しゅうせい

旅。日本酒。本。NBA。音楽。ローカル。温泉。自然。ヤギ。ゴールデンレトリバー。なんと…

しゅうせい

旅。日本酒。本。NBA。音楽。ローカル。温泉。自然。ヤギ。ゴールデンレトリバー。なんとか。かんとか。

最近の記事

行き当たりばっ旅 -カンボジア・タイ紀行 2-

旅慣れしている人の界隈では、プノンペンはあまり観光スポットがない街という認識が広がっているようだ。 私は旅行前に結構下調べをする方だが、観光地をランキング形式で紹介してくれるページでは、プノンペンの観光地ランキングを紹介する前に決まってこの類の枕詞を付けていた。 『プノンペンは観光地が少ないと思われがちですが』 実際には誰がそう思っているのかは不明だが(少なくとも私はプノンペンのことをほとんど知らなかったので観光地が多いか少ないか以前の問題だった)確かにカンボジアといえばアン

    • プノンペンに逃げてきた -カンボジア・タイ紀行 1-

      成田空港からホーチミン での乗り換えを経て約7時間、乗っている飛行機がカンボジア・プノンペンの大地を眼下にはっきりと捉えた頃には、すっかり夕方になっていた。 窓際の席、読んでいた村上春樹から顔を上げ飛行機特有の小さい窓を覗き込んで、違和感に気がついた。 「あれ?川が氾濫してない?」 プノンペンは遠くチベットを源流とするメコン川と、カンボジアの北東にあるトンレサップ湖から流れ出したトンレサップ川がちょうど合流する位置にある。そういう意味で土地に占める水辺の割合が多いのは当然では

      • 供養。

        星野源さんの言葉で、面白いなぁと思った言葉がある。 「嫌な出来事ほど、面白く話す。そうじゃないと本当に嫌な経験として終わってしまう」 そのポリシーめちゃくちゃ素敵だなぁと思うし、是非ともそう生きたいが、なかなか難しい。 わかっていてもそんな心の広いこと、自分にはできないなと思っていたが、最近気づいたことがある。 「別に面白く話せないようなドロドロした思い出も、書き残しておいて後から見返すとなかなか味わい深い(と少なくとも自分だけは思える)」 この間、ひょんなことから日記

        • 伊坂幸太郎という作家。

          本屋に行くのが好きだ。 週末には必ずと言っていいほど、フラフラと本屋に寄っている。 30分以上も物色して結局何も買わずに店をあとにすることもあれば、買う気がなかったのに気づくと5冊以上の本を抱えてレジに並んでいることもある。 大型書店の店頭には話題の本たちがずらりと並んでいる。 ビジネス書を前面に出している書店もあるにはあるが、店頭に並ぶ本の多くは決まって小説だ。「ポップとか推薦文って本当に読みたい気分にさせてくるよなぁ」なんて思いながらいつもそのラインナップを眺めるが、こ

        行き当たりばっ旅 -カンボジア・タイ紀行 2-

          インドの牛とベトナムのバイクが教えてくれた私の常識。

          みんなが常識だと思っていることに対して、「こういう見方もできるんじゃない?」と言える人を、私は結構尊敬していたりする。 自分が考えていることを披露したいっていう自意識をおくびにも出さずに、押し付けがましくない感じでさらっと言える人なら尚更だ。 去年の10月、たまたま出張の機会を得て、人生で初めてのインドに降り立った。「インドって空港に着いた瞬間からカレーの匂いがするらしいよ」とある先輩が言っていたことはめちゃくちゃ嘘だったが、そんなことも言いたくなる気持ちがわかるくらい、

          インドの牛とベトナムのバイクが教えてくれた私の常識。

          ゲームにハマってみたいぜ。

          ハマるという状態は、山頂のように意図的に目指して登っていくようなものではなく、好きを追っていてふと振り返ってみた時に気づく絶景のように、「気がついたらそこにある」ものだと思うが、社会人になりたての頃、私は無性にこう思っていた。 「ゲームにハマってみたいぜ。」 私の実家はゲーム禁止だった。ゲームの話で盛り上がる友達がうらやましくなり、ゲームを買ってもらうようあの手この手で交渉しようとする私(と兄)に父はこう言った。 「ゲームは自分が遊んでいるように見えるけど、ただゲームを

          ゲームにハマってみたいぜ。

          常連さんはあきらめた。

          いつでも気軽にお店に行けるようなお客さんにはなりたい。でも、そんなにお店の人と仲良くなりたくない。 私はなかなかに面倒くさい人間だ。 去年の11月に引っ越しをした。都内のNという街から、これまた都内のSという街へだ。 都内間の移動とはいえ、東京は駅の単位で雰囲気ががらりと変わる。ある駅の周辺は下町情緒溢れるエリアかと思いきや、隣の駅周辺は最近流行りのおしゃれなカフェが立ち並ぶエリアだったりする。引っ越しの時にはいつも(上京してから今の街で3ヶ所目)、次の街はどんな雰囲気

          常連さんはあきらめた。

          あの熱気と混沌が恋しい。

          時々、整然とした綺麗な場所を飛び出して、雑多でちょっと汚い場所に行きたいと思うことはないだろうか。 私はある。 最近は特に、コロナ後に再び国境が開かれたあたりから、なかなかの頻度で、ある。 今年の6月の末に、約1年2ヶ月関わっていたPJを離任することになった。コンサル業界では珍しい長さというわけではないが、数としては3ヶ月や6ヶ月のPJが多いため、少しだけ長く関わらせてもらったPJだった。 上長のEさんには非常によくしていただいた。今回もEさんのご好意で離任時にPJメ

