しりぽっけ

いつも諦めてばかりの私ですが、いまはほんのちいさなことも何処かの誰かに伝える努力をして…

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いつも諦めてばかりの私ですが、いまはほんのちいさなことも何処かの誰かに伝える努力をしてみたいのです。

記事一覧

まだ8時前なのにバイパスがめちゃくちゃ混んでいる。晴れた日は皆浮かれて出掛けるものなのだね。

生きてるだけで価値があるというけれど、価値がいらないと思ったときはどうしたらいいだろう。わたしを価値のあるなしの類型にしないで、とわたしに願う。無用なわたしでいたい。

わたしは足りていないという感覚を持ち続けて生きることをやめることにした。
もっと早く取り掛かれたとかもっと上手くできたとか考えず、ただなにかを達成したことを味わうだけにすればいい。もっともっとと求めることが向上心だと思っていたが、そのおかげで向上したことは一度たりともなかった。

14歳トイプ女子、ようやくほんとに旅慣れたという話

生後2ヶ月の子犬の頃にやってきたジジは、先月で14歳になった。 犬も14年も生きるとこの世によく馴染んで落ち着き払っている。 私達は4年前にキャンピング仕様のハイエー…

しりぽっけ
2週間前

埋もれ、芽吹く、ヒヤスンス=希望のスンス、私の場合。

昨年ヒヤスンスの球根を3つ買って、2つは空き瓶で水耕栽培し、ひとつは鉢に植えて楽しんだ。 花の植え替え時がわからない性質で、整然といつでも華やかな花壇を手に入れ…

しりぽっけ
4か月前
1

母と娘の冬休み。闘争編

冬休み前日、半日で学校が終わり、髪をかきあげながらインスタントラーメンをかっこんだあとメイクにネイルチップ、髪にはクリプレのヘアオイルを香らせ、お友達とプリクラ…

しりぽっけ
4か月前
3

やっと書けた!

しりぽっけ
5か月前

鼻歌交じりでキッチンに立ちたいの。(食欲と食事と料理について)

食事をすること、ましてや食事をつくることはとても難しいと感じる。そもそも自分の食欲というものが正しく発動しているのかよくわからず、食欲というのは本来は本能の一つ…

しりぽっけ
5か月前
4

山から下界へ下りるときに思うこと

6ヶ月ぶりに山に行った。 夏の暑さと秋の忙しなさ(仕事柄秋はイベント続きなのだ)と精神的なアンバランスの波を超えてようやく出掛けられる態勢になったらもう師走も半ば…

しりぽっけ
5か月前
4

丁度よいもの。

彫っている。木片を。娘の彫刻刀で。 彫るための材でもないし、学校教材の彫刻刀ではあるし、彫り進まぬこと亀の歩みの如くゆるりゆるりと彫っている。 五本の刀のどれを…

しりぽっけ
5か月前

小さな小さな一隅を照らすために

「一隅を照らす」 朝闇の時間に、この言葉がアフガニスタンで灌漑事業に従事した中村哲医師の座右の銘と聞いた瞬間、要するにこれなのだ、わたしに欠けていてずっとさがし…

しりぽっけ
5か月前

寂しい病

突然、寂しくなってしまった。藪から棒に、途方もなく、寂しくなってしまった。 世界中の人がひとり残らず寂しく見える。道行く人も、歳をとった人も、若者も、幼子を連れ…

しりぽっけ
5か月前
5

下衆な心の扱い方

わたしの心は下衆な気持ちで溢れている。下衆な気持ちは、美しいものを見れば生まれ、汚いものを見れば生まれ、他人と比較すれば生まれ、孤高を気取っては生まれ、疎外され…

しりぽっけ
5か月前
1

求めよ、さらば与えられん

タイトルに掲げたのはキリストの言葉だけど、昨日まさにこの言葉どおりの体験をしたのは、思い立って出かけた初期仏教講演会においてだった。 会場の日暮里まで、最寄りの…

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5か月前
1

生きる作法

批評とか評価とか批判とか評論とかしないで生きられるといいと思う。判別はするけど判定はしない態度は美しいと思う。 それはとてもむずかしい。他人を批評したくないと思…

