なごみ

茶道歴10年。表千家。 日本の文化や日々の暮らしの豊かさに魅了され、日本人が日本を誇り…

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茶道歴10年。表千家。 日本の文化や日々の暮らしの豊かさに魅了され、日本人が日本を誇りに思うきっかけをつくりたいです。 地方で築100年弱の町家暮らしをする30代会社員女。 好きなこと→茶道・古いもの・散歩・ラジオ・お酒・お笑い

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固定された記事

私と茶の湯

社会人になって久しい30歳代の私ですが、茶の湯との出会いは大学時代に遡ります。以降、離れた時期もありますが、今はすっかり茶の湯に魅了され、もっと知りたいと思うよう…

なごみ
4か月前
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わたしが考える「地方の豊かさ」とは

「自然豊かな環境で家族と一緒にのんびり過ごせます」 地方移住のうたい文句では、こんな表現を全国各地でよく聞く。 わたしは地方に住んでいて、地方の魅力を日々実感して…

なごみ
5日前
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【表千家同門会】同門 令和6年5月号

千家十職  塗師 中村宗哲[二] 当代十三代による千家十職としての思いを語る。 「千家の職家として肝に命じているのは、私自身の作品ではなく、お家元のお道具をつく…

なごみ
11日前

フランス人は10着しか服を持たない【読書録】

10年前に出版され大ヒットとなった本書。 気になってはいたが手に取ることがなかったが、最近古本屋に並んでいたときに目が合った。今の自分が読みたい本だと感じ、読み進…

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2週間前
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はじめての掛軸

床のある町家に引越し半年が過ぎ、 ようやく床に掛軸をお迎えすることができました。 ネットや小道具屋を物色していたのですが、用途や予算に合うものを探すのは思いの外…

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2週間前
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仕事第一主義になっている社会

世界的に見ても、日本人は働きすぎとよく言われている。長時間労働からの過労死問題も深刻であり、近年では「Karoushi」と世界的に取り上げられているほどである。 例にも…

なごみ
2週間前
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静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す 【読書録】

仕事の過労から休職中の時に見つけた本書。 『「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す』という副題に惹かれ、すぐに手に取った。 休職中は仕事との向き合い方、付き合い方…

なごみ
2か月前
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茶の湯体験での着物

お茶の先生がお知り合いの方々をお茶室に招かれ、お茶をふるまう体験会のお手伝いをしてきました。 お茶に馴染みのない方が多かったので、ゆったりとした気持ちでお茶を楽…

なごみ
3か月前
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お茶の稽古は着物で

茶道の稽古に、お気に入りの着物を着ました。 着物で稽古をすると、身が引き締まり、美しい所作ができるよう自然と気を配ります。 【着物】 紬・袷・大花柄 【帯】 織・…

なごみ
3か月前
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お茶会参加後はお礼の手紙を

手紙を書くことが仰々しく感じるほど、書く機会が少なくなってしまっています。 小学生の時は、ともだちと手紙のやり取りをすることが大好きだったのに。 お茶の世界では…

なごみ
3か月前
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新年初稽古の着物

社中の初稽古では、赤さび色の色無地に白黒の大花柄の帯を合わせました。祖母から譲り受けた着物で、初めて袖を通しました。 茶道をはじめて年数が経ち、着物を着る機会が…

なごみ
3か月前
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社中の初稽古 穏やかな日々への祈り

私が通っている表千家茶道の稽古場での初稽古がありました。 通常は新しい年を迎えられたことへの祝いとして、年のはじめに釜をかけることを「初釜」といいますが、今年は…

なごみ
3か月前

茶室の第一の道具・掛物

茶室の床の間には、掛物がかけられています。茶室に入るとまず掛物の前に行き、一礼をして拝見をします。他の道具も拝見をしますが、お辞儀をするのは唯一掛物だけです。 …

なごみ
3か月前
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一人暮らし・食材の買い物は週一で充分【休職しての気付き】

日々、会社員として働く私は、それなりに忙しい。22時以降に帰宅する日が続くことがざらである。 無理がたたり年末から体調を崩し、今年に入って休暇をいただくことになっ…

なごみ
3か月前
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30歳女性・人によって生き方が異なることを体感

30歳の女性が集まると、「生き方」が異なることを体感する。 結婚したり、出産したり、起業や転職したりと、これまでも同じ歳の女性のライフスタイルの変化を目の当たりに…

なごみ
3か月前
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千利休 美意識の体現者

千利休、わび茶を大成させた人物として有名ですが、茶の道に入る人は皆、彼の美を追究する精神性に大きく影響を受けるのではないでしょうか。少なくとも私は、自分なりの美…

