伊藤レオナ(在NY指揮者)

伊藤玲阿奈。指揮者・文筆家。NY市ハーレム在住(在米27年目)。武蔵野学院大学客員准教…

伊藤レオナ(在NY指揮者)

伊藤玲阿奈。指揮者・文筆家。NY市ハーレム在住(在米27年目)。武蔵野学院大学客員准教授 。08年プロデビュー後、カーネギーホールなど各地で指揮。14年「アメリカ賞」(プロオーケストラ指揮部門)受賞。20年『宇宙の音楽を聴く』(光文社新書)上梓。

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「ウィーンの教育?だから何?」~ウィーン音楽院の恩師との思い出(後編)

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「ウィーンの教育?だから何?」~ウィーン音楽院の恩師との思い出(中編)

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「素直に夢みる大切さ」~『虹の彼方に(Over the Rainbow)』に寄せて

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【ヴィヴァルディ・「冬」(II)】英語でやさしく語る、初心者の極上クラシック(動画/字幕付)

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【論文公開3】音楽批評の限界と欺瞞について

皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。 論文公開の第3弾は、私が客員准教授(執筆当時は客員研究員)を務…

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皆さん、こんにちは! 在米25年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。 去る7月21日の午後、20年来の大切な友人であるピアニスト、マクシ…

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【NYレポート】ある若きメキシコ人音楽家にもらった笑顔

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【NY緊急レポート】親プーチンによって”制裁”を受け始めた音楽家たち

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「ウィーンの教育?だから何?」~ウィーン音楽院の恩師との思い出(後編)

「ウィーンの教育?だから何?」~ウィーン音楽院の恩師との思い出(後編)

皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

前編・中編からの続き。今回で最終回となります。

ウィーンの教授から得た最大の収穫
これまでウィーン音楽院(元)指揮科正教授ウロシュ・ラヨヴィツ先生が主宰された短期指揮コースの思い出を語ってきました。

あえて最後まで残しておいたことがあります。

それは講習で学んだことの中でいちばん感動して、今

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【”アリとキリギリス”・スッペ】英語でやさしく語る、初心者の極上クラシック(動画/字幕付)

NYの指揮者が(英語で)やさしく語る
初心者だけの極上クラシック
(話し手:伊藤玲阿奈)

フランツ・フォン・スッペ(1819~95・オーストリア)
「詩人と農夫」序曲

この楽章全部はこちらからお聞きになれます
https://www.youtube.com/watch?v=Kq3NJK8rXOA

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【NY生活から】自分の機嫌は自分でとる

【NY生活から】自分の機嫌は自分でとる

皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

あくまでも個人的な経験からの考え方ですが、どんなに辛かろうが嬉しかろうと、私は自分の機嫌は自分でとれる生き方を望みます。他の人やモノに自分の機嫌をとってもらう生き方はしたくありません。

私がここで言っているのは「人の話を聞くな」「人など気にするな」という単純な話ではありません。ことさら「自分」や

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NYでタワマンを譲られそうになった話~老いるにしたがって豊かに

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皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

深夜にかかってきた一本の電話
コロナ禍が明けようとしていた頃のある夜のこと、一本の電話がかかってきました。

時間が時間だったので日本から緊急の連絡だと早合点して出てみると、相手は10年以上前にちょっとお付き合いのあった老婦人(日本人)。ここでは「Aさん」としておきましょう。

いったい何事かと思

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「ウィーンの教育?だから何?」~ウィーン音楽院の恩師との思い出(中編)

「ウィーンの教育?だから何?」~ウィーン音楽院の恩師との思い出(中編)

皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

それでは、前編からの続きを始めましょう。

”基礎の基礎” の次に待っていたもの
小休憩のあと、待っていたのは楽理分析(日本でいうアナリーゼ)クラスでした。課題曲の指揮実習に入る前に、その曲をじっくり理論分析するのです。

アメリカの指揮科では、ふつう楽理分析については理論のクラスに任せられていて

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【亡き友へ・ブラームス】英語でやさしく語る、初心者の極上クラシック(動画/字幕付)

NYの指揮者が(英語で)やさしく語る
初心者だけの極上クラシック
(話し手:伊藤玲阿奈)

ヨハネス・ブラームス(1833~97・ドイツ➨オーストリア)
ヴァイオリン・ソナタ第3番(ニ短調・作品108)より第2楽章

この楽章全部はこちらからお聞きになれます
https://youtu.be/YeJRqntO-9M

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「素直に夢みる大切さ」~『虹の彼方に(Over the Rainbow)』に寄せて

