマンス

先端がスプーンの
しましまのストローでゆらゆらすくう

あまい
とっても

詩『海の日を』 シロクマ文芸部‘海の日を’

詩『海の日を』 シロクマ文芸部‘海の日を’

海の日をパンにのせて
海の日をコーヒーに浮かべて

かすかにふるえてしまう胸に
泡沫の夢が漂って

はじけて消えても はじけて消えても

素知らぬ顔で私は今日に触れていく

怪獣となって砂漠で暮らしている
かつて王子だったあなたが
もしもいつか
龍巻にのぼれたのなら

星となって森で暮らしている
かつて人魚だった私が
もしもいつか
箒にまたがれたのなら

その時は

あの海で逢いたい

何度も 何

もっとみる
詩『夏は夜』シロクマ文芸部お題‘夏は夜’

詩『夏は夜』シロクマ文芸部お題‘夏は夜’

夏は夜 とうとう影も消える時
想い出が 一輪二輪と咲きはじめ
月が顔出す頃は もう

手元には 新しい種
どうか咲かぬよう
紐を緩めて 雨を待つ

それでも足は 止められず
求めるように 駆けて行く

だからお願い できますか
着くまでに 僅かでもいい
橙色が付かぬよう
蔦と蔦との間から
そびえる藍に 乞い願う

そうして足は 止まらずに
焦がれるように 私だけ

詩『手紙には』 シロクマ文芸部お題‘手紙には’

詩『手紙には』 シロクマ文芸部お題‘手紙には’

手紙には文字しか書いていなかった
文字が主体なものだから当然なのだが
そうではなく
二枚びっしりと
ボールペンで
ギュウギュウに
所々丸めた線と
二枚目には
一枚目の筆圧の跡が
ボコボコと
目がウロウロする程
文字がひっつめてあっただけだった
このような文字を書く人なのだということと
この文字も
おそらく本来の彼の書く文字ではないのだろう
ということも背中合わせで

手紙には文字しか書いていなかっ

もっとみる
詩『シンリャクカイシ』

詩『シンリャクカイシ』

宇宙人ならよかったのに
それじゃあ無理だねって思えたのに
宇宙に住んでればよかったのに
それじゃあしょうがないねって諦められたのに
宇宙語ならよかったのに
それじゃあわかんないよって始まりもしなかったのに

ワレワレハチキュウジンダ
ワレノココロヲシンリャクシタ
キミノココロニヒヲツケニイク
シンリャクカイシ

詩『悪い癖』

詩『悪い癖』

いつでも逃げ出せるように
スペースを作ってきた

わざと崩して
完成としてきた

1番目を選ばない
いつでも逃げ出せるように

だけど
実際の所
そんな勇気すら
自分にはないのだろう

カップの中
最後のひとくちのかき氷が
ゆっくりと
水に戻っていくのを
ブランケットに包まりながら
ぼんやりと眺めていた

詩『ラムネの音』 シロクマ文芸部お題❛ラムネの音❜

詩『ラムネの音』 シロクマ文芸部お題❛ラムネの音❜

ラムネの音
ポンポンシュシュシュ
あちこちで
ポンポンシュシュシュ
夏の開封
ポンポンシュシュシュ

壁の隙間で
見上げた青は
今はもう
シュワシュワカラン
シュワシュワコロン
蒼の中

すれ違う
スタッカートは
タタタタタタタ
私の背中
トトトトトトト
響かせ消えた

ゆうくりと
ユウラリヒラリ
振り返り
フウワリサラリ
含んだ夏を
飲み込めば

シャラランシャララ
たちまちに
2時のバス待つ

もっとみる
詩『月曜日』 シロクマ文芸部 お題『月曜日』

詩『月曜日』 シロクマ文芸部 お題『月曜日』

月曜日があと1時間で来てしまうというのに
炎の消火が終わらない
どうしよう
ここから月までどう頑張っても間に合わない
流れ星も生憎つかまらない
兎たちがお腹を空かせて待っている
余分に置いてきたベリーもきっと空っぽだ
向日葵たちにはもっと仲間が欲しいとせがまれて
リュックは詰め込んだ種でずっしり重い
明日は暗幕も張らなくてはいけないのに
早く行かなければ
早く行かなければ
目の前ではまだ炎が轟々と

もっとみる
詩『紫陽花を』シロクマ文芸部 お題“紫陽花を”

詩『紫陽花を』シロクマ文芸部 お題“紫陽花を”

紫陽花を返しに来ました
もともとあなたの物ですので
蜃気楼が夜も現れるのでしょう?
月の光もヒリヒリする程乾いているのでしょう?
今はもう四六時中なのでしょう?
あれから幾時が過ぎ
そろそろかと思いまして
私はそこまで非道ではないですし
暇でもないので
ほら ご覧なさいよ
したたり落ちているでしょう
毎日欠かさず
そう 夜も共にしていたので
ほら この通り
あの時のままをポストに入れておきます

もっとみる
詩『きゃんでぃ』

詩『きゃんでぃ』

きゃんでぃになって わたし
あなたに優しく 含まれたい
おいしいって言葉に まぶされながら
しゅわしゅわころろん 撫でられて

大事に 少しずつ
ゆっくり 溶かされながら
あなたの一部に なっていきたい

苦さを 包んであげられる
甘さで 満たしてあげられる
あなただけの きゃんでぃに

だから
噛み砕いたりなんかしちゃ
イヤ

詩『花の香り』

詩『花の香り』

窓を閉め忘れたのか
扉が開いていたのか
そもそもの原因は忘れてしまったが
あのとてつもない嵐で
すべての棚が倒れ
食器が割れ
本が散らばり
服も飛ばされ
ベッドも照明もテーブルも
この部屋のすべての物が破壊され
床に積もっていたのはもう昔
今では嵐の前よりも綺麗になったこの部屋
片付けて 直して 補強して
少しずつ新しい物を揃えて
今の部屋が出来上がるまで
やや時間はかかってしまったが
今では嵐の

もっとみる
詩『愛され体質』

詩『愛され体質』

クラゲみたいに
ふわふわゆらゆらしてたらいいよと言われたから
その通りにやってみたけれど

たくましい筋肉とごん太の骨があるから
モリモリゴツゴツとしかできないよ

そのクセ
丸腰だからね

どうせなら
毒の作り方を教えてほしい