しゅうせい

旅。日本酒。本。NBA。音楽。ローカル。温泉。自然。ヤギ。ゴールデンレトリバー。なんと…

しゅうせい

旅。日本酒。本。NBA。音楽。ローカル。温泉。自然。ヤギ。ゴールデンレトリバー。なんとか。かんとか。

記事一覧

タジキスタンで出会った人々

海外に来てみて、「おっ、海外に来たなー」と実感する要因はたくさんあると思うけど、そのうちの最も大きな要因は「人の顔の違い」だと思う。 空港に降り立って現地の人た…

しゅうせい
2か月前
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はじめての中央アジア。

最近、転職することになった。 転職を決めたのは4月の初旬。5月半ばの退職に向けて手続きを進めつつ、転職活動を並行して進め、ありがたいことに6月末にはいくつかの内定…

しゅうせい
2か月前
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行き当たりばっ旅 -カンボジア・タイ紀行 2-

旅慣れしている人の界隈では、プノンペンはあまり観光スポットがない街という認識が広がっているようだ。 私は旅行前に結構下調べをする方だが、観光地をランキング形式で…

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プノンペンに逃げてきた -カンボジア・タイ紀行 1-

成田空港からホーチミン での乗り換えを経て約7時間、乗っている飛行機がカンボジア・プノンペンの大地を眼下にはっきりと捉えた頃には、すっかり夕方になっていた。 窓際…

6

伊坂幸太郎という作家。

本屋に行くのが好きだ。 週末には必ずと言っていいほど、フラフラと本屋に寄っている。 30分以上も物色して結局何も買わずに店をあとにすることもあれば、買う気がなかった…

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インドの牛とベトナムのバイクが教えてくれた私の常識。

みんなが常識だと思っていることに対して、「こういう見方もできるんじゃない?」と言える人を、私は結構尊敬していたりする。 自分が考えていることを披露したいっていう…

3

ゲームにハマってみたいぜ。

ハマるという状態は、山頂のように意図的に目指して登っていくようなものではなく、好きを追っていてふと振り返ってみた時に気づく絶景のように、「気がついたらそこにある…

2

常連さんはあきらめた。

いつでも気軽にお店に行けるようなお客さんにはなりたい。でも、そんなにお店の人と仲良くなりたくない。 私はなかなかに面倒くさい人間だ。 去年の11月に引っ越しをした…

3

あの熱気と混沌が恋しい。

時々、整然とした綺麗な場所を飛び出して、雑多でちょっと汚い場所に行きたいと思うことはないだろうか。 私はある。 最近は特に、コロナ後に再び国境が開かれたあたりか…

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ある休日の午前中、ミスド。

レジでお会計を済ませ、二人掛けの席のソファ側に壁を背にするように座り、周囲を見渡してみる。 向かい合ってお互いに少し身を乗り出し、ヒソヒソと会話をしているカップ…

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ああ なんて普通の日だろう。

普通の日を、気負いなく等身大で過ごすのって、実は結構難しいんだなぁと社会人になってよく考えるようになった。 会社のストレスやプレッシャーがない休日でさえ、いや、…

5

ネガティブはもうお腹いっぱい。とか言いたい。

「できることなら、できる限り楽しく生きたい。」 どうやら私の脳みそは、デフォルトとしてある出来事をとにかく難しく悲観的に考える仕様になっているみたいだ。 加えて…

11

世間からの消え方。

自分は心が弱い人間で、それ故に、さらっと報道されさらっと忘れられていくニュースとても感情移入してしまうことがある。 そしてその当事者とそのご家族のことを想像して…

2

初対面大苦手症候群

私は初対面の会話が苦手だ。 いや、苦手という言葉ではその苦手度が表せていないかもしれない。 できることならば積極的に避けたいくらい、大苦手だ。 この初対面大苦手…

14

目の端に見えるアレが気になってしょうがない。

5時間45分と66回。 先週一週間のうち、スマホを開いていた平均時間とスマホを持ち上げた平均回数だ。 (iPhoneのスクリーンタイム調べの数値。これを見ている間にも、1分1…

3

悪に勝てないヒーロー。

私がそれを初めて知ったのは、敬愛する小説家・伊坂幸太郎の小説「SOSの猿」を読んだ時だった。 (「SOSの猿」はカジュアルな小説ファンにはあまり知られていない小説だが…