しりぽっけ
5か月前
2

今日の夕方は忘れられてゆく

夕方の散歩に出ると、空は薄桃色から紫、紺の三色からなるグラデーションに染め分けられていた。迫る夕闇に閉じ込められた箱庭のような時空に滞在する権利を、今日の私に許…

しりぽっけ
5か月前

まだ8時前なのにバイパスがめちゃくちゃ混んでいる。晴れた日は皆浮かれて出掛けるものなのだね。

生きてるだけで価値があるというけれど、価値がいらないと思ったときはどうしたらいいだろう。わたしを価値のあるなしの類型にしないで、とわたしに願う。無用なわたしでいたい。

わたしは足りていないという感覚を持ち続けて生きることをやめることにした。
もっと早く取り掛かれたとかもっと上手くできたとか考えず、ただなにかを達成したことを味わうだけにすればいい。もっともっとと求めることが向上心だと思っていたが、そのおかげで向上したことは一度たりともなかった。

14歳トイプ女子、ようやくほんとに旅慣れたという話

14歳トイプ女子、ようやくほんとに旅慣れたという話

生後2ヶ月の子犬の頃にやってきたジジは、先月で14歳になった。
犬も14年も生きるとこの世によく馴染んで落ち着き払っている。

私達は4年前にキャンピング仕様のハイエースを買ってから年に一度、車で少し長めの旅に出る。最初の年は夏休みに出掛けたが暑すぎて、GWの旅が家族の恒例だ。今年はいま、出雲に向かっている。

いつも一緒に車で旅しているので旅慣れた犬だと思う。車酔いしたのは一歳の頃に三重で山道を

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埋もれ、芽吹く、ヒヤスンス=希望のスンス、私の場合。

埋もれ、芽吹く、ヒヤスンス=希望のスンス、私の場合。

昨年ヒヤスンスの球根を3つ買って、2つは空き瓶で水耕栽培し、ひとつは鉢に植えて楽しんだ。
花の植え替え時がわからない性質で、整然といつでも華やかな花壇を手に入れたこともないし望んだこともない。盛りの花や季節外れの萎れた葉、落ち葉や雑草が雑然としている様が好きなので、花の終わった球根を掘り出しもせずそのまま置いていたら寒くなるとちゃあんと芽吹いて小さな花芽まで出てきた。

名も知らぬ草や枯れ葉となら

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母と娘の冬休み。闘争編

母と娘の冬休み。闘争編

冬休み前日、半日で学校が終わり、髪をかきあげながらインスタントラーメンをかっこんだあとメイクにネイルチップ、髪にはクリプレのヘアオイルを香らせ、お友達とプリクラ撮りに行く小5女子。なんだろう、行動と年齢がバグってると感じるのは、わたしが時代に取り残されてるから?

今年、暦の並びでまる2週間のなかなかに長い冬休み。放っておけば、一日中スマホとSwitchとユーチューブとファッション誌三昧だろうと思

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鼻歌交じりでキッチンに立ちたいの。(食欲と食事と料理について)

鼻歌交じりでキッチンに立ちたいの。(食欲と食事と料理について)

食事をすること、ましてや食事をつくることはとても難しいと感じる。そもそも自分の食欲というものが正しく発動しているのかよくわからず、食欲というのは本来は本能の一つであるはずだが現代では純粋な本能だけで構成されているとも言えず、食欲とそれ以外の要因を重ね合わせて自分に適した食事を選ぶのに苦労し、ましてや自分の食欲と他人の食欲とそれ以外の数多の要因を踏まえて用意しなければならない家族の食卓となると複雑極

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山から下界へ下りるときに思うこと

山から下界へ下りるときに思うこと

6ヶ月ぶりに山に行った。
夏の暑さと秋の忙しなさ(仕事柄秋はイベント続きなのだ)と精神的なアンバランスの波を超えてようやく出掛けられる態勢になったらもう師走も半ばになっていた。ほんとに久しぶりなので、ごく近場の小さな山、北鎌倉の六国見山へ行った。さすがにもの足りなく、住宅地を挟んだ隣の山、勝上山や明月谷を歩いてから帰途についた。