          あの熱気と混沌が恋しい。

          ある休日の午前中、ミスド。

          レジでお会計を済ませ、二人掛けの席のソファ側に壁を背にするように座り、周囲を見渡してみる。 向かい合ってお互いに少し身を乗り出し、ヒソヒソと会話をしているカップル。 スマホを片手に母親の話を聞きながら、面倒くさそうに相槌を打つ女子高生。 一人黙々と本を読む中年男性。 テーブルに置いたスマホを覗き込みながら、クスクスと笑っている男子大学生。 客層はいつもバラバラ。 老若男女が思い思いの過ごし方をしている休日の午前中のミスタードーナツが好きだ。 小さい頃からミスドが好きだっ

          ある休日の午前中、ミスド。

          ああ なんて普通の日だろう。

          普通の日を、気負いなく等身大で過ごすのって、実は結構難しいんだなぁと社会人になってよく考えるようになった。 会社のストレスやプレッシャーがない休日でさえ、いや、休日だからこそ、意外と難しいのかもしれない。 今日はフラットに普通の日を楽しめて満足しているからこそ、冷静にそんなことを考えられる。 社会人も気づけば3年目。次の10月を迎えると4年目に突入する。 石の上にも3年なんて言ったりするからとりあえず3年以上は会社に属して仕事をやってみているが、約4年も同じ仕事をして

          ああ なんて普通の日だろう。

          ネガティブはもうお腹いっぱい。とか言いたい。

          「できることなら、できる限り楽しく生きたい。」 どうやら私の脳みそは、デフォルトとしてある出来事をとにかく難しく悲観的に考える仕様になっているみたいだ。 加えて、回り始めると何かの外部刺激を意図的に起こさない限りは永遠にグルグルと回り続ける仕様でもあるらしい。 そして熱を持ったPCがロクな仕事ができなくなるように、ただただエネルギーを消費し、大した結論も出ず、気分を落ち込ませる。 先日の夜、こんなことがあった。確か3連休の中日だった気がする。 日中は普通に行きつけの

          ネガティブはもうお腹いっぱい。とか言いたい。

          世間からの消え方。

          自分は心が弱い人間で、それ故に、さらっと報道されさらっと忘れられていくニュースとても感情移入してしまうことがある。 そしてその当事者とそのご家族のことを想像して、(自分ができることは何一つとしてないとはわかっているのに)くよくよと思いを巡らせてしまうことがある。 仕事の合間に昼ごはんを用意している時だった気がする。 起きてきてスマホを見ていた妻からぼそっと、重くも軽くもないトーンで言われた。 「あのタレントのRさん、亡くなったみたいね。自殺だったって。」 私はそのR

          世間からの消え方。

          初対面大苦手症候群

          私は初対面の会話が苦手だ。 いや、苦手という言葉ではその苦手度が表せていないかもしれない。 できることならば積極的に避けたいくらい、大苦手だ。 この初対面大苦手症候群は、遅くとも小学生の時からすでに発症している。 小学校6年生のとき、こんなことがあった。 私は小学校4年生の終わりから、父がコーチをしていた影響からバスケを始めた。 そして6年生になった時にはチームのキャプテンを任された。 キャプテンというとコミュニケーションに長けているイメージがあるかもしれないが

          初対面大苦手症候群

          目の端に見えるアレが気になってしょうがない。

          5時間45分と66回。 先週一週間のうち、スマホを開いていた平均時間とスマホを持ち上げた平均回数だ。 (iPhoneのスクリーンタイム調べの数値。これを見ている間にも、1分1秒と「開いていた時間」が加算されており、「持ち上げた回数」も確実に1回分加算されていると思うと複雑な気持ちになる) 「平均」と書いているからお分かりかとは思うが、改めて強調しておく。 これは「7日間の合計」ではない。あくまで「1日あたりの平均」である。 そして当然ながら、1日あたりの平均に7をかけ

          目の端に見えるアレが気になってしょうがない。

          悪に勝てないヒーロー。

          私がそれを初めて知ったのは、敬愛する小説家・伊坂幸太郎の小説「SOSの猿」を読んだ時だった。 (「SOSの猿」はカジュアルな小説ファンにはあまり知られていない小説だが、その語りと構成によって、読者を作品の世界に引き込み、虚構と事実を錯覚させる傑作だと思っている。現時点で「フーガはユーガ」の前までの文庫本を全て読んでいるが、「SOSの猿」は「アヒルと鴨のコインロッカー」や「オーデュボンの祈り」と勝るとも劣らない作品だと思う) それの放つ独特な存在感に魅せられ、いつしかこの目

          悪に勝てないヒーロー。

          記憶にございません。

          悩みというほどのことではないが、自分のことで小さい頃から気になっていることがある。 「話の内容は覚えられるが、話していたシーンを覚えることが非常に苦手」 この話、今まで何回か人に話したことはあるが一度も理解が得られた試しはない。 まぁ、それも無理はないと思う。 自分も友達にこんなことを言われたら、早く帰って寝るように説得するし、翌朝起きても治らなかったら速攻でMRI検査に行くことをお勧めする。 自分でもよくわからないのだが、とりあえず順を追って説明してみるとこんな感

          記憶にございません。