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タジキスタンで出会った人々

タジキスタンで出会った人々

海外に来てみて、「おっ、海外に来たなー」と実感する要因はたくさんあると思うけど、そのうちの最も大きな要因は「人の顔の違い」だと思う。

空港に降り立って現地の人たちの顔を見ると、ぐっと緊張するというか気が引き締まるような気分になる。戦闘体制になるというと大袈裟だけど、日本にいる時のような、なんとなく話していればわかり合えるでしょうというモードではなくなる。
それはたぶん相手の表情から得られる情報が

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はじめての中央アジア。

はじめての中央アジア。

最近、転職することになった。

転職を決めたのは4月の初旬。5月半ばの退職に向けて手続きを進めつつ、転職活動を並行して進め、ありがたいことに6月末にはいくつかの内定をいただくことができた。

内定をいただいた会社との交渉の中で、8月からの入社を快く承諾いただけたことは、とても幸運だったと思う。私もちょうど長い休みを取って、会社勤めではできないような体験をしてみたいなと思っていたところだったからだ。

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行き当たりばっ旅 -カンボジア・タイ紀行 2-

行き当たりばっ旅 -カンボジア・タイ紀行 2-

旅慣れしている人の界隈では、プノンペンはあまり観光スポットがない街という認識が広がっているようだ。
私は旅行前に結構下調べをする方だが、観光地をランキング形式で紹介してくれるページでは、プノンペンの観光地ランキングを紹介する前に決まってこの類の枕詞を付けていた。
『プノンペンは観光地が少ないと思われがちですが』
実際には誰がそう思っているのかは不明だが(少なくとも私はプノンペンのことをほとんど知ら

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プノンペンに逃げてきた -カンボジア・タイ紀行 1-

プノンペンに逃げてきた -カンボジア・タイ紀行 1-

成田空港からホーチミン での乗り換えを経て約7時間、乗っている飛行機がカンボジア・プノンペンの大地を眼下にはっきりと捉えた頃には、すっかり夕方になっていた。
窓際の席、読んでいた村上春樹から顔を上げ飛行機特有の小さい窓を覗き込んで、違和感に気がついた。
「あれ?川が氾濫してない?」
プノンペンは遠くチベットを源流とするメコン川と、カンボジアの北東にあるトンレサップ湖から流れ出したトンレサップ川がち

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伊坂幸太郎という作家。

伊坂幸太郎という作家。

本屋に行くのが好きだ。
週末には必ずと言っていいほど、フラフラと本屋に寄っている。
30分以上も物色して結局何も買わずに店をあとにすることもあれば、買う気がなかったのに気づくと5冊以上の本を抱えてレジに並んでいることもある。

大型書店の店頭には話題の本たちがずらりと並んでいる。
ビジネス書を前面に出している書店もあるにはあるが、店頭に並ぶ本の多くは決まって小説だ。「ポップとか推薦文って本当に読み

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インドの牛とベトナムのバイクが教えてくれた私の常識。

インドの牛とベトナムのバイクが教えてくれた私の常識。

みんなが常識だと思っていることに対して、「こういう見方もできるんじゃない?」と言える人を、私は結構尊敬していたりする。

自分が考えていることを披露したいっていう自意識をおくびにも出さずに、押し付けがましくない感じでさらっと言える人なら尚更だ。

去年の10月、たまたま出張の機会を得て、人生で初めてのインドに降り立った。「インドって空港に着いた瞬間からカレーの匂いがするらしいよ」とある先輩が言って

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ゲームにハマってみたいぜ。

ゲームにハマってみたいぜ。

ハマるという状態は、山頂のように意図的に目指して登っていくようなものではなく、好きを追っていてふと振り返ってみた時に気づく絶景のように、「気がついたらそこにある」ものだと思うが、社会人になりたての頃、私は無性にこう思っていた。

「ゲームにハマってみたいぜ。」

私の実家はゲーム禁止だった。ゲームの話で盛り上がる友達がうらやましくなり、ゲームを買ってもらうようあの手この手で交渉しようとする私(と兄

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常連さんはあきらめた。

常連さんはあきらめた。

いつでも気軽にお店に行けるようなお客さんにはなりたい。でも、そんなにお店の人と仲良くなりたくない。

私はなかなかに面倒くさい人間だ。

去年の11月に引っ越しをした。都内のNという街から、これまた都内のSという街へだ。

都内間の移動とはいえ、東京は駅の単位で雰囲気ががらりと変わる。ある駅の周辺は下町情緒溢れるエリアかと思いきや、隣の駅周辺は最近流行りのおしゃれなカフェが立ち並ぶエリアだったりす

