なごみ

茶道歴10年。表千家。 日本の文化や日々の暮らしの豊かさに魅了され、日本人が日本を誇り…

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茶道歴10年。表千家。 日本の文化や日々の暮らしの豊かさに魅了され、日本人が日本を誇りに思うきっかけをつくりたいです。 地方で築100年弱の町家暮らしをする30代会社員女。 好きなこと→茶道・古いもの・散歩・ラジオ・お酒・お笑い

最近の記事

仕事第一主義になっている社会

世界的に見ても、日本人は働きすぎとよく言われている。長時間労働からの過労死問題も深刻であり、近年では「Karoushi」と世界的に取り上げられているほどである。 例にもれず私も長時間労働に悩まされた一人である。数カ月前に過労からの精神疾患と診断され、1か月休職をしていた。働きはじめて10年近くであるが、こんなにまとまって仕事をしなかったことが無く、この1か月は私にとって思考も身体も変わるきっかけをくれた貴重な時期となった。 元来、私は仕事大好き人間ではないし、興味はあるが

    • 静かな働き方 「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す 【読書録】

      仕事の過労から休職中の時に見つけた本書。 『「ほどよい」仕事でじぶん時間を取り戻す』という副題に惹かれ、すぐに手に取った。 休職中は仕事との向き合い方、付き合い方を悩み続けていたため、自分にとってのヒントを探したく読んだところ、もやもやしたものを少し晴らすことができた。 静かな働き方 「ほどよい」時間でじぶん時間を取り戻す /シモーヌ・ストルゾフ 著  大熊希美 訳 本書は9章にわたって展開されており、各章でもともと仕事人間だった人たちの事例が紹介されている。 それぞれの

      • 茶の湯体験での着物

        お茶の先生がお知り合いの方々をお茶室に招かれ、お茶をふるまう体験会のお手伝いをしてきました。 お茶に馴染みのない方が多かったので、ゆったりとした気持ちでお茶を楽しんでもらいたいと思って、お点前をさせていただきました。 少しの緊張感も茶の湯ならではの楽しみですが、初めての場合は緊張しすぎて楽しむ余裕がなくなってしまうことは避けたいです。 先生があたたかく丁寧にお話をされ、皆さんお茶室のしつらえやお道具を楽しんでいらっしゃいました。 お点前をした私に対しても、ひとりひとり「美

        • お茶の稽古は着物で

          茶道の稽古に、お気に入りの着物を着ました。 着物で稽古をすると、身が引き締まり、美しい所作ができるよう自然と気を配ります。 【着物】 紬・袷・大花柄 【帯】 織・名古屋帯 きものには「染め」と「織り」があり、「染め」がフォーマル、「織り」がカジュアルとされています。 そして、「染め」にも手描き友禅、型染め、ぼかし染めなど、「織り」にも紬、木綿、御召、麻などのいろいろな種類があります。 また、帯も「染め」と「織り」があり、着物と逆で、「織り」がフォーマル、「染め」がカジュ

        仕事第一主義になっている社会

          お茶会参加後はお礼の手紙を

          手紙を書くことが仰々しく感じるほど、書く機会が少なくなってしまっています。 小学生の時は、ともだちと手紙のやり取りをすることが大好きだったのに。 お茶の世界では、手紙を書くことが重んじられています。 お茶会への案内、茶会に参加したお礼、依頼やお詫びなど、いろいろな場面で手紙を書きます。 正直、慣れないうちは、手紙のフォーマット、季節の言葉を検索して、ほとんど真似して書くだけで精一杯でした。 何事も慣れとはこのことで、何回も節目ごとに書くことで、徐々に自分の言葉を込めれるよ

          お茶会参加後はお礼の手紙を

          魅惑のプラネタリウム・クオリティの高さに圧倒

          大人になって初めてプラネタリウムに行った。 近所の公共のプラネタリウムである。 一言で言えば、圧巻であった。 わたしは天体に全く明るくないのだが、わかりやすく、そして何より映像のクオリティが高かった。 360°全方位に映像が映し出される空間自体が新鮮で、座席が倒れるシートで全体を見渡し、星空の大きさを実感した。 はじめに、今日の星空の解説を会場の解説員の方にしていただいた。 木星が一番光って見えるが、星座ではないし、動くという。地球は1年かけて1周しているが、木星は12

          魅惑のプラネタリウム・クオリティの高さに圧倒

          新年初稽古の着物

          社中の初稽古では、赤さび色の色無地に白黒の大花柄の帯を合わせました。祖母から譲り受けた着物で、初めて袖を通しました。 茶道をはじめて年数が経ち、着物を着る機会が増えている割には、全く上達しない着付け。少し時間ができたので、やっと知り合いの着付け講師の方にご指導をいただくことができました。 初稽古の前の2日間、みっちりご指導をいただき、なんとか着れるようになりました。 1つ1つの動作を無駄がないようにすることが大切であることを教えていただきました。ひもの結び方や左右どちらの

          新年初稽古の着物

          社中の初稽古 穏やかな日々への祈り

          私が通っている表千家茶道の稽古場での初稽古がありました。 通常は新しい年を迎えられたことへの祝いとして、年のはじめに釜をかけることを「初釜」といいますが、今年は諸般の事情により初稽古が行われました。 元日に能登半島地震という大災害が起こり、皆さんお祝いごとをできる心持ではなく、初稽古という形で集まることとなりました。 表千家家元の初釜では毎年、元伯宗旦筆「春入千林処々鶯」の掛物が掛けられます。私の社中でも、家元のしつらえになぞらえて先生がご準備なされています。 春入千林処

