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短歌(和歌)と散文

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2023年6月の記事一覧

【かわいい短歌】令和5年6月22日

【かわいい短歌】令和5年6月22日

うなされてまぶたを開ければ傍らのスヌーピーはいつも笑顔で

昼下がり起き上がれないいつもよりスヌーピーをたくさん撫でる

愛犬を枕に芝生に寝転んで『論語』を読んでるチャーリー・ブラウン

食いしん坊101ぶんの1ぴきが「楽に行こうよ」気負ったぼくに

この「かわいい短歌」は、私が自身の創作の中でも特別な愛着を感じているシリーズです。
 
幼い頃からずっと、かわいいものが大好きでした。動物などの無垢

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【今日の短歌】令和5年6月21日

【今日の短歌】令和5年6月21日

あなたなら優しく教えてくれそうでふたりがちゃんと消える方法

どうしたらいいの私は慕わしい人は誰しも自殺ばかりで

いずれも技巧を用いて意識的に作ったものではなく、抱え続けた思いが心からそのまま歌となってあふれ出たような、自然に生まれた作品です。
 
第一首は、決して自暴自棄に陥った不健康な歌ではありません。絶望ではなく希望の、死ぬためではなく生きるための歌です。
 
これは、様々の意味で限りある

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【悲鳴】誰か分かって❗️助けて……お願い

【悲鳴】誰か分かって❗️助けて……お願い

同性の親にことごとく自分を否定されて育ったから、傷つくことしか知らない。人との間にいつも見えない壁があって、必死に努力しても社会と交われない。生きる希望が見つからない

この地獄を誰も分かってくれない

誰か分かって❗️助けて……お願い

もう生きられない

【今日の短歌】令和5年6月19日

【今日の短歌】令和5年6月19日

変化することのやまない人の世で変わらぬものを抱きしめている

9日の歌と同じ初句をお題として作った歌です。
 
生い立ちの呪いに由来する、ずっと私を去ることのない苦しみに、言い様なくひどく襲われる中、少しでも自分を救いたいという思いで詠みました。
 
人は生きれば生きるほどに悪くなってゆく――。
 
このあまりに悲劇的な実感は、私から離れたことがありません。むしろ強まり続け、ときに生きることを不可

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【今日の短歌】令和5年6月15日

【今日の短歌】令和5年6月15日

完璧な歌を詠んだらサヨウナラもう人間ではいられないから

お題として与えられた初句を用いて詠みました。

主に知性によって作ったという意味で、数学の歌(6月9日)やお姫様の歌(6月11日)と同じ系統に属するということができます。
 
完璧という概念について私の中に色濃く存在し続けている心象を端的に描くことを試みました。
 
日常生活の中で完璧という言葉を用いることは、私は基本的にしません。

【今日の短歌】令和5年6月11日

【今日の短歌】令和5年6月11日

ほほ笑みの奥に涙の光る見ゆ姫たることは秘めて在ること

「姫」と「秘め」という言葉の組み合わせを偶然目にしたとき、パズルのピースがうまくはまったような感じがしました。そんなひらめきに基づき、基本的に知性を使って作りました。

お姫様という身分の方に実際にお目にかかった経験はまだなく、想像力によって詠んだ歌ですが、内容は決して的外れではないと思っています。
 
前回の記事(短歌とエセー)が中々の力作

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【短歌とエセー】令和5年6月9日

【短歌とエセー】令和5年6月9日

変化する人の心にくたびれて数学ばかり考えてゐる

初句をお題として与えられて詠んだ歌です。
 
5月29日の歌や6月5日の歌が、心の奥底からの思いに突き動かされるようにして詠んだものであるのに対し、これは主に知性によって作った歌であると言うことができます。
 
単なる計算力によるスピード勝負などでは決してない、本当の数学の何たるかを自分なりに感じ、数学のことを好きになったのは、微積分を学び始めた高

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【今日の短歌】令和5年6月5日

【今日の短歌】令和5年6月5日

こうやって泳げと事も無げに説くあなたは私の海を知らない

血を流すように書いても本当に独りなんだな人は私は

第一首は、「踏みにじる土足の目には」の歌(今日の短歌 5月29日)と同様、私の心の最も深いところから生まれた歌です。
 
「事も無げに」の箇所は、当初は「責めるように」としていました。どちらでも歌としては成り立ちますが、それによって「私の海」の持つ意味がまったく変わってきます。

もし「責

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【今日の短歌】令和5年6月2日

【今日の短歌】令和5年6月2日

その気持ち分かってあげたい胸の奥誰にも言えずにいた苦しみを

台風が来ています。私が現在住んでいる関東地方も一日中暴風雨に見舞われています。

低気圧不調でどうにもならない、そんな日に発表するに相応しい歌は何だろうと考え、これを選びました。何の工夫もなく、取り立ててどうということはないけれども、素直でやさしい気持ちだけはあふれているこの歌を。