山歩きを始めたのは今年の2月頃だから初心者である。15くらいの山に

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丁度よいもの。

丁度よいもの。

彫っている。木片を。娘の彫刻刀で。

彫るための材でもないし、学校教材の彫刻刀ではあるし、彫り進まぬこと亀の歩みの如くゆるりゆるりと彫っている。

五本の刀のどれを使おうか、どの方向から彫れば刀が滑らかに進むのか、力加減や手の向き、木片の傾け方、削る感触、削りかすの形、木目、色の変化、ひとつひとつ確かめながら彫る。

マニュアルがあるわけでもなし、自分と相手の具合を見ながら、何を象るでもなくただ彫

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小さな小さな一隅を照らすために

小さな小さな一隅を照らすために

「一隅を照らす」
朝闇の時間に、この言葉がアフガニスタンで灌漑事業に従事した中村哲医師の座右の銘と聞いた瞬間、要するにこれなのだ、わたしに欠けていてずっとさがしていたことはこれなのだ、と分かった。

何かを成さなければならないとか、世間の役に立たなくてはならないとか、思い込まされていた。何故かは分からない。誰のせいかも分からない。でも何故かずっとそう思い込んでいて、何も成し遂げていないし世間の役に

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寂しい病

寂しい病

突然、寂しくなってしまった。藪から棒に、途方もなく、寂しくなってしまった。

世界中の人がひとり残らず寂しく見える。道行く人も、歳をとった人も、若者も、幼子を連れたお母さんも、幼い人も、きれいなパンを焼いている職人さんも、本屋さんも、歯医者さんも、美容師さんも、お医者さんも、社長さんも、社員さんも、平和な国にいる人も、戦禍にいる人も、宇宙船の中の人も、沖にいる人も、頂にいる人も、谷にいる人も、木の

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下衆な心の扱い方

下衆な心の扱い方

わたしの心は下衆な気持ちで溢れている。下衆な気持ちは、美しいものを見れば生まれ、汚いものを見れば生まれ、他人と比較すれば生まれ、孤高を気取っては生まれ、疎外されては生まれ、疎外しては生まれ、愛しては生まれ、憎んでは生まれる。つまりいつもどこかで生まれている。

この気持ちを無いものとして澄まして生きていると、のっぺらとした生物になる。
この気持ちの上に胡座をかくと薄汚い生物になる。
どちらの場合も

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求めよ、さらば与えられん

求めよ、さらば与えられん

タイトルに掲げたのはキリストの言葉だけど、昨日まさにこの言葉どおりの体験をしたのは、思い立って出かけた初期仏教講演会においてだった。

会場の日暮里まで、最寄りの駅から一時間強の電車旅(乗換駅を間違えたり一駅前の西日暮里で降りてしまったりした結果二時間弱の旅になったけど)の車内で「生きる作法」というタイトルの文章を書いていた。(昨日アップ済み。)

最近ポッドキャストでコテンラジオを延々と連続再生

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生きる作法

生きる作法

批評とか評価とか批判とか評論とかしないで生きられるといいと思う。判別はするけど判定はしない態度は美しいと思う。

それはとてもむずかしい。他人を批評したくないと思うと、つい他人をシャットアウトして閉じようとしてしまう。下手をすると人間そのものが無価値に思えてしまうほどに、心を閉じてしまう。

触れなければ反応しないで済むので、触れない。ひとりぼっちでいれば、汚い心も生まれない。
だけど、汚い心以外

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今日の夕方は忘れられてゆく

今日の夕方は忘れられてゆく

夕方の散歩に出ると、空は薄桃色から紫、紺の三色からなるグラデーションに染め分けられていた。迫る夕闇に閉じ込められた箱庭のような時空に滞在する権利を、今日の私に許されていることがわかる。
三色の空から闇が降っている。私の肩へと、背中へと、顔の周りに、そして目の中へと蒼い闇が降りてくる。
公園に近づくとやがて遠くにメタセコイアの並木が針の葉を朱色に光らせながら立ちあらわれる。迫る闇の内側で、大きな大き

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