なごみ
3か月前
9
私と茶の湯

私と茶の湯

社会人になって久しい30歳代の私ですが、茶の湯との出会いは大学時代に遡ります。以降、離れた時期もありますが、今はすっかり茶の湯に魅了され、もっと知りたいと思うようになりました。これまでの付き合いを綴ります。

「なんとなく」心地いいという感覚

大学に入学し、どんなサークル、部活に入ろうかと胸を躍らせていた入学当初。いろいろなサークル・部活に顔を出している中、茶道部の体験会に参加した時、「日本文化

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わたしが考える「地方の豊かさ」とは

わたしが考える「地方の豊かさ」とは

「自然豊かな環境で家族と一緒にのんびり過ごせます」
地方移住のうたい文句では、こんな表現を全国各地でよく聞く。
わたしは地方に住んでいて、地方の魅力を日々実感している。そんな私が移住者向けにアピールするとしたら「自分が必要な情報を自分でつかみ取り、土地の味わい深さを堪能し、
五感を刺激する日々を過ごせます」といったところか。

コロナ禍を経て地方移住の動きがみられるかと思ったが、東京一極集中の流れ

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【表千家同門会】同門 令和6年5月号

【表千家同門会】同門 令和6年5月号

千家十職  塗師 中村宗哲[二]

当代十三代による千家十職としての思いを語る。
「千家の職家として肝に命じているのは、私自身の作品ではなく、お家元のお道具をつくらせていただいているということに尽きます」
「お家元のご意向に叶う道具を、つくり手の感性を通して表現するにはどうすればよいかをとことんまで考え、常に自分を一歩引いて見る客観性が大切であると思っております」
千家十職は、作家であり職人でもあ

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フランス人は10着しか服を持たない【読書録】

フランス人は10着しか服を持たない【読書録】

10年前に出版され大ヒットとなった本書。
気になってはいたが手に取ることがなかったが、最近古本屋に並んでいたときに目が合った。今の自分が読みたい本だと感じ、読み進めた。

アメリカの典型的なカリフォルニアガールだった筆者が、大学生の時にフランスへ留学し、ホストファミリーとの生活から、パリらしいシックなライフスタイルに感銘を受け、体験とそこからの気付きを記している。

ホストファミリーの家庭が由緒の

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はじめての掛軸

はじめての掛軸

床のある町家に引越し半年が過ぎ、
ようやく床に掛軸をお迎えすることができました。

ネットや小道具屋を物色していたのですが、用途や予算に合うものを探すのは思いの外難しく、時間をかけて気になるものを見つけました。

お気に入りの掛軸は、宗旦筆 瓢箪画賛です。
『瓢箪の達磨に成るもどふりなり 芦の葉に乗る程の身なれば』

瓢箪を達磨に見立てています。達磨というのは、禅宗の祖である中国の達磨大師です。

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仕事第一主義になっている社会

仕事第一主義になっている社会

世界的に見ても、日本人は働きすぎとよく言われている。長時間労働からの過労死問題も深刻であり、近年では「Karoushi」と世界的に取り上げられているほどである。
例にもれず私も長時間労働に悩まされた一人である。数カ月前に過労からの精神疾患と診断され、1か月休職をしていた。働きはじめて10年近くであるが、こんなにまとまって仕事をしなかったことが無く、この1か月は私にとって思考も身体も変わるきっかけを

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静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す 【読書録】

静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す 【読書録】

仕事の過労から休職中の時に見つけた本書。
『「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す』という副題に惹かれ、すぐに手に取った。
休職中は仕事との向き合い方、付き合い方を悩み続けていたため、自分にとってのヒントを探したく読んだところ、もやもやしたものを少し晴らすことができた。

静かな働き方 「ほどよい」時間でじぶん時間を取り戻す
/シモーヌ・ストルゾフ 著  大熊希美 訳

本書は9章にわたって展開さ

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茶の湯体験での着物

茶の湯体験での着物

お茶の先生がお知り合いの方々をお茶室に招かれ、お茶をふるまう体験会のお手伝いをしてきました。

お茶に馴染みのない方が多かったので、ゆったりとした気持ちでお茶を楽しんでもらいたいと思って、お点前をさせていただきました。

少しの緊張感も茶の湯ならではの楽しみですが、初めての場合は緊張しすぎて楽しむ余裕がなくなってしまうことは避けたいです。
先生があたたかく丁寧にお話をされ、皆さんお茶室のしつらえや

