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手始めの段階では心地の悪い豊かさ、それは真実味を帯びている。
書かなくなったのは、書くことが必要でなくなっていたから。それをいっときは、成長と勘違いもした。私の人生に書くべきこと(あるいはそうでないこと)はなく、書きたい主体(あるいはそうでない主体)がいるだけとわかる。
書かない間は、北国特有の、春から夏への激しい変化に追われていた。季節のうつろいを感じて生きることは、明るく心地の良い豊かさのように語られるけれど、相当厳しいことだと思う。指先からつねにこぼれ
また来るね、パラレル・アップルパイ・ワールド 津軽飲食紀・最終日
道産子の母と娘の弘前旅行、食べ物を中心に。一日目・二日目はこちらから。
太宰ゆかりの宿、大鰐温泉・ヤマニ仙遊館にて迎えた旅行最終日の朝。朝食会場となっている広間は、かつては太宰が一家で湯治に来た際に使った部屋なのだという。
今シーズンはひどく雪が少なく、大鰐スキー場のオープンもままならないという話を前日に伺ったばかりだが、思い出したように綿雪が降りしきる朝になった。
凍み豆腐やおから、酢の物な
海峡の向こうの台所を覗く 津軽飲食紀・二日目・後編
母と娘の弘前旅行、食べ物を中心に。一日目・二日目はこちらから。
『人間失格』をバイブルとして、津軽に太宰の足跡を辿る人は少なくないだろう。太宰が最初の自殺未遂の後、母親との時間を過ごしたことで知られるヤマニ仙遊館も、その名所のひとつかもしれない。「自殺未遂後の滞在」という字面が強烈だが、幼少期から家族そろって湯治に来ていた温かな思い出の地であることは、その著作『津軽』に明らかだ。
明治五年創業
雪国のラーメンには油膜が要る 津軽飲食紀・二日目・前編
母と娘の弘前旅行、食べ物を中心に。一日目はこちらから。
温泉旅の醍醐味は朝風呂である。りんごがもりもり浮いているりんご風呂、朝はりんごが新しいのか、触った感じが昨夜よりフレッシュだ。
そして夕食に引き続き、満足感のある朝食バイキング。やはりりんごがたっぷり。漬けマグロが取り放題で、ばくだん丼を楽しめる。ホタテのフライも嬉しい。お正月メニューもある。
9時半にはシャトルバスに乗り込み、弘前市内
りんごの国でりんごに浸かる 津軽飲食紀・一日目
年始の休みに、母と弘前へ行ってきた。北海道の唯一の隣県である青森、新幹線もできて一層交通の便もよくなった。
青森市へはもう何度も訪れ、前回は八戸を旅した。そして、この度初めての弘前。アップルパイをたくさん食べて、温泉でゆっくりしようという計画。
自宅から、車、在来線、新幹線を乗り継いでいく。今年はひどく雪が少ない。それは青森も同じようで、やけに地面の地肌が見えている。
弘前駅について、まずは駅
北海道飲食草紙 #001 幻のかまぼこ「たつかま」を作ろう
ありがたいことに、ここ数年の暮れは料理上手のいとこのおせちを頂きながらの酒宴というのが定番で、今年はその準備のお手伝いをほんの少しだけさせてもらった。
私めにできることなど……ともじもじしていたところ、唯一貢献できたのが、北海道でまことしやかに知られる肴、「たつかま」作りだった。
たち、とは、鱈の精巣、つまり白子のことである。
先日、京都で白子を頂いたとき、「こちらでは雲子といいますけど、北海道
中動的ディレッタンティズム:年始のノート
2023年の元旦に絞り出した言葉は、今思えばそんなに的外れでもなかったかもしれない。
「好きなことを続けていれば落とし所が見えてくる」という、かつて人からもらった言葉をそのまま抱きかかえ、「自分は継続ができない人間だから」と唱えては劣等感を覚え続けてきた。何者かになりたい私にとって、熱中できるものも、覚悟も、継続力もないことは大きな問題だった。
2023年は、ある意味でそれが極まり、転換した年
タイ飲食紀・最終日&帰国日 グッバイข้าวขาหมู、フォーエバーข้าวขาหมู
タイで飲み食べしたものをひたすら綴る記録。初日はこちら。
タイ・パタヤ滞在、いよいよ最終章。虎を抱き、屋台飯を食らう。そして、空港で涙ながらに別れを告げたのは……ข้าวขาหมู。
買ってあったザクロを朝ごはんとして軽くつまんだあと、パタヤを代表する観光スポットでもあるターミナル21へ。空港を模したショッピングモールで、各フロアが東京やパリ、ローマを始めとする海外の都市をイメージして作られて
タイ飲食紀・七日目 人間充電スポット:クイッティアオ屋台
タイで飲み食べしたものをひたすら綴る記録。初日はこちら。
パタヤ滞在2日目、昼間はホテルで仕事をしながら屋台飯を食らい、夜はホテルのルーフトップバーを楽しみました。 写真と疑問が多い日。
いよいよ長くなってまいりました。滞在日数は8泊9日なのでもう終盤ですが、ここで半日だけリモートワークをはさみます。午前中は私がホテルで仕事、友人が買い物へ出かけるという別行動になりました。
私の朝食は、昨日
2023年、人生ビンゴを振り返る。
いよいよ年の瀬。今年初めて取り組んだ人生ビンゴを振り返ります。次のビンゴを見据えた自分用のため、長くなります。
感想生活を刺激され、大変有益な取り組みになりました。理由は下記の通り。
今後についての考えが固まっていない状態でも、とにかく取り組むべき項目を上げることで、活動が促進される。
ある時点での自分の目標を基準として、それに対するモチベーションの増減も含めて、自分の変化を相対的に認識でき
タイ飲食紀・六日目・後編 パタヤの洗礼、パッタイの救済
タイで飲み食べしたものをひたすら綴る記録。初日はこちら。
パタヤ到着初日の後編。パート分けミスったので短め。あと、パタヤではわかりやすい出来事が少なかったので、ちょっと記憶が曖昧です。
フードコートでの腹ごしらえを済ませ、いよいよ買い物フロアへ。
広く、あらゆる物が売っています。食品はもちろん、日用品を豊富に取り揃えたドラッグストアでもあり、カバンや家具や家電もあり、コストコを小さくしたイメー
タイ飲食紀・六日目・前編 豚足をねぶり、米を飲み、ニンニクを齧れ
タイで飲み食べしたものをひたすら綴る記録。初日はこちら。
島脱出。パタヤへ移動して、飲食の幅が一気に広がります。長くなったので前後編にわけました。朝ごはん、移動、そして昼食まで。
2泊した安リゾートを出て、午前中のスピードボートで大陸へ帰ります。出発まで時間があるので、港の手前のレストランで朝ごはん。
私はカオトムという雑炊?の、エビ入りを注文。こちらは、バンコクで食べたおかゆ・ジョークの仲間