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あの熱気と混沌が恋しい。

あの熱気と混沌が恋しい。

時々、整然とした綺麗な場所を飛び出して、雑多でちょっと汚い場所に行きたいと思うことはないだろうか。

私はある。

最近は特に、コロナ後に再び国境が開かれたあたりから、なかなかの頻度で、ある。

今年の6月の末に、約1年2ヶ月関わっていたPJを離任することになった。コンサル業界では珍しい長さというわけではないが、数としては3ヶ月や6ヶ月のPJが多いため、少しだけ長く関わらせてもらったPJだった。

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ある休日の午前中、ミスド。

ある休日の午前中、ミスド。

レジでお会計を済ませ、二人掛けの席のソファ側に壁を背にするように座り、周囲を見渡してみる。

向かい合ってお互いに少し身を乗り出し、ヒソヒソと会話をしているカップル。
スマホを片手に母親の話を聞きながら、面倒くさそうに相槌を打つ女子高生。
一人黙々と本を読む中年男性。
テーブルに置いたスマホを覗き込みながら、クスクスと笑っている男子大学生。

客層はいつもバラバラ。
老若男女が思い思いの過ごし方を

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ああ なんて普通の日だろう。

ああ なんて普通の日だろう。

普通の日を、気負いなく等身大で過ごすのって、実は結構難しいんだなぁと社会人になってよく考えるようになった。

会社のストレスやプレッシャーがない休日でさえ、いや、休日だからこそ、意外と難しいのかもしれない。

今日はフラットに普通の日を楽しめて満足しているからこそ、冷静にそんなことを考えられる。

社会人も気づけば3年目。次の10月を迎えると4年目に突入する。

石の上にも3年なんて言ったりするか

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ネガティブはもうお腹いっぱい。とか言いたい。

ネガティブはもうお腹いっぱい。とか言いたい。

「できることなら、できる限り楽しく生きたい。」

どうやら私の脳みそは、デフォルトとしてある出来事をとにかく難しく悲観的に考える仕様になっているみたいだ。

加えて、回り始めると何かの外部刺激を意図的に起こさない限りは永遠にグルグルと回り続ける仕様でもあるらしい。

そして熱を持ったPCがロクな仕事ができなくなるように、ただただエネルギーを消費し、大した結論も出ず、気分を落ち込ませる。

先日の夜

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世間からの消え方。

世間からの消え方。

自分は心が弱い人間で、それ故に、さらっと報道されさらっと忘れられていくニュースとても感情移入してしまうことがある。

そしてその当事者とそのご家族のことを想像して、(自分ができることは何一つとしてないとはわかっているのに)くよくよと思いを巡らせてしまうことがある。

仕事の合間に昼ごはんを用意している時だった気がする。

起きてきてスマホを見ていた妻からぼそっと、重くも軽くもないトーンで言われた。

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初対面大苦手症候群

初対面大苦手症候群

私は初対面の会話が苦手だ。

いや、苦手という言葉ではその苦手度が表せていないかもしれない。

できることならば積極的に避けたいくらい、大苦手だ。

この初対面大苦手症候群は、遅くとも小学生の時からすでに発症している。

小学校6年生のとき、こんなことがあった。

私は小学校4年生の終わりから、父がコーチをしていた影響からバスケを始めた。

そして6年生になった時にはチームのキャプテンを任された。

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目の端に見えるアレが気になってしょうがない。

目の端に見えるアレが気になってしょうがない。

5時間45分と66回。

先週一週間のうち、スマホを開いていた平均時間とスマホを持ち上げた平均回数だ。
(iPhoneのスクリーンタイム調べの数値。これを見ている間にも、1分1秒と「開いていた時間」が加算されており、「持ち上げた回数」も確実に1回分加算されていると思うと複雑な気持ちになる)

「平均」と書いているからお分かりかとは思うが、改めて強調しておく。

これは「7日間の合計」ではない。あく

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悪に勝てないヒーロー。

悪に勝てないヒーロー。

私がそれを初めて知ったのは、敬愛する小説家・伊坂幸太郎の小説「SOSの猿」を読んだ時だった。

(「SOSの猿」はカジュアルな小説ファンにはあまり知られていない小説だが、その語りと構成によって、読者を作品の世界に引き込み、虚構と事実を錯覚させる傑作だと思っている。現時点で「フーガはユーガ」の前までの文庫本を全て読んでいるが、「SOSの猿」は「アヒルと鴨のコインロッカー」や「オーデュボンの祈り」と勝

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