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りんごの国でりんごに浸かる 津軽飲食紀・一日目

年始の休みに、母と弘前へ行ってきた。北海道の唯一の隣県である青森、新幹線もできて一層交通の便もよくなった。
青森市へはもう何度も訪れ、前回は八戸を旅した。そして、この度初めての弘前。アップルパイをたくさん食べて、温泉でゆっくりしようという計画。

自宅から、車、在来線、新幹線を乗り継いでいく。今年はひどく雪が少ない。それは青森も同じようで、やけに地面の地肌が見えている。

弘前駅について、まずは駅近くの市場、「虹のマート」へ。25店舗ほどが入った、こじんまりとした、でも賑やかで、懐かしくて、新しい市場。

製麺所の店舗横に作られたカウンターで、津軽蕎麦を頂く。
ほとんど噛まずに食べられるほど柔らかい。これが津軽蕎麦の特徴らしい。製麺の仕方が普通の蕎麦とは全く異なるようだ。

さらに色々と買い食いする。イートインスペースがあって、お惣菜を温められるようにトースターなども置いてある。
イカとキャベツと玉ねぎを小麦粉でつないで揚げた郷土料理「いがめんち」を初体験。内陸だからこそ、イカゲソまでを余すことなく食べようとした工夫の賜物だという。かまぼこっぽいのかと思ったけど、どちらかというとお好み焼きっぽかった。しそ巻杏は甘いが甘すぎない、緑茶が欲しくなる。ピーナツクリームパンはまずパンが美味しくて嬉しい。アップルパイは駅の売店で買った、シードルを煮詰めたシロップが特徴とのこと。バランスよく、オシャレな味。

虹のマートを出たら、軽く駅回りを散策して、温泉行きのシャトルバスへ乗り込んだ。今夜の宿は、弘前市隣の平川市にある南田温泉アップルランド。道すがら、広大なりんご畑を眺める。いつも思うが、りんごの木は、勝手に想像しているそれよりも無骨だ。
ここは、りんごがたくさん浮かんだりんご風呂が名物。ラウンジではりんごジュース飲み放題、ウェルカムりんごまで用意されている。りんごだらけで愉快な気持ち。

部屋からは、高々とりんごを掲げるりんご観音と、津軽の人々の拠り所である岩木山を拝むことが出来る。りんご観音、ひいてはアップルランドの由緒については、客室の案内書きに詳しい。観音様は、単なる客寄せのオブジェではない。

夕食バイキングにも、りんごを使ったメニューがたくさん出てくる。薄切りのりんごがマッシュポテトの上に並んだグラタンは、家で真似したいと思った。料理をしっかり説明するキャプションが多く、すごく楽しい。
りんご以外だと、湾内ホタテが特に美味しかった。甘く、舌触りがとろりとしている。道民だけど、ホタテは北海道産より青森産の方が美味いのではと常々思う。

ほんの一部。

ちなみに、りんご風呂についても大変誠実に、品種が明示されていた。今年はりんごが不作らしく、例年に比べ湯に浮かべられる数が少ないことについての謝罪の貼り紙まであった。実際入りながら数えたが、50個は浮いていた。充分に贅沢だ。

(続き)


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