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ハートを多く頂いたもの

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そばにいてね

そばにいてね

私の母は高齢だ。私と同い年の友達の親が羨ましかった。みんな若くて、私の親よりもずっと。

母は先月40年続いていた仕事を辞めた。
もう定年退職の年齢にはなっていたが仕事の出来を認められ、他の人よりも長く働いていた。でも、自分の親の介護のために大好きな仕事を辞めた。母は、毎日家で過ごすようになった。

思い返せば、私がたった一歳の頃から職場に復帰して仕事に励んでいた。私が知る母は朝早くから仕事に行っ

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不登校でのこと

不登校でのこと

10年前の14歳の私は、周囲からの視線と評価と、そしていじめに酷く悩まされていた。
私にとって、学校は自分で決めてはいけないことが多すぎるから、私は苦手であった。

日直で一緒になったクラスメイトが、どんなに仕事をしなくても私は黙って彼の分までやる必要があった。それに対してとやかく言われなかった。それが当たり前であった。

数学が苦手であるのに、宿題の回答をクラスの前で発表しないと、忘れ物扱いにさ

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優しい人は、すぐそこに。

優しい人は、すぐそこに。

1ヶ月前、私は雇われた。このご時世、求人も数少ない中、社会復帰に前向きな私を応援したいと、手を差し伸べてくれた人がいた。

とりあえず、週に一回でやらせて頂いているため、負担は限りなく少ない。

最近、テレビで、
お仕事を辞めさせられた一般の方が
顔を公開せずにテレビに出ていたりする。
「こんなところにも二次被害が…」と憂鬱になるのが最近の私の日常と化している。

だが、冷たい人がこの世界にいるよ

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今年も私のままでいる

今年も私のままでいる

このご時世なので、アルバイトの求人が気になってポスターを眺めても、異常に少なくなっているのを実感したり、私の心にポタっと残るような、気になったボランティア先へ電話しても感染症が心配だと、断られたりしました。

2020年は足踏みをしながら待つ一年となりました。でも、私だけではありませんよね。皆さん足踏みをしていたと思いますので、私も同じように静かにして、生きて過ごしていたと思います。

さて、20

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探さnight、毎日

紙をティッシュのように丸められて、自分でも真っ黒に描き染めた次の日は

全く寝た気がしなくて、そもそも眠っている最中も焼却炉だよ。そこは暖かいを通り越して熱すぎて、悲しすぎて、

近すぎた疑惑。

誰がこんなことをしたのだろうと考えたけれど、自分を殺していたの、無意識のうちに。

目覚めた時は熱すぎて、目頭も焼却炉のせいで熱かったよ。お日様も布団もコンクリートも、目頭も、

オーバーヒートブルーな

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軽率に惚れたはなし

軽率に惚れたはなし

過去のことがフラッシュバックするように頭に降りてきて不安になることがあります。

思えば去年の1月。私は長年寄り添った男と別れました。そしてその悲しみの穴を埋めるかのように、

男に惚れました。軽率に惚れました。そのことを記したいと思います。

1月中に惚れた男は、劇団員の人で私に否定的なことをよく言いました。それもそのはず、私たちは知り合って間もなかったのです。私に不信感を抱いても仕方のないもの

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嫉妬深い自分に気付いた話

嫉妬深い自分に気付いた話

自分に自信がないだけなんです。ただ、それだけのことだったんです。「誰にも負けないもの」を胸を張って言えないことが、嫉妬をしてしまう大きな要因のひとつだったのです。

もしかして、束縛が強いのかな?と思ったのですが、それは違うと思いました。だって、相手を縛ったところで良いことなんて一つもないの。一度束縛しても、別の不安事を見つけてしまい、束縛の渦から逃れられなくなるのですよきっと。

感受性が豊かだ

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ぽっかり

ぽっかり

雨の降る中、私は人を待っている。せわしなく人間が生活をする中、私は人を待っている。

この待つ時間というのは人生のうちの幾らを占めるのだろう?そして、その待った時間は自分の中で後悔のない時間であろうか。

感情がせわしなく動いた後に眠ったときは、ほんの一瞬の瞬きをするほど過ぎ去り、しかし汗は滝のように流れていて、私は海にでもなってしまったのではないかと思うのです。

私は深海に沈みたい。息が止まっ

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狭い世界に生きる私

さあて、外に出たわけだが

人と関わる機会にストレスを覚えやすい私は、一見客のように見せかけて、実は人一倍気を使ってしまう、お客様である。

私が立場上では上に立っているとしても、店員個人の意見として「嫌な客」に思われないだろうか。好きになってもらえるだろうか…と特に気にするのだ。

今だって、外食中だが、noteを書きながら料理が来るとする。料理にすぐ手をつけないと、あまり店の人は良い気はしない

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【短編小説】愛だった【閲覧注意】

【短編小説】愛だった【閲覧注意】

これ程幸せを感じることはない。俺の手が彼女の手と握り合っている、腕の断面が綺麗だ、これが最終的な愛の形だと俺は思いゾクッと脈が上がるのを感じた。

ことの始まりは、新しく出来たファミレスだった。軋むことのないトイレのドア、駐車場に引かれた白い線でさえ真っ直ぐで、働く俺の門出を応援してくれるようだった。

接客業が好きな俺は、このファミレスで面接を受けようと思った。新しく出来たレストランなので人手不

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人生の夢

人生の夢

駅前の花壇の手入れをするおばさん。少ない給料で雇われているか、もしくはボランティアでやっているため給料は少ない。金の足しにもならないが、花が元気になっていく様を見ながら毎日微笑みたい。毎日毎日通勤していく方のほんの1ミリの心の支えになりたい。

動物園で一般の方に人気のないような、可愛げのない生き物の飼育員を担当してみたい。私だけが彼らの魅力にこっそり気付き、大好きになり、生涯愛でてあげたい。

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甘美に咲く花のように

甘美に咲く花のように

花が好きだ。花が好きだ。花が好きだ。

虫のために咲き続ける、花が。人間に摘まれるために健気に咲くような、そんな花が好きだ。

「寄せ植え」という身勝手な綺麗文句を付けられて、狭い鉢植えに別の種類と共に埋められながらも呼吸をする、そんな花が好きだ。

コンクリートの隙間から芽を出し、大勢いる都会の人間どもに踏まれながらも小さく咲く花が好きだ。

凍えるような寒さでも、種を残すことを永遠の目的としな

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恋にすがる姿は醜い

恋にすがる姿は醜い

私のこの鉛のように重い苦しみは、おそらく人生が続く限り止まらないのだろう。

暇さえあれば悩んでしまう、現状に満足していない証拠なのだ。悲しい私の性、こんな醜い女性を誰が愛してくれると言うのでしょうか。

もうずっと恋人が居ない、一方的な恋をしている。何年か前の貴方を思っている。もう限界なのに、心を削りとることを趣味としている気がしてくるよ。私がすがっているのは過去の恋であり、此処に彼は居ないのに

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