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ショートエッセイ集

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過去の出来事の揺れ動く想いや感情を書き起こしています。封印してもいいけど、忘れたくないあの日の想い出たちをシェアします。
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還暦を迎えた父を見て、わたしは親のことを知らなかったと気付いた

還暦を迎えた父を見て、わたしは親のことを知らなかったと気付いた

「お父さん、お誕生日おめでとう」

先日還暦を迎えた父に、そうシンプルな文面のLINEをポチポチと打って送信する。

3歳の息子の「ハッピーバースデーの歌」の熱唱動画を添えて。

孫からのおめでとうの歌は、さぞ喜ぶだろうな……と、口元を緩めながら送信する。

数時間、父から自撮りの写真と、ファンである「ももいろクローバーZ」スタンプが送られてきた。

(え、自撮り?父が?)

そして、スタンプを使

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自分のことを初めて「記事」にしてもらったら、新たな自分を発見

4月1日。エイプリルフール。

現在、29歳。

もう、誰かにおもしろおかしいウソなんてついたり、つかれたりする歳ではない。

もともと昔から真面目で冗談が苦手で、人の困った顔を見るのが苦手だし、また、自分がされても上手く反応できないのだ。(そして相手にちょっとだけ申し訳なく思う)

自分の中の「おもしろさ」や「ユーモア」は前世にでも置き忘れてしまったのかもしれないなぁ……と感じていた。

もしか

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いつか終わりがあるから、咲き誇っていたい

いつか終わりがあるから、咲き誇っていたい

子どもの頃から、桜を見ると、心癒される反面、なぜか少し切なく寂しくなっていた。

昔から不思議だったこと。なぜなのだろう?

みんなそう思わないのかなぁ。

と以前主人に話してたところ「俺にはよく分からない」と言われた。

そうなのか。

これは自分だけの感覚なのかな。

自分なりに考えてみる。

咲き誇る満開の桜、ライトアップされている夜桜。春の季節の桜はさまざまな表情を見せる。

どこか、幻想

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母になり、世の中は「自分が思っているより優しいって」知った

母になり、世の中は「自分が思っているより優しいって」知った

親のほうが、子どもから教わることはたくさんあるなぁ……と思う。

書ききれないくらい、今までも。

そしてこれからも。



わたしには3歳の息子が一人いる。

毎日、やんちゃでよく動き回る元気いっぱいの息子。
喜怒哀楽、くるくるくるくる様々な表情を見せる。

それにともなって、わたしも喜怒哀楽くるくる変わる。

自分がこんなに感情豊かだったのか……と衝撃とともに思い出させてくれたのは、まぎれも

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「自分はどうしたいか?」と問いかけることで幸せは近づく

「自分はどうしたいか?」と問いかけることで幸せは近づく

「自分と関わった人はみんな幸せになる」

という生き方が、わたしの最終的な目標。

死ぬ間際にこの目標が叶っていて、人生の中で出会った色々な人の笑顔や感謝の言葉が浮かんでこの世を去れたら本当に幸せだろうなぁ…と心底思うのだ。

…ってなんかカッコよく言い切ったけど、わたしだってそんなポジティブな夢や目標を考えられるようになったのも、ほんの最近だ。

どちらかというとイメージすることは苦手だし、リス

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人生初の「責任」は吹奏楽部で出会った

人生初の「責任」は吹奏楽部で出会った

わたしの人生に大きく影響を与えた人物のひとり。

それは、まぎれもなく中学校の部活の顧問F先生だった。

今の自分の考え方や価値観のベースには部活から学んだことが大きい。

仲間と協力して何かを創り上げる難しさと達成感、1人でもお客さんがいるならプロ意識を持って物事に取り組むこと。努力が必ずしも結果に結びつくわけではないけど結果を出すには努力が必要なこと、物事を継続することの難しさや常に勉強するこ

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分岐点に立たされているわたしたち

分岐点に立たされているわたしたち

体調を崩して、寝込む日曜日。

「また、やってしまった…」

自分に呆れる。

「体調崩す前に充分に休むこと」がわたしは子どもの頃から苦手だ。

つい自分の体力を過信してしまうし、目の前のことに夢中だと忘れてしまうのだ。

本当に子どもみたいに。

息子の面倒を見ながら、重たい身体を休めつつ、何気なくスマホを眺める。

すると、わたしが尊敬する人が動画で、

「自分の心の琴線に触れる人達必ずいる。

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自分の思う親孝行ができなくても親は初めから幸せ

自分の思う親孝行ができなくても親は初めから幸せ

昔、「自分が理想とするような親孝行ができてないな…」って思っていた。

そして最近のこの社会状況からして、なかなか直接会えないなどで、「思うように親に何かができないな」って思う人ってわたし以外にも多いんだろうなぁ…と思う。

わたし自身、父は、母はずっと「あの人たちは幸せだったのかな?」って疑問に思うことが多かった。

だから、「何かわたしが親孝行なり、形に残ることをもっとしてあげたいな」と思って

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ありがとうを電波にのせて

ありがとうを電波にのせて

金曜日の夜。

家につき、ご飯を食べてホッと一息つく午後21時頃。

あぁ、今週もがんばったな。

なんて、大人達は1人自分を労う時間だろうか。

毎日、激動に変化する社会情勢。

テレビのニュースは、たくさんの情報を伝えてくれる。

インタビューに答える、道ゆく人の声。

不安になったり、これからどうなるのかな、と答えていたり…

テレビをつけていると、画面越しにもそんな渦巻く感情達が、家の中に

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