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お茶の稽古は着物で

お茶の稽古は着物で

茶道の稽古に、お気に入りの着物を着ました。
着物で稽古をすると、身が引き締まり、美しい所作ができるよう自然と気を配ります。

【着物】
紬・袷・大花柄

【帯】
織・名古屋帯

きものには「染め」と「織り」があり、「染め」がフォーマル、「織り」がカジュアルとされています。
そして、「染め」にも手描き友禅、型染め、ぼかし染めなど、「織り」にも紬、木綿、御召、麻などのいろいろな種類があります。
また、

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お茶会参加後はお礼の手紙を

お茶会参加後はお礼の手紙を

手紙を書くことが仰々しく感じるほど、書く機会が少なくなってしまっています。
小学生の時は、ともだちと手紙のやり取りをすることが大好きだったのに。

お茶の世界では、手紙を書くことが重んじられています。
お茶会への案内、茶会に参加したお礼、依頼やお詫びなど、いろいろな場面で手紙を書きます。

正直、慣れないうちは、手紙のフォーマット、季節の言葉を検索して、ほとんど真似して書くだけで精一杯でした。

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新年初稽古の着物

新年初稽古の着物

社中の初稽古では、赤さび色の色無地に白黒の大花柄の帯を合わせました。祖母から譲り受けた着物で、初めて袖を通しました。

茶道をはじめて年数が経ち、着物を着る機会が増えている割には、全く上達しない着付け。少し時間ができたので、やっと知り合いの着付け講師の方にご指導をいただくことができました。
初稽古の前の2日間、みっちりご指導をいただき、なんとか着れるようになりました。

1つ1つの動作を無駄がない

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社中の初稽古 穏やかな日々への祈り

社中の初稽古 穏やかな日々への祈り

私が通っている表千家茶道の稽古場での初稽古がありました。
通常は新しい年を迎えられたことへの祝いとして、年のはじめに釜をかけることを「初釜」といいますが、今年は諸般の事情により初稽古が行われました。
元日に能登半島地震という大災害が起こり、皆さんお祝いごとをできる心持ではなく、初稽古という形で集まることとなりました。

表千家家元の初釜では毎年、元伯宗旦筆「春入千林処々鶯」の掛物が掛けられます。私

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茶室の第一の道具・掛物

茶室の第一の道具・掛物

茶室の床の間には、掛物がかけられています。茶室に入るとまず掛物の前に行き、一礼をして拝見をします。他の道具も拝見をしますが、お辞儀をするのは唯一掛物だけです。

千利休のわび茶の思想を伝える『南方録』という古書にも、客も亭主も共に茶の湯を極めようとする者にとって、なくてはならない物であると伝えられています。

亭主の気持ちを表現することができる茶室の最上位である床の間に掛けられ、師匠が弟子に向かっ

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一人暮らし・食材の買い物は週一で充分【休職しての気付き】

一人暮らし・食材の買い物は週一で充分【休職しての気付き】

日々、会社員として働く私は、それなりに忙しい。22時以降に帰宅する日が続くことがざらである。
無理がたたり年末から体調を崩し、今年に入って休暇をいただくことになった。社会人生活10年弱、1週間の休みもとれたことがなかったので、非常に新鮮だ。

多忙な毎日を過ごしていた一方、日頃のくらしを大切にしたいという想いが募っていた。その想いと現実との差が、自分を苦しめていた原因だろう。

これまでは、2日で

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30歳女性・人によって生き方が異なることを体感

30歳女性・人によって生き方が異なることを体感

30歳の女性が集まると、「生き方」が異なることを体感する。

結婚したり、出産したり、起業や転職したりと、これまでも同じ歳の女性のライフスタイルの変化を目の当たりにしてきた。
しかし、30歳になり「人それぞれの人生を歩んでいる」ということが、すっと諭されるような感覚を覚えたのだ。

保育所時代から25年程度付き合っている友人に、子どもができた。彼女は大学卒業後、激務の会社員生活を過ごし、妊娠しその

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千利休 美意識の体現者

千利休 美意識の体現者

千利休、わび茶を大成させた人物として有名ですが、茶の道に入る人は皆、彼の美を追究する精神性に大きく影響を受けるのではないでしょうか。少なくとも私は、自分なりの美意識を深く追い求める生き方に、非常に惹かれていきました。

1522年に大坂・堺の魚問屋に生まれ、堺の豪商である武野紹鴎に茶の湯を学び、わび茶を大成させます。織田信長や豊臣秀吉の茶頭として仕え、特に秀吉には茶頭の筆頭として仕え、世に「天下一

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