「素直に夢みる大切さ」~『虹の彼方に(Over the Rainbow)』に寄せて

皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

日本公式デビューの思い出
私が公式に日本デビューを果たしたのは、音楽総監督として出演した、2015年4月10日に東京芸術劇場における第2回国際平和コンサートでした。舞台には国連旗が掲げられ、国連本部からも軍縮上級代表がメッセージを寄せて下さっています。

前半は、各地から参加した子供たちが学校ごと

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「ウィーンの教育?だから何?」~ウィーン音楽院の恩師との思い出(前編)

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皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

1枚の写真から蘇ったある思い出
昨日PCを整理していると、10年前にクロアチアの首都・ザグレブで撮影した1枚の写真が出てきました。

明らかに酔った顔の私(当時33歳)が肩を組んでいる、やはりホロ酔いのヨーロッパ人。彼の名は、ウロシュ・ラヨヴィツ(Uroš Lajovic)。

クロアチアのお隣さ

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NY市が「週4日勤務」を試験導入!

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皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

新型コロナのパンデミックによって変わったことといえば、何といってもテレワークです。アメリカ人の働き方はパンデミック前後ではまったく違ってしまいました。現在、テレワークが可能な人は遠慮なく自宅で仕事をしています。

学生や経営者向けの講演会などでよくお話していますが、アメリカで求人を出すときは「リモ

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【三島由紀夫とイタリア/ヴィヴァルディ・協奏曲RV88】英語でやさしく語る、初心者の極上クラシック(動画/字幕付)

NYの指揮者が(英語で)やさしく語る
初心者だけの極上クラシック
(話し手:伊藤玲阿奈)

アントニオ・ヴィヴァルディ
(1678-1741・イタリア・バロック音楽の作曲家)

協奏曲ハ長調(RV88)
オリジナルは木管楽器のための協奏曲ですが、動画で使われている私が指揮している録音は弦楽合奏のために編曲されているヴァージョンです。

なお、三島由紀夫の回想は、「アポロの杯」(1952)と「私の遍
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【ヴィヴァルディ・「冬」(II)】英語でやさしく語る、初心者の極上クラシック(動画/字幕付)

NYの指揮者が(英語で)やさしく語る
初心者だけの極上クラシック
(話し手:伊藤玲阿奈)

アントニオ・ヴィヴァルディ
(1678-1741・イタリア・バロック音楽の作曲家)
「四季」より「冬」の第2楽章

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【論文公開3】音楽批評の限界と欺瞞について

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皆さん、こんにちは! 在米27年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

論文公開の第3弾は、私が客員准教授(執筆当時は客員研究員)を務める武蔵野学院大学の紀要にて発表したもので、音楽批評の限界と欺瞞を論考しました(執筆2017年/公刊2018年)。後に発表した「音楽理論における科学革命」や「荘子の天籟問答」と比べると学術論文として傷があるかもしれません。自分の考え方が

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【クラシック超入門!】ピアノの超絶技巧は音の多さ・派手さだけじゃないぞ

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皆さん、こんにちは! 在米25年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

去る7月21日の午後、20年来の大切な友人であるピアニスト、マクシム・アニクーシンのコンサートがNYのワシントン・ハイツで開催されました。私は自宅から離れることが出来なかったのですが、幸いZOOMでのLIVE中継があったので、そちらで楽しみました。

マクシムは、共産党時代のロシア、つまりソビエト

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【NYレポート】狂乱物価と庶民の味方あれこれ

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皆さん、こんにちは! 在米25年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

今回は、私が苦しんでいる物価高のお話を。

報道されている通り、現在NYは歴史的なインフレに見舞われています。先月、帰国してあらためて食べ物の安さに驚いたのですが、食費に関しては間違いなくNYは日本の2倍どころか3倍から4倍高いです。

たとえば、定食屋チェーンとして有名な大戸屋。NYに進出して、

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【NYレポート】ある若きメキシコ人音楽家にもらった笑顔

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皆さん、こんにちは! 在米25年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

こちらは遅咲きの八重桜が、いま丁度きれいに咲き誇っているところ。

ただアメリカでは学校が秋に始まるうえ、年中好きなときに就職するのが当然とされますから、桜の季節と年度のスタートを結びつける習慣はありません。

しかし日本で生まれ育った私にとっては違います。たとえ異国の地であろうと特別な感慨が湧い

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【NY緊急レポート】親プーチンによって”制裁”を受け始めた音楽家たち

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皆さん、こんにちは! 在米25年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。

とうとうウクライナで戦争が始まってしまいました。むかし大学時代に国際関係学を学んだ身としては、第2次世界大戦がはじまった際の歴史と似ていることが気になります。さすがに人類も学んでいるはずなので、あの時の二の舞にはならないと思いますが・・・。

独裁的な権力をもった政治家がおちいる悪循環は、権力を持

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