今日の夕方は忘れられてゆく
夕方の散歩に出ると、空は薄桃色から紫、紺の三色からなるグラデーションに染め分けられていた。迫る夕闇に閉じ込められた箱庭のような時空に滞在する権利を、今日の私に許されていることがわかる。
三色の空から闇が降っている。私の肩へと、背中へと、顔の周りに、そして目の中へと蒼い闇が降りてくる。
公園に近づくとやがて遠くにメタセコイアの並木が針の葉を朱色に光らせながら立ちあらわれる。迫る闇の内側で、大きな大きな木立から降る朱をも受けながら、ゆっくりとゆっくりと時空を彷徨い歩く。足元には落