          社中の初稽古 穏やかな日々への祈り

          茶室の第一の道具・掛物

          茶室の床の間には、掛物がかけられています。茶室に入るとまず掛物の前に行き、一礼をして拝見をします。他の道具も拝見をしますが、お辞儀をするのは唯一掛物だけです。 千利休のわび茶の思想を伝える『南方録』という古書にも、客も亭主も共に茶の湯を極めようとする者にとって、なくてはならない物であると伝えられています。 亭主の気持ちを表現することができる茶室の最上位である床の間に掛けられ、師匠が弟子に向かって教え諭しているように、客にも亭主にも共に茶の湯の教えを示しています。 これが

          茶室の第一の道具・掛物

          一人暮らし・食材の買い物は週一で充分【休職しての気付き】

          日々、会社員として働く私は、それなりに忙しい。22時以降に帰宅する日が続くことがざらである。 無理がたたり年末から体調を崩し、今年に入って休暇をいただくことになった。社会人生活10年弱、1週間の休みもとれたことがなかったので、非常に新鮮だ。 多忙な毎日を過ごしていた一方、日頃のくらしを大切にしたいという想いが募っていた。その想いと現実との差が、自分を苦しめていた原因だろう。 これまでは、2日でも休みがあれば、旅行をしたりと予定を詰め込んでいたのだが、今回の休みは「自分の心

          一人暮らし・食材の買い物は週一で充分【休職しての気付き】

          30歳女性・人によって生き方が異なることを体感

          30歳の女性が集まると、「生き方」が異なることを体感する。 結婚したり、出産したり、起業や転職したりと、これまでも同じ歳の女性のライフスタイルの変化を目の当たりにしてきた。 しかし、30歳になり「人それぞれの人生を歩んでいる」ということが、すっと諭されるような感覚を覚えたのだ。 保育所時代から25年程度付き合っている友人に、子どもができた。彼女は大学卒業後、激務の会社員生活を過ごし、妊娠しそのまま退社した。 一方の私は、仕事と趣味に比重を置きすぎて、結婚もおろか恋愛もろく

          30歳女性・人によって生き方が異なることを体感

          千利休 美意識の体現者

          千利休、わび茶を大成させた人物として有名ですが、茶の道に入る人は皆、彼の美を追究する精神性に大きく影響を受けるのではないでしょうか。少なくとも私は、自分なりの美意識を深く追い求める生き方に、非常に惹かれていきました。 1522年に大坂・堺の魚問屋に生まれ、堺の豪商である武野紹鴎に茶の湯を学び、わび茶を大成させます。織田信長や豊臣秀吉の茶頭として仕え、特に秀吉には茶頭の筆頭として仕え、世に「天下一の茶の湯者」と称されましたが、1591年に秀吉の命により自刃。 利休の美意識

          千利休 美意識の体現者

          私と茶の湯

          社会人になって久しい30歳代の私ですが、茶の湯との出会いは大学時代に遡ります。以降、離れた時期もありますが、今はすっかり茶の湯に魅了され、もっと知りたいと思うようになりました。これまでの付き合いを綴ります。 「なんとなく」心地いいという感覚 大学に入学し、どんなサークル、部活に入ろうかと胸を躍らせていた入学当初。いろいろなサークル・部活に顔を出している中、茶道部の体験会に参加した時、「日本文化ってなんかいいよなあ」と、なんとなく、そして感覚的に、入部を決めました。 今思う

          私と茶の湯

          日本の総合芸術「茶の湯」の世界への入り口

          「茶道」「茶の湯」と聞くと、それだけで距離を置いたり恐いイメージを持ったりされる方が多い印象です。 その気持ちも分かります。「間違ったことをすると怒られそう」というイメージがデフォルトになっているのでしょう。 しかし、私にとって茶の湯は、「正解がない」ということを体感させてくれ、「人それぞれの解釈がある」ことを受け入れることのできる存在です。そして、それが私が茶道に魅了されている大きな理由であります。 日本人であることに誇りを持っている私は、日本人の精神性を鍛える場として

          日本の総合芸術「茶の湯」の世界への入り口

          「自分らしさ」はいらない【読書録】

          「自分らしさ」はいらない くらしと仕事、成功のレッスン/松浦弥太郎著 松浦弥太郎さんの生き方、考え方が好きで、いくつかの本を読んできた。 この本は惹かれ、題名に惹かれて手にしたもの。 個が大切にされ、「自分らしく生きよう」ということをよく聞くようになった。その中で、松浦さんが言う『「自分らしさ」はいらない』という表現に強く興味を持ち、その真意を知りたいと思ったからだ。 本書が提唱しているのは、「心で考える」ということ。 日々、仕事や暮らしをしていると、ついつい頭でばかり考

          「自分らしさ」はいらない【読書録】

          稲垣えみ子×山口祐加トークイベント これからの家事の話をしよう 参加しました

          以前よりファンであるお二人のトークショーということで、オンラインで参加した。 『家事か地獄か』稲垣えみ子・著 『自分のために料理を作る』山口祐加・著 2冊の刊行記念として開催された、今回のトークショー。従来の家事に対する考え方を変える話を聞くことができた。 お二人のお話から、「家事」って簡単で、質素で、自分のための時間を使う幸せな行為なんだなと感じた。 毎日、同じことの繰り返しかもしれない。けれど、それが幸せなことなのかな、と考えさせられた。 「家事」をテーマとした話か

          稲垣えみ子×山口祐加トークイベント これからの家事の話をしよう 参加しました